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挑戦、唇を動かさず”アカサタナハマヤラワ”

こんにちは、自称、語源・町のお医者さん・水守です。早速ですが、少し前に、健康診断で、ピロリ菌が生息しているとの指摘を受けました。
普段、健康に自信過剰気味の私ですので、『ピロリ』なる耳慣れない言葉に怯えを感じ、ネットで検索をしてみました。すると正式名が『ヘリコバクター・ピロリ』とそのまま人名に使えそうな菌であることを知ると、この言葉の語源に興味が湧き、菌のことは忘れて、そのカタカナ名から語源の分析に掛かってしまいます。まず明らかな部分は、『バクター』これはもう完全に『バクテリアの変化形』で即決着。そうすると前の『ヘリコ』が浮いてくるので音に着目(?)です。そう、『ヘリコプター』が浮かんできます。すると『ヘリコ=回る=螺旋』と決着。『何かぐるぐる巻きになったバクテリア』と、にっくき相手のイメージが湧いてきて、負けてたまるかという気持ちになってきます。最後の『ピロリ』はきっと発見者の名前だろう、などと連想を働かせた後で、辞書で綴りと語源を確認。『螺旋とバクテリアは正解、ピロリは発見者の名前ではなく、幽門という身体の器官の一部をさす名前』と知識を仕入れます。あとはもう少し『ピロリ』をブラウジング。『パイロン=pylon』なる語を聞いたことがあることに辿り着きました。(注:i, yは、発音が『イ』・『アイ』の2種類)『そうしたらついでにパイロットはどうだ!』などと、正解と不正解の世界をさまようことになりながら、語源の知識が増幅していきます。

この間、時間も忘れ、空腹感も忘れ、楽しいひと時を過ごすといういつものパターンでした。

さて、初回の内容について、『早く続きを教えてください』というリクエストを多数頂きましたので、今日は、2つのテーマの内のまずはひとつに、お答えをしてまいります。

では、まず、ちょっとしたゲームのようなものをお出しします。やってみてください。
『腹話術の要領で、できる限り唇を動かさずに”アカサタナハマヤラワ”と言ってみてください。』

“腹話術”をご存知ない方もおられるかも知れません。ネットで引いて頂くと、きっと”いっこく堂”という方が、口の近くにマイクを付けて人形を操っている写真が出てくると思います。口を動かさずに、まるで人形がしゃべっているかのように声を出す芸当です。

さて、”アカサタナハマヤラワ”上手くいきましたか。
“ワ”もついつい動きそうになるのですが、もっと強烈に動いた音があったと思います。
そうです、”マ”ですね。

他の音は、口を半開きにして舌を動かせばどうにかなるのですが、”マ”だけはどうしても唇が動いてしまいます。もう少し分析してみましょう。唇はどんな動きをしているでしょうか。
そうですね、一度、閉まって口全体の形を整えてから”ア”という音が続いて”マ”という音になっていますね。”マミムメモ”と言ってみると、この動きが良く分かります。
このマ行と同じように、唇を動かさなければ、正確には、唇を閉じなければ出ない音があります。如何でしょうか。答えは出ましたか。

前回の内容に、
impose=in-+pose ⇒『中に置く』⇒『人の中に置く』⇒『押し付ける』
in-+poseなのになぜ綴りが”impose”になるのか
というものがありました。

imposeという単語の”意味の中心=幹”になっている部分は、poseです。そうです、パ行とバ行も唇を閉じないと出ない音なのです。だから、本来は”~の中へ”という意味で”in-”という接頭辞だったのですが、幹にpという唇を閉じる音があることを頭が知っているので、自然に、”in-”を”im-”と発音していたのです。

export=”輸出”ならば、”輸入”はinportで良いはずなのに、importになる、TOEIC頻出語で交通費の精算の話題になると登場するreimburse=”払い戻す”も、”もう一度財布の中に入れる”なので、reinburseで良いはず。

import, reimburseは、私たちがしている発音を自然に文字にしたものです。in-の後ろのpやbの存在が、in-をim-に自然に変化させている、その変化の基に、”腹話術でトライ、アカサタナハマヤラワ”が存在していることになります。

如何でしょうか。無味乾燥に見える英語の綴りに、少しは味が出てきたでしょうか。次回は、もうひとつのテーマ、『語源でやっても、expose, imposeのpose=”置く”という意味を覚えなければいけないので?』・『reimburseのburseに”財布”という意味があることを覚えるくらいなら、”reimburse=払い戻す”と覚えた方が楽なのでは?』にお答えしてみます。ご期待ください。
尚、ピロリくん退治は完了しております。ご安心ください。

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