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こんなところにも、一押し接頭辞“ad-”

こんにちは、自称、語源・町のお医者さん・水守です。
今回は少し趣向を変えまして、問題形式・問答形式にしてみます。まずは、次の各文の( )に適する前置詞を入れてください。

She attached a label (     ) a parcel.
He couldn’t accustom himself (     ) his new work.
The mayor appointed him (     ) an important post.
Don’t addict yourself (     ) gambling.

水守:『もうお分かりになられたと思います。答えは4つとも“to”です。』
attach A to B=AをBにくっつける
accustom A to B=AをBに慣らす
appoint A to B=AをBに任命する
addict A to B=AをBに夢中にさせる

水守:『このように一覧にするともうひとつの共通性が見えてきます。いかがですか。』
読者:『動詞が全部、“a-”で始まっている』
水守:『もうひと踏ん張り!』
読者:『動詞の先頭の“a-”の後ろに同じ文字が2個続いている』
水守:『もうひと踏ん張り!』
読者:『…?』
水守:『実は、4つの動詞それぞれが、接頭辞“ad-”で始まっています』
読者:『でも、“at-”だし、“ac-”だし、“ap-”なのに…』
水守:『そうです、これらは後ろの音(語幹の先頭の音)に合わせて変化したものなのです!』
読者:『ということは、“a-”で始まり後ろに同じ綴りが2度続くものは全部、接頭辞“ad-”?』
水守:『abbreviate, annual, anniversaryなど例外はありますが、基本的に“ad-”です。』
読者:『assist, appeal, accuse, apply, add,affect, attend, aggressive, ally…ワォー!』
水守:『接頭辞の“ad-”が見えてくるようになると、意味の“味”が見えてきます。』
attach = ad-/tach = ad- + touch =触れる ⇒ “小包に触れる” ⇒ “小包にくっつける”
accustom = ad-/custom ⇒ “…を習慣にする”⇒ “…に慣れる”
水守:『appointもaddictもやってみてください。きっと単語があなたに語り掛けてきます。』

如何でしょうか。“ad-”を一押しの接頭辞とする意味をお分かり頂けましたでしょうか。接頭辞“ad-”は綴りが“a-”だけになることもあります。正に『思わぬところに“ad-”』という感じの接頭辞です。また、前置詞“to”がこれらの動詞に“好まれる”のも決して偶然ではなく、“ad-”の意味“to …, toward…”が影響をしているからということになります。“re-”や“in-”などでは味わえない感激が“ad-”にあり、『“ad-”を制するものは語源を征す』などと叫んでしまいたくなるくらいです。

次回は、『後ろの音(語幹の先頭の音)に合わせて変化したもの』という説明で簡略化しました『同化』という現象についてお話をさせて頂きます。私の一押しが目白押しです。是非是非、付いてきてください。お待ちしています。

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