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JoyVo:「単語の中の単語」面影程度編 

自分の中の更新日「第4水曜」に向けて、ブログの原稿に取り掛かった時、今月はその翌日が「第5木曜日」であることに気付きました。申し訳ございません。

語源・街のお医者さん・水守勤三です。市役所からワクチン接種申込受付開始の案内が届きました。開始時刻の1時間後にネットを覗いたら「予定数に達しましたので…」の案内が出ていました。「そらそやろなぁ」が実感でした。そんな中ですが、素晴らしいこともありました。

語源を学んで英会話力向上

唯々、“Harbinger!”

日本時間 4月12日午前8時過ぎ、ゴルフ・松山英樹選手は、アメリカ・ジョージア州オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの18番ホールでマスターズの優勝を決めました。日本で実況中継をしていたテレビのアナウンサーと、同じく解説をしていた二人のプロが、感極まり、1分近く沈黙してしまいました。(水守注:「55秒の沈黙」で検索を!)ディレクターの機転でしょうか、その沈黙の中、現地アメリカで中継をしていたアナウンサーの声が一瞬流れました。”Harbinger!” 松山選手の画面に重ねて、叫ぶよう言ったのです。アジア勢での初のオーガスタ制覇に対して「先駆者」という言葉を使ってくれたのだと思いました。アナウンサーの賞賛の言葉を、時間差無しで受け取れたことに、語彙を豊かにすることの素晴らしさも併せ感じました。

「単語の中の単語・面影程度」とは?

さて、新シリーズに入って今回で3回目です。これまでの2回で、「単語の中に単語がいる」ことをご紹介してきました。

*黒板・blackboard は、b/l/a/c/k/b/o/a/r/d ではなく、black & board = & 板、
*公平な・impartial は、im- + part + -ial で「部分的ではない」こと
*徐々に・gradually は、意味の真ん中に grade = 段階 を持っている

このように、完成品となっている単語の中に、別の単語が、そのままの形、あるいは、ほぼそのままの形で隠れていることをご紹介しました。

このような単語もたくさんあるのですが、語源を更に幅広く活用して頂くべく、今回は「面影程度に形が残る単語」へと範囲を広げていってみます。

“fluently”ってどんな風に「なめらかに」?

“He speaks English fluently.” 中学時代ではなかったと思いますが、高校のかなり早い時期に、この文は言えていたと思います。辞書に「なめらかに」と共に「流暢に」という文字があります。そうです、fluently の中には「flow=流れる」が隠れているのです。はっきりと flow とは綴られていませんが「flow と見えないこともない」と言える程度の語源の手掛かりが、見破ってもらえるのを待っているように見えてきます。flu 関連で見破ってもらうことを期待している単語を並べてみます。味わってみてください。

influence, influenza, superfluous, affluent, influx, efflux

「面影程度」実践演習

では、「言われればそうかも知れないな」程度を実践してみましょう。単語、意味、同じグループの単語代表を並べてみます。隠れている単語を考えてみてください。

asteroid:小惑星   asterisk, constellation
rival:対抗者   arrive, derive
circmustance:環境・事情   circulate, circuit

如何でしたか。すっきりして頂けるように、答えをご案内します。一つ目は「星=star」 接頭辞 con- に「共」という意味があることを知っていれば、「星が一緒になる」⇒「星座」も決して難しい単語ではなくなるでしょう。二つ目は3つとも意味が分かるのに基になっている単語は見つかりにくいかも知れません。スポーツや仕事のライバル、などを想像することが多いですが、言葉が生まれた大昔に「対抗」せざるを得ないものは何だったのでしょうか。また、どこに「辿り着く」ことが大切だったのでしょうか。そうですね「川=river」  川から流れる水をどちらの村が取るのか、対抗せざるを得なかったのでしょう。三つ目は、少し遠い親戚、という感じになりますが「周・円=cycle」になります。circumstance の後半は「立つ=stand」です。周りに立っているのが「環境・事情」 そんな風に語り掛けてきます。

「単語の中の単語」は如何でしたか。次回は「単語の中の単語」の応用として「簡単な単語を使って語彙を増やす」をご案内しようと思います。お楽しみに。

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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