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高校生でTOEFL iBT受験を考えている方へ②発音の重要性や学習方法について
- 2017年05月10日
- TOEFL iBT® TEST
関西一円で完全に初夏の陽気が感じられますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。前回は高校生向けにTOEFLのリーディング対策の土台になる勉強法について書かせて頂きました。今回は高校生向けのリスニング用の勉強方法について述べてみたいと思います。
発音記号とフォニックスを学ぶべし
リスニングは得意だ、という高校生はこの部分は飛ばし読みしてもらって大丈夫かもしれません。しかし、そうした高校生は現時点ではまだ少数派でしょう。ここでは、高校生のうちに是非とも行っておくべき、『発音記号』の勉強について述べます。
まず確認しておきたいのは、「日本語に発音記号はあるか?」ということです。当然ですが、日本語には発音記号はありません。なぜなら、日本語の平仮名とカタカナは文字=音だからです。しかし、英語やその他多くのロマンス系言語では、文字と音が一致しません。たとえばAという文字はエイですが、Aという音は ӕ や ɑ や ʌ だったりします。これらの音は、残念ながら日本語では発声は可能でも、表記は不可能です。これが高校生に限らず、多くの日本人学習者を苦しめている原因の一つでしょう。だからこそ、発音記号を学ぶ必要があります。学ぶといっても、発音記号を書けたり、読めたりするようになることを目指すという訳ではありません。聞こえてくる音声を、頭の中で発音記号に結び付けられるようになりましょう、ということです。
もう一つは、フォニックスについてです。フォニックスとは、綴りと発音の間にある規則のことです。例えば、take, make, lake, cake, fake, shake, game, same, lame, shade, fade, grade, paradeなどなど。これらはどれも、語の終わりの部分が a*e という綴りになっていることが分かります。こうした綴りの場合、aの発音はei、eの部分の発音はuとなります。他にも、right, light, flight, fight, night, knight, sight, tightに見られるような、ightは、άɪt と発音することが分かります。ただし、その頭にeがくっついたweight, freightやhがくっついたheightなどは発音が異なってきます。最初に挙げたcakeやgameにも、haveという例外があります。フォニックスは決して万能のルールではないのです。だからといって、学ばなくてもよいということはありません。むしろ、リスニングに苦しんでいる人ほど、積極的に学ぶべきです。
前回のエントリーの単語のところで、“単語力とは「知っている単語の数」+「単語の意味を類推できる力」のことです”と指摘しました。同様に、リスニング力とは、「どれだけ知っている単語やフレーズを聞き取ることができるか」+「未知の表現を文字に置き換えられる力」であると定義づけられます。どれだけ学んでも、TOEFLでは未知の単語が出てきます。知らない=お手上げ、ではなく、知らない=類推する、という姿勢を今の内から持っておくことが決定的に重要です。
では、それらを学ぶためにどうするべきかを以下で見ていきましょう。
電子辞書(アプリ、Web媒体)の有効活用
私は高校一年生の頃、毎日リュックに英和と和英の辞書を入れて通学していました。とにかく辞書が重たかったという印象が今でも強いです。さすがに2年生になる頃には、家用の英和・和英辞書と学校に置いておく用の英和・和英辞書を揃えました。
今の高校生では、ポケットに入るような電子辞書や携帯の辞書アプリを使っている人が大多数を占めるのではないかと思います。私もそれらを使用することに賛成です。何よりコンパクトで持ち運びに便利ですし、紙の辞書との最大の違いは『発音のお手本を示してくれること』でしょう。発音記号を学ぶには、実際の音を聞いて、その発音記号をチェックするという手順が最適です。逆はあまりお勧めできません。辞書というと、意味を調べるという用途が一番に来ますが、発音を調べるという意味でも活用をしていくべきです。
単語の発音をたくさんインプットできるようになってくれば、今度はセンテンス単位でのリスニングにも慣れていくようにしましょう。この時に役立つのが、テキスト読み上げサイトです。代表的なものにグーグル翻訳があります。左側のボックスに英語を入力すると、右側のボックスに翻訳された日本語が出てきます。その時、左の英語を入力するボックスの左下にマイクのアイコンが出てきます。それをクリックすると、自動合成された音声を聴くことが出来ます。出てきた当初はかなり機械的な音声でしたが、今は相当に改善されています。抑揚も自然な感じで加えられています。センテンス単位でどのように発音されるのかを聞いてみたいという人は、このようなウェブ上のサービスを利用しましょう。
ディクテーション
最後に案内したいのが、ディクテーションです。これは、聞き取った言葉をそのまま文字に起こしていく行為を指します。リスニング力を鍛える、あるいは確認するための最も確実な方法ですが、発音記号と実際の音の関係、つまりフォニックスのバックグラウンドが無いままにディクテーションを行うことは、決してお勧めできません。たとえば、
アワ プラネッ イズ ナッ ダ セナァ アゥ ダ ユニヴァース(スタンダードなAmerican Englishの発音を想定しています)
と耳に聞こえてきたときに、Our planet is not the center of the universe.と変換できなければ、ディクテーションは逆効果です。繰り返しになりますが、音と文字の関係を意識して、リスニング力養成の土台作りに取り組みましょう。
ディクテーションを勧める参考書はかなりありますが、それを実践した時にチェックしてくれる環境まで与えてくれるわけではありません。理論的にフォニックスを理解している人にチェックをしてもらうことが、遠回りなようでいて、結局は早道、近道になります。ディクテーションに習熟していけば、次の段階のシャドウイングに移ることもできます。シャドウイングの効果・効用については、スピーキング対策の話の時に触れる予定です。乞うご期待。
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