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話者の意図を問う問題

こんにちは、KEC外語学院の植田です。みなさん勉強は順調に進んでいますか?

これまで何度か、新形式となったTOEIC® L&Rテストの対策について説明してきましたが、新テストに目立って出題されるようになった問題の一つに、話者の言葉の意図を文脈から読み取るというタイプの問題があります。今日はこれについてお話ししたいと思います。

意図を問う問題とは?

たとえば、会話の中で誰かが、”I’m surprised.”と言ったとしましょう。

テストではこの台詞を引用して、「話者はどういう意図で ”I’m surprised.” と言っているのでしょうか?」というような形で出題されます。

“I’m surprised.”という英文は中学生でも意味はわかります。ただし、これが何か嬉しいことがあって驚いているのか、残念な結果を聞いて驚いているのか、いろいろな理由で「驚いている」ことが考えられますね。その理由を文脈から読み取って答えるということが要求されるわけです。

読解力、想像力、類推力の重要性

ここで皆さんに質問です。こういう設問に答えられるかどうかははたして英語力の問題なのでしょうか?

私は、日本語の読解力や、想像力、類推力が非常に重要だと思っています。

もちろん英語のリーディング力を伸ばすには英文を大量に読む必要があります。しかし、日本語を母国語としている人なら、日本語の文章を読む力が英文読解力の土台になっていることは間違いありません。特に上で述べた問題のように、文脈から話者の気持ちや意図を読み取ることができるかどうかは、日本語の読解力が大きく影響してくると思います。

みなさんはふだん紙の本を読んでいますか?最近はPCやタブレット、携帯電話で文章を読むことが増え、短い文章しか読まなくなってきている傾向が、特に若い人達の間にはあるようです。しかしやはり紙の本で、場合によっては線を引いたり書き込みをしたりしながら、長い文章をじっくり読むということも必要だと私は思います。

個人的な話で恐縮ですが、私は今、新書(特に松岡正剛氏の著作)を何冊か線を引きながら読んでいます。そこで感じるのは、やはり文章を読むにはデジタルよりアナログの方がいいなということです。じっくり考えながら読めるような気がします。

ということで、英語の勉強だけでも時間を取るのは大変かもしれませんが、日本語でもいろいろな種類の文章に触れることによって、文脈を読み取る力を鍛えていって下さい。

日本語でも Read, read, read!です。

英字新聞でボキャブラリー定着

 

KEC外語学院梅田本校 KEC外語学院 京都校

この記事の筆者

植田 尚男Hisao Ueda

[TOEIC985点・英検1級]同志社大学文学部卒業。文化史学(アメリカ史)専攻。会社員を経て、インターナショナル・インターンシップ・プログラムズに参加。アイオワ州の小・中・高校にて日本文化の紹介に努める。同時に大学では日本語クラスを担当。また米企業や自治体の日本向けPVの翻訳・吹き込みを手掛けた。帰国後KEC近畿教育学院・予備校で中学生・高校生に英語を指導。現在はKEC外語学院にて英会話コース、TOEIC講座を担当する一方、企業・公共施設・高校などでも指導を行っている。 英語の学習経験、実用経験、指導経験の豊富さから、英語の奥の深さを感じさせてくれる切れ味の鋭い授業に定評がある。

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