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基本編シリーズ:よく見かける英語の接頭辞⑪”dis-”

                                                                  distantになっていくことを予感させる二人

語源・町のお医者さん・水守勤三です。

昨日、予備校部門のイベントで、新高校2年生を対象に、『語源講座ライブ版』をやってきました。筋道を立てて話していくと、『収入』という日本語に対して『income』という単語を書ける彼ら・彼女らの頭の柔らかさに、こちらが感激をしました。単語の暗記を単純作業にしてしまっている現状が徐々に変わっていく予感がしました。

さて、今日は基本編シリーズ「よく見かける英語の接頭辞」第11弾”dis-”について解説します。”dislike”に代表されるように”dis-”は反意語を作りますが、今日は、もう一歩踏み込んで、”dis-“の根底のイメージをつかんでみましょう。

接頭辞のdis-の根底にある意味とは

まずは次の例文の意味を考えてみてください。

Don’t be so distant with me!

distantですっと浮かぶ意味は、『遠い、遠方の』などかと思います。従って、上の英文の意味は、『私との一緒にそんなに遠くにいないでください』となりますが、これでは意味がすっきりしません。辞書をもう一度見てみると『〔態度などが〕隔てのある、よそよそしい』という意味が紹介されています。結果として上の英文の意味は、『私にそんなによそよそしくしないでくださいよ』となってすっきりしてきます。『よそよそしい』⇒『少し距離がある』⇒『くっつかずに離れている』という流れです。この単語distantやその名詞形distanceに、接頭辞”dis-“の意味が明確に見えています。分解すると、”distant = dis- + stand”となり、語幹”stand”の先頭の文字に、接頭辞”dis-“の最後の音・綴り”s”が遠慮をした、という構造です。

となると、”dis-“は『反意語』ではなく、『離れて』という意味を担当していることになります。

接頭辞dis- の起源を遡ってみるとこんな事実が!

なぜ、接頭辞”dis-“に『離れて』の意味が根底に存在するのかは、”dis-“の起源にあります。『mono-, di-, tri-, tetra-, penta-,…』(6月1日掲載・日常のニュースや会話に隠れている英語の語源をサーチしてみましょう!参照)にある『2』を意味する“di-“から生まれているのです。”distant”は、『一つになって立っているのではなく、ちゃんと二つになって立っている』というイメージです。そうなると”dislike”も単なる反意語の味わいから『好きという道もあるのだけれども、その隣に”好きでない”という道もある』そんな感じがしてくるのです。

この『2・ふたつ』というイメージを見事に表現しているお馴染みの単語に”different”があります。

“different = dis- + fer + -ent”(dis-がdif-となるのは同化)と分解でき、語幹”fer”は、”ferryboat”で有名な音で『運ぶ』を意味します。湧き水が流れる岩肌に指を立てると、水の流れが2つに分かれ『水が離れて流れていく(=運ばれていく)』情景が浮かんできます。

基底の意味がはっきりしていると理解しやすいものとして、discover, disabled, disagree, disarm, disclose, disappear, disappoint, diversity, divorce, disgust, discard, indispensable, disparityなどがあるでしょう。逆に、分かると理解しにくくなる単語に”dissolveがあります。『”solve”だけで”解決する・解く”なのに”dissolve”が”Sugar dissolves in water.”のように、なんで”溶ける“なんだろう?』と。その時に、『”dis-”の基本の意味は”2”、”distant”で分かるように”離れて”というイメージ有り』となると、水の中で砂糖が離れて溶けていく』イメージが浮かんでくるのではないでしょうか。

“dis-“に出会った時は、すぐに『反意語』と考えてしまうのではなく、『2』⇒『離れる・離れている・離れていく』というイメージからスタートしてみてください。きっとすっきりする語が増えてくると思います。

次回は、『反意語』繋がりということで、”unhappy”で有名は接頭辞”un-“を取り上げてみます。”dislike, unhappy”と暗い単語が続きますが、”ご期待“ください。

KEC外語学院 梅田本校

この記事の筆者

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