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JyoVo : たかが語源、されど語源!

語源を学んで英会話力向上

こんにちは、語源・街のお医者さん、水守勤三です。今、原稿を書いている事務所から5分もかからないところに、放火事件の現場となったビルがあります。表現できない感情が生じます。被害者の方々のご冥福をお祈りしますとともに、関係される方々のご心痛が和らぐ日が少しでも早く来ますことをお祈り致します。

そのニュースから “motivation for the crime” という言葉が聞こえてきました。「人を動かす(=move)」から生まれることから、これまで何となくポジティブなイメージを抱いていた motivation という言葉が、犯行の「動機」にもなること知り「もっと勉強せんとあかんな」と感じました。

さて、語源に向かってみます。今回は、一年の最終ということで「気ままにマイブーム」のお話をさせて頂きます。

resistance の re- が気になる!

年末の慌ただしい雰囲気の中、接頭辞 re- に嵌っています。ほとんどの語源関連の本は「再・後ろ()」と紹介しています。

「再」グループ:recycle, reform, repeat, resume, review, etc
「後ろ()」グループ:react, report, respect, result, reject, etc

私はここにもうひとつ「強意」を付け足してご案内をしています。
「強意」グループ:research, represent, revenge, reward, etc

ところが、resistance(抵抗・反抗)に適する re- がしっくりこないのです。これまでは「sist が 立つ で、re- は強意、全体として、抵抗とはしっかり立つことです」と言っていたと思うのですが、きっと心のどこかにやましさを感じていたのかも知れません。

気になった時がチャンス

学生時代、定期テストの前日に部屋の模様替えがしたくなる、という癖がありました。テスト前日は勉強がすべきことで、部屋の模様替えはしなくてもよいことです。そのしなくてもよいことをやる時の快感が未だに残っていて、re- が気になり始めると、仕事の優先順位にも見事に変更が加わりました。

その結果、resistance re- は「反」= against, opposition of だと分かったのです。そうすると、resistance = 反抗して立ち上がる とぴったりと当てはまるのです。

確かに「反」の登場回数はとても少ないので「反」を省いても支障はない、とも言えるのですが、反対に「反」を加えることで、とてもすっきりする単語たちがいるのです。

reprove(しかる)=やるべきことに「反」したことをしたことを証明する
reveal(
明らかにする)=ベールが掛かっていた状態を「反対」の状態にする

他に、revolution(革命), renounce(放棄する) も「反」のイメージがあるとすっきりする語と言えるでしょう。

re- の6つの分類

① 再・再び:recycle
② 後ろ・元へ:return
③ 「再」+「後ろ・元」:resident
④ 強意:rely
⑤ 反対:resist
⑥ 正体不明:receive

辞書で re- を引くと、たくさんの意味が出ています。実際の単語たちと接触をした後で、時には、辞書と会話をしてみることもよいと思います。先に辞書の一覧から入ると無味乾燥かも知れませんが、経験を積んだ後で、まとめとして活用すると生きてきます。

気になった時はチャンスです。すっきりとした知識のある項目を増やしてみることも語源との付き合いを強化してくれるでしょう。

語源は、すべてプラス発想!

語源が役にたつにも関わらず、広がりは弱いといつも感じています。その原因のひとつに今回の re- に見られる現象があると考えます。「全部がすっきりと片付くわけではないので、下手に手を出さない方がよい」という考え方です。もし、あなたが教える立場におられるというような場合であれば、尚更でしょう。

「ネットに相談しよう!」がみんなの合言葉になればいいなと思っています。Online Etymology Dictionary というサイトで、receive re- の意味は、学者も「不明」としていることを、今回、知りました。なにか益々楽しくなってきます。

大らかな気持ちで、面白いなと思うところ・役に立つなと思うところだけを使ってみる、それでいいのではないでしょうか。

もっともっと語源が広まればいいな、と心から思っています。来年もぜひ覗きに来てください。語源のお話ができることを楽しみにしています。

また長くなってしまいました。
では、そろそろ、

よいお年をお迎えくださいませ。

KEC外語学院 梅田本校

この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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