KEC外語学院ブログBlog

ファシリティドッグ・ベイリーの引退式より

語源・町のお医者さん・水守勤三です。先日、横浜市の神奈川県立こども医療センターで行われた「ファシリティドッグ・ベイリー引退式」のニュースが報じられていました。guide dogservice dogという言葉は目にしますが、「ファシリティドッグ」という言葉は知りませんでした。

ファシリティドッグとは

調べると、看護師や臨床心理士としての臨床経験を持つハンドラーという人と病院の近くに居住し、入院中の患者その家族に安らぎを与える役割を担う犬と紹介されていました。病気の子供がベイリーと触れ合う中で表情が和らぐ様子に感激をしました。

「ファシリティ」=facilityを辞書で引くと、「便利(な手段)・装置・設備・施設・腕前・容易さ」などの意味が紹介されています。これらの多くの意味を理解するためには、色々な場面で使用される実例に触れるとともに、語源が便利だと実感します。

facilityの先頭にあるfac-が語幹になります。このブログを読んでくださっている方なら、きっと「あっ、あれか!」と答えて下さると信じています。そうです、ラテン語のfacereに由来する語源です。関連語を紹介しますので、初めての方も意味を想像してみてください。

fact, factory, fiction, affect, effect, suffice, efficient, proficient, sufficient, sufficient, …

とても力のある語幹なので、例を挙げればきりがありません。

fac-, fic-, fec-=”do, make”

上の語に共通するイメージは、”domake”です。

たくさんあるfacilityの意味も、この根本となっている”domake”のイメージを持てば共通性が見えてきます。facilityとよく似た語「faculty=能力・手腕・学部」も語幹を同じくします。

”do・make”ができるくらいなので、そこから意味が発展し“easy”という意味も加わってきます。

耳にする機会が多くなった「facilitator=ファシリテイタ―・まとめ役・補助者」も、研修会などの進行を容易なものにするお手伝いをする人を意味しています。facilitator  facilitate  facile という流れで登場する知名度の低い単語の意味としてOxfordの辞書は、”facileignoring the true complexities of an issue, superficial, easily achieved”などを紹介しています。

「ファシリティドッグ」の定義は「病院施設(で活躍する)犬」ですが、病気と闘う子供とそのご家族の日々を「心安らぐ」ものにするお手伝いをしている「補助者」という意味も持っているように思いました。

「ベイリー、お疲れ様でした。後任のアニー、よろしくお願いします」facility dog

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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