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[2] TOEFL攻略法

さて、ここからはTOEFL iBTテストの具体的な攻略法を解説いたします。TOEFL iBTテストは4つのセクション(Reading, Listening, Speaking, Writing)に分かれていますので、それぞれのセクションに分けて攻略法を見ていきましょう。

スコアメイキング法

では、具体的なスコアメイキング法をご紹介いたします。TOEFL iBTテストは120点満点のうち、各セクションが30点です。ほとんどの大学では45点~100点を必要としています。TOEFLの勉強を始める前に、希望する大学や大学院の求めるスコアを確認することが必須です。

目標スコア別

さて、次に目標スコア別の対策方法を解説いたします。TOEFL iBTテストを受験する際、まずは目標点を決めることが重要です。目標点とは、希望している留学先(もしくは進学先)から要求されているスコアのことを指します。当然、いつまでにそのスコアを取得しなければならないのかということを考えた上で学習を進めなければいけません。

セクション別

ここからは、各セクションごとの対策方法を詳しく解説いたします。TOEFL iBT対策においては、合計目標スコアを設定するだけでなく、各セクションごとの目標スコアも設定し、対策しなければなりません。というのも、大学や大学院によっては各セクションごとの最低必要スコアを設定している場合があるからです。例えば、Xという大学では留学生にTOEFL iBTで71点以上を課しているとします。この時、非常に極端な例ではありますが、Reading 30点 Listening 10点 Speaking 2点 Writing 30点というスコアを獲得した人がいるとしましょう(実際には統合問題があるので、Writingで満点を取れる人がSpeakingで2点ということはあり得ないのですが)。このスコアが示すのは、この受験者はListeningに難有り、Speakingはほぼ不可能ということです。つまり、アメリカの大学でのグループワークやディスカッションに参加したり、プレゼンテーションを行ったりする能力は無いと判断されてしまいます。4技能をバランスよく身に付けておくと何度か強調してきたのはこうしたことからです。

TOEFL iBT受験を目指している人が実践すべきリスニングの勉強&練習

Reading

TOEFL iBTというのは難しいテストだ、とよく言われます。では、なにが難しいのか。まずは、用いられる語彙が難しいということが指摘できるでしょう。equinox, arid, fungus, alga, geyser, extracurricular, archipelago, peninsula, glacier … これらの単語の全ての意味を知っている、という人は非常に少ないのではないかと思います。TOEICで860点以上のスコア保持者、英検準1級合格者の方でも、TOEFLで出てくる単語というのは難しいという感想を述べる方は少なくありません。(英検1級の単語はネイティブスピーカーにとっても難しいほどの特殊なものなので、今回の記事では触れません)。しかし、TOEFLである程度のスコア、例えば72点以上を目指すのであれば、上で挙げた単語は全て知っておいてほしいと考えています。なぜなら、それがTOEFLでよく出てくる単語だからです。では、なぜこうした単語がTOEFLでよく出てくるのでしょうか?それは、TOEFLが主に学生を対象に行われるテストだからです。したがって出題される分野も必然的にアカデミックなものが多くなります。ただ、出題される範囲に明らかな偏りというか、傾向があるので、そこに重点的に取り組むことが肝要です。TOEFLでよく出題される分野というのは次の通りです。

アメリカ近現代史の重要事件

これは主に、ヨーロッパ人によるアメリカ大陸発見の歴史、ネイティブアメリカンとの交流と闘争の歴史、アメリカ独立戦争前中後の歴史、南北戦争前中後の歴史、南北戦争後の南部諸州の復興に関する歴史、第一次世界大戦頃までの経済的発展(鉄道の歴史など)や政治的運動(女性の参政権獲得など)が多く出題される傾向にあります。こうした事柄について詳しく知っている必要は全くないのですが、だからといって全く知らなくてもよいわけではありません。上に挙げたような歴史について、Wikipediaの該当項目を日英両語でざっと目を通しておくことは、TOEFL受験者には必須と言えます。

アメリカ近現代史の重要人物

歴史的事件と同じくらいよく取り上げられるのが、歴史的な重要人物です。特に歴代大統領の中でも、初代のジョージ・ワシントン、第3代トーマス・ジェファーソン(ジェファーソン民主主義)、第4代ジェームズ・マディソン(『権利章典』で特に有名)、第7代アンドリュー・ジャクソン(ジャクソン民主主義)、南北戦争で北軍最高司令の第16代エイブラハム・リンカーン、その後の南部再建に大失敗した第18代ユリシーズ・グラントあたりまでが、Reading Passageによく出てきています。

また、2020年には米20ドル札の表面から裏面にアンドリュー・ジャクソンが移動し、代わって南部解放奴隷の闘士、ハリエット・タブマンが20ドル札の顔になることが決まっています。このハリエット・タブマンと最後まで争った候補者として、女性パイロットのアメリア・エアハート、公民権運動の母ローザ・パークスでした。彼女らもTOEFLではしばしば取り上げられる重要人物です。

生物学・地学・気象学・天文学

その他、理系分野からは、生物学、地学、気象学、天文学がしばしば取り上げられます。特に、生物学からは恐竜や微生物、植物がトピックとして現れることが多いという印象を持っています。魚類とクジラ目の違い、ミクロの世界における動物と植物の違い(または違いの無さ)などがしばしば取り上げられています。

また地学では火山活動や大陸移動、地震などの日本にもなじみの深い現象が多く、背景知識を持っていることが英文の理解度にそのままつながると言えます。気象学では嵐の発生メカニズムが説かれることが多いです。『オズの魔法使い』のドロシーは、Windy Cityのカンザスの少女であると知れば、この分野にも興味が湧いてくるのではないでしょうか。

天文学では、最も身近な天体である月、そして太陽が頻出です。最近では土星の衛星エンケラドスや、ついに探査機が到達した元惑星の冥王星などがホット・トピックになりそうです。

TOEFL iBTリーディングで求められるのは、まず何と言っても語彙力です。TOEFLに適した語彙力をつけるには、専門の単語帳を使うことが最も近道です。よく勧められるのが『 TOEFLテスト 英単語3800 』です。この本の利点は3つあります。

1つは、単語のランク分けがなされていることです。Rank 1 は61点前後を目指す人向け、Rank 2 では80点前後、Rank 3 は100点前後、Rank 4 では105点超を目指す人向け、という具合です。リーディング問題では、Passage1つにつき、2問程度のボキャブラリー問題があります。これは、TOEFLの中では比較的難易度が低い設問ですので、語彙力を強化することが、そのまま貴重な得点源となります。

もう1つは音声CDが付属しているということです。英単語は、意味を覚えて終わり、というものではなく、その発音まで理解、実践できるようになって、初めて覚えたと言うことができます。TOEFLにはリーディング、リスニングという passive なセクションだけではなく、スピーキング、ライティングという active なセクションがあります。これらは採点基準にLanguage Use(適切な文法と語彙を使えていること)が明記されています。リーディングで使われる単語や表現を、自分でも使えるようになることが究極のボキャビルと言えるでしょう。

そして3つ目は、付録の小冊子です。TOEFLで扱われるアカデミック・トピックはアメリカの大学の一般教養の教科書から出題されています。専門的な知識は必要とはされませんが、幅広い分野の知識・教養を身に付けておくことが、遠回りなように見えて、確実なスコアアップにつながります。そのためには、付録の小冊子をしっかりと読み込んで、アメリカ史や自然科学、文化・芸術などの分野の知識を持つように努めるべきです。

パラグラフリーディングを意識せよ!

TOEFLのリーディングのPassageは多くの場合3つで、一つのPassageは約700文字で構成されています。この文章の引用元はアメリカの大学で使われている教科書であることがETSによって明言されています。教科書に掲載されている文章であるということは、論理的な構成になっているということを意味します。論理的な構成というのは、パラグラフ単位で筆者による主張がなされているということです。

多くの方がパラグラフリーディングという言葉を聞いたことがあると思います。これは一つのパラグラフには、一つの主張、または一つの情報が盛り込まれているというルールに基づいた読み方のことです。このパラグラフリーディングができるかどうかで、読解の効率が格段に変わります。KEC外語学院で指導している具体的な方法としては以下のものがあります。

タイトルを常に意識せよ!

1つには、Passageのタイトルを常に意識するということです。タイトルは、ある意味で文章全体の究極のサマリーかつキーワードであると言えます。文章を読み進めていくうちに、細かな部分に目が行ってしまい、全体的な主張をとらえ損ねてしまう方が多いのですが、それを防ぐ第一歩として、タイトルを常に意識するということが指摘できます。

抽象論から具体論へ

もう1つは、アカデミックな文章は、 抽象 → 具体 という構造を持つということを意識することです。抽象とは、著者の主張する事柄、具体とは、著者の主張を支持する具体的な例のことです。例えば、『鉄道は優れた交通手段である』という主張があるとします。この論を補強するために、「鉄道は、車よりも大量輸送が可能である」「鉄道は、飛行機や船よりも安全である」などの例が挙げられていきます。著者が最も強く言いたいことは、『鉄道は優れた交通手段である』ということで、鉄道が大量輸送の面で車よりも適しているということや、鉄道の安全性ではないということです。TOEFLのリーディングでは、パラグラフのmain ideaを問われることが圧倒的に多く、細かな具体例を把握しなければ解くことが出来ない問題は、ごくごくわずかしかありません。

切り捨てられる部分は切り捨てよ!

最後の1つは、心構えというよりもテクニックに属するものです。それは、逆接に注意を払うということ、そして多くの場合において数字や固有名詞にはそこまでの注意は払わない、ということです。

逆接とは、but や however や although など、意味を反転させつつ、2つの節(主語と動詞の組み合わせ)をつなげるものです。逆接の表現が目に入ったら、チャンスと思ってください。なぜなら、そこが往々にして著者の主張に直結するからです。これも例を挙げて見ていきましょう。『お金は大切である。しかし、友情はもっと大切である。』ここでは、はっきりと著者の主張は、“しかし”以降にあることが分かります。実際のTOEFLのPassageでも、同様の構造・表現を数多く目にすることができます。

もう1つの数字や固有名詞に注意を払わないというテクニックには、少し注意が必要です。なぜならその数字が、文章中に複数回使われている、または固有名詞がタイトルに含まれている、もしくは各パラグラフで言及されているような場合には、それがキーワードである可能性が高いからです。このあたりは実際の演習を通じて、効果を実感して頂ければと思っています。また、この読み方を身に付けることで、多くの人が難渋するいわゆるサマリー問題に費やす時間が驚く減らせることを実感頂けると思います。サマリー問題の詳しい解法は講座にて案内をしております。サマリー問題は通常は2点、時には3点、4点が割り振られることもある重要な得点源です。難しい設問ではありますが、これを攻略できるようになればスコアアップに大いに寄与します。

以上、大まかにですがTOEFLのリーディングについて書いてみました。スコアアップの参考になれば幸いです。

Listening

リスニング力を身に付けるためには

何語であるとに依らず、リスニングは得手不得手がはっきりと分かれる技能だと言えるでしょう。日本語話者にとっては、英語は特にそうだと言えると思います。何故でしょうか。最も根源的なところを探ると、音声と文字の関係に行きつくことになります。すなわち、英語は一つ一つの文字と音声は一致しないが、日本語は文字(平仮名・カタカナ)と音声が一致するということです。例を一つ挙げましょう。“あ”という文字は「あ」と発音しますね。しかし、a は ei という文字ですが、その発音は a になったり、? になったりと様々です。文字の名前と文字の読みが一致しないところが、英語やその他の外国語のリスニングを難しくしている最大の要因です。では、どうやってそれを克服するのか。

克服方法1:フォニックス

そこで登場するのがフォニックスです。フォニックスとは、文字と音声の関係と規則に関する勉強法のことを言います。ある程度の英語学習の背景がある人であれば、take=テイク、make=メイク、lake=レイク、fake=フェイク、shake=シェイク、lace=レイス、face=フェイス、gaze=ゲイズ、shame=シェイム、という具合に、○a○eという綴りの単語があれば、それぞれの母音がエイとウと発音されるようになっているということをご存知でしょう(ちなみに have はこの規則に当てはまらない例外です)。もう一つの例を挙げましょう。fight=ファイト、light=ライト、tight=タイト、might=マイトと発音されるということは、○igh○という綴りにおいては i はアイと発音され、gh は発音されないということも分かるでしょう。こういったことをしっかりと体系立てて学ぶのがフォニックスへの入門であると言えます。KEC外語学院でも冬期講座や夏期講座でフォニックス講座は毎回、好評を博していますので、もしも興味がおありでしたら遠慮なくお問い合わせください。

英会話で使用される音のパターン(フォニックス講座)についてはこちらから

克服方法2:ボキャブラリー

リスニングのもう一つの助けになるのが、リーディングの時と同じく、語彙力です。知っている語であれば、聴き取りやすく、知らない語であれば聴き取りにくいというのは、母国語であっても当てはまることでしょう。また、リーディングの記事でも指摘させて頂きましたが、語は音まで含めてマスターすべきものです。今はCDが付属していたり、音源をネット上からダウンロードする形式の単語帳もたくさんありますので、ぜひ音声の面からもボキャブラリーを豊かにしていってほしいと思います。

英語の語彙力=知っている単語数+未知の単語の類推力

克服方法3:多聴

リスニング対策において必ずと言っていいほど必要なものがあります。それは多聴です。よく質問されるのが、「何回聞けばよいですか?」や「何時間ぐらい聞くべきですか?」ということです。私はよく受講生の方に三段構えで回答をします。第一弾の答えは「聴き取れるまで聞いてください」というものです。もちろん、たいていの場合は聴き取れません。それでも聞いてほしいと思います。敢えて回数の目安を申し上げれば(教材となる音声トラックの長さにもよりますが)、20回でしょうか。

先程、フォニックスの入門の話をしましたが、ここからはフォニックスの初級から中級くらいの話になります。聴き取れないものは正しく書き取る(紙上でも脳内でも)ことはできませんが、「何と言っているのかは分からないが、とにかく自分の耳にはこのように聞こえる」という音のかたまりを捉えることはできるはずです。これも例を挙げましょう。かつて、リスニング教材のとあるパートについて、「何回聞いても『ア・ディン・ウォノ・ヒィリ』と聞こえるんです」と訴えてきた方がいます。勘の鋭い方でしたら、これは ”I didn’t want to hear it.” だなと分かるかと思います。これが私の回答の第二弾です。「音声を聞こえるままに、自分なりに再生(reproductionと言います)できるまで、聞いてください」ということです。ここまで聞き込んで初めて、スクリプトを見るなり、リスニングに長けた人に質問をするなりをしてよい、と言えます。

第三弾の回答は、何と言っているのかが分かった人向けです。それは「どのように言っているのか」を聴いてください、ということです。イントネーション(声の抑揚)やパンクチュエーション(音声の適切な区切り)、falling tone(下がり調子)で終わるのか、rising tone(上り調子)で終わるのか、などなどです。英語のアドバイスで、Listen for intonation. と言ったりします。これも出来るまで、を目安にしてください。かなり消耗する勉強法ではありますが、リスニングはコミュニケーションにおいて最も使う頻度の高い能力、技能です。これを自分の血肉とするために、多聴を心掛けてください。

本を読めば英会話力UP!?:多読・多聴のススメ

克服方法4:ディクテーション

リスニング力の底上げをするためには、ディクテーションを行うことが非常に効果的と言えます。実際に、私自身もこれを行うことで、かなりリスニング力を向上させることができたと思っています。また、ディクテーションを行うことで、大きく2つのものが見えてきます。

1つは、記憶を短期的に保持する力です。題材にもよると思いますが、おそらく初めてディクテーションにチャレンジする人は、ほんのちょっとのセンテンスやフレーズでさえも覚えきれないということに愕然とするでしょう。しかし、それは誰もが通る道です。初めてのプールで50メートルを泳げますか。初めての自転車で100メートル走れますか。最初の頃に色々とつまづくことを気にしてはいけません。

もう1つは、正しく綴る力です。綴りを知るということは辞書を引くということです。そして、辞書を引くということは、語の意味と用法を知るということです。また、音声をしっかりと把握したうえで辞書を引き、綴りを知るということはフォニックスのトレーニングにもなります。単語と綴りの間の関係を知ることできるからです。私は今でも時々、気に入ったYouTubeの動画、例えば熱心なボクシングファンによるビッグマッチの勝敗予想トークや映画マニアによる映画レビューなどをディクテーションしています。かなりの時間と体力を要する作業ですが、確実にリスニング力の向上が見込めます。

以上、大まかにですがリスニングの勉強法について述べさせて頂きました。リスニング力というのは一朝一夕には身に付くものではありません。ただし、一度身に付けてしまえば、それが衰えるということも(あまり)ありません。上で述べさせて頂いた4つのリスニング力向上のための勉強方法を、ぜひ実行に移してください。次項ではTOEFL iBTのスピーキングセクション攻略に直結する内容を書いていきたいと思います。

Speaking

多くの学習者の方が苦手とするのが、このスピーキングセクションです。何故でしょうか。単純にこれまでの学習背景の中に、「話す」ということがほとんど無かったから、というのが多くの方に共通する答えではないでしょうか。しかし、これが最大の理由であるとも言えるのではないでしょうか。TOEFL iBTにおけるスピーキング(独立問題)の本当の難しさは、答えが特に決まっていない、というところにあると私は考えています。

TOEFL iBT講座のスピーキングセクションには、Independent TaskとIntegrated Taskの2種類がありますが、ここではまずはIndependent Task攻略の糸口について、お話をしたいと思います。中学、高校での授業の内容を思い出して、もしくは思い浮かべてみてください。問題があれば、そこには決まった答えがあったと思います。ところが、TOEFLでは、以下のような問題が陸続と出題されます。

Describe something that you do to reduce stress. Explain why it is helpful. Include details and examples to support your answer.

What do you think is the best quality of a good person? Use specific reasons and details to support your answer.

Talk about an interesting tourist attraction you have ever been to. Describe it and say why it was interesting.

これらの問題が出され、15秒でスピーチをまとめ、そして45秒でヘッドセットのマイクに向かって回答する、というのが一連の流れになります。これらの問題には画一的な回答はありません。むしろ、回答者の数だけ回答が存在すると言えるでしょう。それでは、スピーキングセクション攻略の糸口はどこにあるのでしょうか。

まずは日本語で取り組むべし

全く面白味のないアドバイスになりますが、スピーキングセクション対策は、まずは日本語で行ってください。私はTOEFL講座でも英会話レッスンでも個人レッスンでも共通して受講生の方に伝えていることがあります。それは「母国語で出来ないことは、外国語では絶対に出来ない」ということです。逆に言えば、母国語で出来るようになって初めて外国語でそれにトライできる、ということです。

試しに上に挙げたサンプル問題の最初のものについて考えてみましょう。

ストレス解消?うーん、お酒かなあ?という方は結構多いのではないかと思います。今回はこの線で行ってみましょう。

5W1Hを意識的に使うべし

ラドヤード・キプリングという名前に心当たりがなくとも、『私は六人の誠実な召使いを持っています。私が知っていることは、みな彼らが教えてくれたのです。彼らの名は「なぜ」「なにを」「いつ」「誰が」「どこで」そして「いかに」です』という詩をご存知の方は多いのではないかと思います

TOEFL iBTのスピーキングセクションでしばしば条件として課されるdetails/reasons and examplesとは、実は5W1Hのことである、と言っても過言ではないのです。では、さっそく5W1Hを当てはめてみましょう。

お酒とは何(what)? ⇒ ビール

ビールをどれくらいの量(How much)? ⇒ 一缶

ビールをいつ飲む(when)? ⇒ 毎晩、風呂上がりに

ビールをどこで飲む(where)? ⇒ 自分の部屋

ビールをなぜ飲む(why)? ⇒ 嫌なことを忘れられる、寝つきが良くなる

who = 自分というのは今回は掘り下げません。では、これらの断片的な情報を箇条書きレベルで良いのでスピーチにまで仕上げてみましょう。

『私はビールを飲みます。私はビールを一日に一缶飲みます。私はビールをお風呂に入った後に飲みます。私がビールを自分の部屋の中で飲みます。ビールを飲むと嫌なことを忘れることができ、寝つきもよくなります。だから私はビールを飲みます』

いかがでしょうか。内容が稚拙であることは否めませんが、5W1Hを前面に押し出すことで、具体性が増したと言えると思います。

もう一つのexampleですが、これは固有名詞を使ったり、あるいは自分の体験、または一般によく知られた事柄を使って述べなさい、ということです。例えばビールを飲む、という部分を某メーカーのビールとしたり、お酒に関する格言を用いるのもありでしょう。日本語には、「酒は百薬の長」なる格言もあることですので、今回はこれを使ってみましょう。

『私はビールを飲みます。私はビールを一日に一缶飲みます。私はビールをお風呂に入った後に飲みます。私がビールを自分の部屋の中で飲みます。ビールを飲むと嫌なことを忘れることができ、寝つきもよくなります。事実、日本には“酒は百薬の長である”という言葉もあります。だから私はビールを飲みます』

導入と結論を用いるべし

最後にこれをTOEFL iBTのスピーキングセクションにふさわしいレベルにまで持っていかなくてはなりません。TOEFL iBTのスピーキングセクションにふさわしいレベルとは何か。端的に言うと、それは 序論 ⇒ 本論 ⇒ 結論 という流れを作ることです。

序論とは、問題にダイレクトに答えることです。ここでは ” Describe something that you do to reduce stress.” という問いの『何をするのか』への回答を提示すること、つまり、ビールを飲むということを明言することです。

本論とは、5W1Hを用いて、序論で述べた内容をより詳しく述べていくことです。

最後に結論とは、序論の内容をもう一度繰り返して述べることです。

では、それを日本語で展開してみましょう。

『私はストレスを解消するためにビールを飲みます。私はビールを一日に一缶飲みます。私はビールをお風呂に入った後に飲みます。私がビールを自分の部屋の中で飲みます。ビールを飲むと嫌なことを忘れることができ、寝つきもよくなります。事実、日本には“酒は百薬の長である”という言葉もあります。だから私は、ストレス解消のためにビールを飲みます』

余力がある人は、これを自分なりに英語にしてみてください。参考までにsample answerも以下に出しておきます。

I drink beer in order to reduce stress. I have a can of beer every night in my room, after I take a bath. By drinking beer, I can forget about bad memories and I can fall asleep more easily. In fact, a well-known Japanese proverb has it that sake is the best medicine of all. Therefore, I make it a point to drink a can of beer to reduce stress.

これで5点満点中3.5点、fair判定ぐらいでしょうか。

TOEFLのスピーキングのIndependent Taskの難しさは、答えに至るための考え方の道筋が往々にして不透明であることだ、と私は自信をもって喝破します。多くの参考書や問題集の模範解答は、あまりに模範過ぎて真似のしようがないというのが、私がTOEFL対策を始めた時の偽らざる本音でした。

回答の仕方に迷っている方がいらっしゃれば、まずは5W1Hを自分に問いかける癖をつけてください。そして日本語で答えの輪郭を作ってみてください。英語力に自信がない段階でいきなり英語のスピーチを組み立てようとしても、実りは少ないと断言できます。

ここで、スピーキングについて、基礎的な勉強方法からお話をさせてください。

一度でもTOEFL iBTを受験したことがあれば、スピーキングというのは少しmisleadingであると感じることでしょう。なぜならspeakingというよりはむしろ、making a speechだからです。英会話力ではなく、論理的に説明する力、どちらかというとプレゼンテーション力が問われるセクションです。また、6問中4問が統合問題(=ReadingやListeningと組み合わさった設問)であり、単純な発話力以上のものが求められています。しかし、英語の基礎体力さえしっかりしていれば、反復練習によって、一定のスコアアップが達成可能です。以下で勉強方法について見ていきましょう。

Step 1 スピーキングの勉強①

スピーキングの勉強についてもリスニング同様、目標スコアまたは現時点でのスコアによって、スタート地点が異なります。

まず、英語で発話なんかとてもできない、という人は音読を始めてください。音読の効用については「英語の文法を学ぶには継続的な音読が有効」の記事の中で触れられていました。では何を読めばよいのか?目標スコア次第ですが、本当に発話が覚束ないという方は、英検2級の二次試験の問題から取り掛かりましょう。いきなり模範解答を見ても結構です。この時に重要なのは、必ず問題が投げかけてきているものを意識しながら音読するということです。音読練習のための音読ではなく、意味のあるスピーチをするための音読をしましょうというのが趣旨です。もう一つ、3コマ漫画問題がありますが、こちらも模範解答を見ながら答えを音読しましょう。目の前で風景や光景、画像や写真を見ながら、それを英語で説明していくという方法は、布村奈緒子先生も採用されている、非常に実践的な方法です。この音読のサイクル(3回分)を1日1回とするなら、1週間は続けてほしいと思います。1週間というのはあくまで目安で、実際は解答例を暗唱できるくらいまでに音読をしてほしいと思います。ですので、人によっては5日かもしれませんし、20日かもしれません。暗記するのが目的ではありません。暗記はあくまで副産物です。重要なのは、スピーチへの抵抗をなくすこと、そしてスピーチの論理構造を肌身で感じることです。

簡単な自己紹介や日常的な事柄の説明ならできる、という方は英検2級の二次試験問題(やはり過去問3回分)に取り組みましょう。この場合は、解答例などは見ずに行ってください。どれだけ時間がかかっても良いです。ここでも自分なりの回答をスムーズに発話できるようになったと感じられれば、解答例を見てましょう。そして、自分の回答との距離を測ってみましょう。例えば、何か描写し忘れているものがあれば、それを含めてもう一度同じ問題に取り組むべきですし、解答例以上に事物や人物の説明ができていれば、次の段階に進んでもよいでしょう。次の段階は英検準1級の二次試験問題です。こちらは4コマ問題とその発展問題です。

Step 2 スピーキングの勉強②

ある程度、発話ができる、もしくは音読練習を通じて発話力がついてきたと実感できてきた方は、いよいよTOEFL iBTの問題に取り組んでみましょう。まずはTask 1とTask 2の独立問題です。まずOfficial Guideから一問拝借してみましょう。

Talk about a time when you accomplished something you did not think you could do. What did you accomplish? Why did you think you could not do it?

Preparation Time: 15 seconds

Response Time: 45 seconds

さあ、ここであなたならどのように解答を構成するでしょうか?どんな解答をするか、ではありませんよ。どのように解答を構成するか、です。TOEFLのスピーキングのTasks 1 & 2では、自身の経験や知識、嗜好に基づいた解答が求められます。ここでは、「過去にできないと思っていたが、実際にはできた時」について語ることが求められています。この時に重要なのは、「あ、そういえばあの時・・・」という経験を、絵や写真のように思い浮かべられるかどうかです。実際の英会話にも応用可能なテクニックなのですが、頭の中にイメージを思い浮かべて、それを適宜に口頭で説明していく、その説明をしていくときに、極力5W1Hが明らかになるような形を目指す、というのがTOEFLのSpeaking Tasks 1 & 2の攻略の糸口です。試しに上の課題への解答をイメージしてみてください。それを説明する際に、当然whenは使うとして、whatやhowは必須ですし、場合によってはwith whoやwhereなども用いられるでしょう。頭の中に具体的なイメージを作り上げられることが、Speaking Sectionを論理的に攻略できるかどうかの一つの分かれ目です。

TOEFL iBTのスピーキングには、他にもIntegrated Tasksが4問あります。これらのタスクには明確な出題傾向があるので、ある意味ではTasks 1 & 2よりも簡単といえるかもしれません。統合問題はかなり特殊な課題なので、最初は解答の基盤になるイメージを思い浮かべられるようになることを目指してもよいでしょう。もちろん、リスニング・セクションで使うサインポストに従ったメモを取るのは大前提です。このあたりの問題への具体的な対策方法については、次回の記事で引き続き詳述したいと思います。

ここまでTOEFLiBTのスピーキング・セクション攻略に向けての勉強法、特にIndependent Tasksについてお話ししました。今回はIntegrated Task(特にTask 3)への対策法について記事にしていきたいと思います。

Know yourself as well as the enemy.

さて、ここからは統合問題です。単なるスピーキングだけではなく、リーディング力やリスニング力も問われる難関です。ここで極めて基本的なことを思い出しましょう。TOEFL講座受講中の方や、こちらのブログをしっかり読んでいる方にとっては既に自明でしょうが、TOEFLは出題傾向が非常にはっきりしているテストです。こちらの記事「TOEFL iBT受験を目指している人が実践すべきリスニングの勉強&練習」でも指摘しましたが、『TOEFL iBTのListening SectionはReading Sectionと同じく、かなりの程度、攻略方法が定まっています。つまり、好投手ではあるものの配球パターンが決まっているわけです。なので練習さえしっかりと積めば、球を打ち返すことはそれほど難しくはありません。』スピーキングでも同じです。出題傾向にパターンがあるのということは、解答にも一定のパターンを当てはめることが出来る、ということです。

Task 3の典型的な出題パターン

それでは『彼を知る』ところから始めましょう。標的はTask 3です。ここでは、ほぼ必ず【大学からのお知らせ】を読むことになります。補講授業の通知であったり、学生寮の改修の案内であったり、学食の値上げのお知らせであったり、様々なお知らせがあるのですが、とにかく大学が学生に何らかのアナウンスを行う文章を45~50秒で読みます。(余談ですが、この文章は100字弱程度で、WPMはやはり100は必要であるということを実感させてくれます。)その後に学生2人(男女のペア)の会話(たいていは1分~1分30秒)を聞きます。この時、どちらかの生徒が大学からのお知らせに反対もしくは賛成をし、もう片方の学生が主に相槌を打つ、というのが定型です。このTask 3の問題は必ずと言っていいほど、以下の形で課されます。

The man/woman expresses his/her opinion of the university’s plan/decision/ to V. State his/her opinion and explain the reasons he/she gives for holding that opinion.

Preparation Time: 30 seconds

Response Time: 60 seconds

ここからいくつかのことが明らかになります。

  1. 述べるべきは彼/彼女の意見であって、自分の意見ではない
  2. 理由は複数である(2つと考えてよい)
  3. サマライズが必要である

一つひとつ見ていきましょう。

1.述べるべきは彼/彼女の意見であって、自分の意見ではない

1.については、三人称を使いなさい、と言い換えても良いかもしれません。Independent Taskでは、I thinkやI believe、My opinion is that … など、一人称を多用しましたが、ここではThe female student is not happy with … や、The male student agrees with …などの、三人称を使うことが求められています。さらに補足すれば、Readingの内容には触れる必要はありません。問題のどこにもそれを求める記述は見当たりません。

2.理由は複数である(2つと考えてよい)

2.は、enumerateをしなさい(=Firstly, Secondlyをスピーチ中で使いなさい)と読み替えられます。explain the reasonsと理由が複数形で指定されていますので、第一の理由は~、第二の理由は~、というように、順序立てて話すことが必要です。

3.サマライズが必要である

3.については、読むのに1分弱、聴くのに1分~1分30秒の内容を60秒で述べなさいということなので、全ての事柄について触れていては、到底時間が足りません。それゆえにサマライジングが必要ということです。盛り込むべき内容は、リスニング時にメモする内容=サインポストに従って取ったメモの内容です。サインポストって何?と思われた方は、講座説明を聞きに来て頂ければと思います。

Task 3の典型的な解答パターン

まとめましょう。始まりは必ずと言っていいほど、The male student thinks that … またはThe female student thinks that … で決まりです。答えの形が決まっている部分に関しては、どんな風に答えを組み立てようなどと考えてはいけません。

The female students thinks that it is a good/bad idea for the university to … There are two reasons.

Firstly, she thinks that …

Secondly, she also thinks that …

For these reasons, she agrees/disagrees with the university’s announcement.

極端な話、これからTOEFLのSpeaking対策を始める、という人であれば、上のセンテンス一つひとつを丸暗記するぐらいに唱えるだけでもOKです。that … の空白部分には、リスニング時のサインポストで示された内容で埋めていくだけです。

Speakingというと自由自在に話せないといけないのではないか、と考える人がいますが、TOEFLに関しては決してそのようなことはありません。まず、設問で問われていることは何であるのか、何を答えなければならないのか、をしっかりと把握できていれば、答えの核となる部分は「聞き取ってメモする」だけです(このあたりがintegrated taskと呼ばれる所以です)。そのような意味においては、思考力や知識、経験がダイレクトに問われるTasks 1 & 2よりも易しいとすら言えるかもしれません。いずれにせよ、英語がスラスラと話せる人が必ずしもTOEFLのSpeaking Sectionで高得点を獲得できるというわけではありません。”Know yourself as well as the enemy.” = 『彼を知り己を知らば百戦殆うからず』を実践できる人が、高得点を取るのです。攻略の道筋を自分だけでは立てられないという方は、遠交近攻策(眼前のTOEFLをいきなり攻略するのではなく、その向こうにあるスクールと同盟する)を選ぶのも選択肢でしょう。

ここまでTOEFLiBTのスピーキング・セクション攻略に向けての勉強法、特にIndependent Tasksについてお話ししました。今回は引き続き、Integrated Task(特にTask 4)への対策法について記事にしていきたいと思います。

スキルを活用せよ!

さて、Task 4も統合問題です。Task 3と同じく、まずは読んで、それから聞いて、最後の話す、という流れです。しかし、ここで重要なのは、Task 4はリーディングパートの比重が、Task 3のそれよりも少し大きいということです。Task 3では満点を目指す場合を除いては、ほぼリスニングパートのサインポストの把握だけで、解答を構築することが可能です。しかし、Task 4はアカデミックな内容のパッセージを1パラグラフ分読み、さらに短めのアカデミック・レクチャーを聞き、スピーキングによって解答するという、本当の意味でのIntegrated Taskになっています。大学の講義のレジュメを読み、そして実際に講義を聴き、その講義内容を要約する、というのが求められる課題です。つまり、読む、聞く、話すの3技能が要求されるわけです。

では、より詳しく見ていきましょう。

Task 4の典型的な出題パターン

Task 4の出題パターンの典型は以下のようなものです。

リーディング・パート

Cognitive Dissonance

Individuals sometimes experience a contradiction between their actions and their beliefs?between what they are doing and what they believe they should be doing.These contradictions can cause a kind of mental discomfort known as cognitive dissonance. People experiencing cognitive dissonance often do not want to change the way they are acting, so they resolve the contradictory situation in another way: they change their interpretation of the situation in a way that minimizes the contradiction between what they are doing and what they believe they should be doing.

ここでどのセンテンスに下線が引かれているのか、どの部分がイタリックになっているのか、またそれは何故か、というのが分からない人は、【タイトルを常に意識せよ】を読んでみましょう。もう一つ、リーディング・パッセージの例を見てみましょう。

Social Interaction

People deal with each other every day. This interaction is at the heart of social life. The study of social interaction is concerned with the influence people have over one another’s behavior. People take each other into account in their daily behavior and in fact, the very presence of others can affect behavior.For example, one principle of social interaction, audience effects, suggests that individual’s work is affected by their knowledge that they are visible to others, that the presence of others tends to alter the way behave or perform an activity

ここでも、どの部分がイタリックになっており、どの部分が太字になっているのかに注目してください。また For example が青字になっていることにも重要な意味があります。このあたりについての詳細を知りたい方は、ガイダンスにお申し込みください。

アカデミック・パッセージを読むにあたっては、ロジカルな読解力が必要です。特にTask 4では、アカデミック・レクチャーの露払いを務めるのが、このパッセージです。Task 3は、ほぼ間違いなく大学生活(キャンパスライフ)の話で、寮や食堂、スクールバス、補講授業のお知らせなど、予備知識がなくとも理解するのが容易なトピックばかりです。しかし、学術的な講義というのは、予備知識もしくは事前の心構え無しには、なかなか消化できるものではありません。例えば、経済学専攻の学生が哲学の教室に放り込まれて、『セイとハンが互いに対立しながらも統合することをシヨウという』などと聞かされてもチンプンカンプンでしょう。同じように、文学専攻の学生が物理学の教室に放り込まれて『物質がコウソクで移動すると、その長さが縮んだり、時間が遅れたりする』などと聞かされても、やはりチンプンカンプンでしょう。しかし文字ならば、それを読むことはできます。そして、重要な部分、ここではタイトルをメモ用紙に写すこともできます。何度も強調していますが、タイトルはパッセージまたはアーティクルが最も効率的な形に要約されたものです。それを常に念頭に置いていれば、リスニングで焦点を絞って聞くということができます。

リスニング・パートでは、やはりサインポストに従ってメモを取ること(もしくはリテンション力に自信のある人限定で短期記憶すること)が求められます。以前と同じく、サインポストって何ですか?という人は、Listening Section攻略の回の授業見学にお越し頂ければと思います。

さて、それでは設問のパターンについても見ていきましょう。まずは以下の二例をご覧ください。

Explain how the examples of tying shoes and learning to type demonstrate the principle of audience effects.

Preparation Time: 30 seconds

Response Time: 60 seconds

Using the example discussed by the professor, explain what cognitive dissonance is and how people often deal with it.

Preparation Time: 30 Seconds

Response Time: 60 Seconds

この2つの設問に共通するものは何でしょうか。それは、example(s)という単語です。ここから言えるのは、リーディング・パートではトピックが示され、リスニング・パートでは、そのトピックを説明/定義/補足するための例が挙げられる、ということです。したがって、Speaking SectionのTask 4では、サインポストに注意を払うのは当然のこととして、どんな例が挙げられるのか、また、どんなフレーズで例が導入/紹介されてくるのか(For example, In many casesなど)を予期しておくことが極めて重要です。

まとめましょう。Task 4の出題パターンは以下のようになると断言できます。

教授がレクチャーで挙げた例を用いて、トピックを説明しなさい。準備時間は30秒、解答時間は60秒です。

このことが理解できていれば、対策の半分が終わったも同然と言えます。”Know thy enemy.”ですね。

Task 4の典型的な解答パターン

ここではTask 4の典型的な解答パターンを挙げておきます。繰り返しになりますが、TOEFLのSpeaking Sectionはスラスラと英語を話せる人が高得点を取るわけではありません。設問に正しく答える人が、高得点を取るのです。典型的な解答は以下のように始まることが多いでしょう。

In the lecture, the professor was discussing トピック.

He / She gave an example / two examples of トピック.

One / The first example is ~.

The other / The second example is ~.

例はたいていの場合、2つ挙げられますが、1つの場合もあります。このあたりは柔軟な対処が必要です。上の~の部分を埋めていく際に、サインポストに従って取ったメモが活きてきます。その詳しい方法については、ぜひ講座で実感頂きたいと思います。次回は、Speaking SectionのTask 5 の攻略方法について事例紹介をしていきたいと思います。

さて、ここからはIntegrated Taskの5です。ここからはReadingを課されることがなくなります。また、このTaskでは、アカデミックな内容が扱われることは皆無です。かなりの高確率で、学生(男女)が会話を交わします。また他のTaskと同じく、頑固なまでに同じパターンが踏襲されます。Task 5のパターン、それは「学生が問題(しばしばキャンパスライフ関連)を抱えており、それに対する解決策が2つ提案される」ということです。より抽象的に言えば、”話の流れを予測することが非常にたやすい”ということでもあります。また求められる解答パターンも同じです。『2人のスピーカーが論じている問題を要約せよ。挙げられた2つの解決策のうち、あなたはどちらを好むのか、またその理由は何か』というものです。すべてのTaskで共通して言えることですが、どんなに英語にfluent であっても、設問が求める答えになっていないものは、決して高得点を獲得できません。このことを肝に銘じておきましょう。

Task 5の典型的な出題パターン

Task 5の出題パターンの典型は以下のようなものです。

Briefly summarize the problem the speakers are discussing. Then state which solution you would recommend. Explain the reasons for your recommendation.

まず、the problemという単数形から論じられる問題は一つだけである、ということが分かります。その問題を、Briefly summarize、すなわち手短に要約せよ、ということです。問題を事細かく説明する必要は無いということです。

次に設問が求めているのは、”Then state which solution you would recommend.”というものです。解答者ならどちらの解決策をお勧めするのか、ということです。解決策=solutionsについて説明せよ、などということは求められていません。ダイレクトに自分がこっちだ、と思う解決策を述べるようにしましょう。

最後に、” Explain the reasons for your recommendation.”です。reasonsと複数形になっていることから、なぜ自分が一方の解決策を選んだのか、2つ以上の理由を挙げて説明しなければなりません。ただし、これは時間的にかなりタイトです。実際にThe Official Guide to the TOEFL TestのFourth Editionに収録されているScore 4の answer でも、理由を2つ挙げることができている解答例は少数しかありません。事実、Score 4の条件には、”The response fulfills the demands of the task, with at most minor lapses in completeness.” と記載があります。ということは、必ずしもcompleteな解答、つまり理由2つを時間内に言い切れなくとも良いわけです(lapsesがminorである限りは、という注釈付きですが)。反対に、悪い解答は、全てを言い切ろうと焦ってしまうために、DeliveryやTopic Developmentが非常に弱くなってしまっているものでしょう。自分の目標点(65点なのか85点なのか104点なのか)から逆算して、このTaskは3点を目指す、などのスコアメイクに徹する姿勢も必要かと思います。

Task 5の典型的な解答パターン

ここではTask 5の典型的な解答パターンを挙げておきます。

The two speakers are talking about a problem the female student is having. She has to move out of her apartment for 2 weeks because there is some problem with the water plumbing. Also, she has midterms coming up and needs some study time.

If I were in her place, I would choose to stay at the hotel.

For one thing, if you are a college student, you need to make efforts to get good test scores. To that end, staying at the hotel is certainly a good idea because it is a less noisy place.

For another thing, you can make up for the money you spent after the exams. Making money is easier than keeping your GPA high, but not vice versa …

Thus, I suggest that she make a reservation at the hotel.

これはOfficial TOEFL iBT Tests Volume 2のTest 1のSpeaking Section Task 5へのアプローチ例です。実際は解答をコンパクトにまとめるのには相当の慣れが必要ですし、パターンが分かっていても、それにすぐに対応できるとは限りません。知っている≠できる、の典型例ですね。しかし、どこまでも大切なことは、設問に正しく答える姿勢です。高い英語力は、必要条件ではあっても十分条件ではありません。これは全てのTOEFL問題に対しても当てはまることです。

次に、Task 6への取り組み方について論じてみたいと思います。

Task 6の典型的な出題パターン

ついにIntegrated Taskの6です。ここでもReadingは課されません。listeningをして、必要とあらばメモを取り、設問に回答していきます。大学教授が講義を行うのを聴いて、テーマが何であるのか、そのテーマをわかりやすく説明するために、どういった構成の講義になっているのかに注目する必要があります。もちろんサインポストに基づいてメモを取るのは当然のことですが、ここでも設問のパターンを踏まえて、それに応じたメモを取ることが必要となってきます。

Task 6の出題パターンの典型は以下のようなものです。

Directions: You will now listen to a part of a lecture. You will then be asked a question about it. After you hear the question, give yourself 20 seconds to prepare your response. Then record yourself speaking for 60 seconds.

~~~Listening to a 2-minute academic lecture~~

Using the points and examples from the lecture, explain ~~~.

ここから導き出せることは、レクチャー内では必ず具体例が出されるので、回答にもそれらを含めなければならないということです。もう一つは、具体例はほぼ間違いなく2つ挙げられるということです。サインポストの一つである【数字(序数含む)】のFirst, Secondなどに続く内容を簡潔にメモすることはもちろん、例示を意味する表現、For exampleやsuch as、In many casesなどが聞こえてきたら、即座に反応できるようにしておかなければなりません。

Task 6の典型的な解答パターン

ここではTask 6の解答パターンを挙げておきます。

You will now listen to part of a lecture. You will then be asked a question about it. After you hear the question, you will have 20 seconds to prepare your response and 60 seconds to speak.

Now play Track 90 to hear Question 6.

Using the examples from the talk, explain how persuasive strategies are used in advertising.

Preparation Time: 20 Seconds

Response Time: 60 Seconds

これはOfficial Guide Fourth Edition所収の問題です。以下にサインポストを含む箇所をいくつか列挙していきます。

The strategies they use can be subtle, uh, “friendly” forms of persuasion that are sometimes hard to recognize.

In a lot of ads, repetition is a key strategy.

You’ve all seen the car commercials on TV … like … uh, the one that refers to its “roomy” cars … over and over again.

Now, the car, uh, the car actually looks kind of small …

You’d think that the viewer would reach the logical conclusion that the slogan, uh, misrepresents the product.

Um, another strategy they use is to get a celebrity to advertise a product.

So … um, you might have a car commercial that features a well-known race car driver.

Now, it may not be a very fast car? uh, it could even be an inexpensive vehicle with a low-performance rating.

ここではIn a lot of ads, という部分が、例示を示唆する表現として使われています。通常のリスニング問題であればメモの対象にはならない部分ですが、Speaking SectionのTask 6では、こういったところにまでattentiveである必要があります。

これらのサインポストに従った箇所だけを用いて、解答も作成してみましょう。

The lecturer discusses how persuasive strategies are used by advertisers. According to her, they sometimes use friendly forms.

The first example is repetition. She talked about a TV commercial about a roomy car. Even though the car actually looks small, the commercial keeps saying that it is a roomy car over and over. As a result, although the commercial misrepresents the product, the viewers will begin to believe that the car is spacious

The second example is to use a celebrity. The lecturer gives an example of a well-known car driver. If the driver praises the car, and the car is actually not that great or not that fast, people will be inclined to believe that it is actually a good car that can run very fast.

These are two of the ways companies use persuasive strategies.

これぐらいの分量をある程度、ゆっくりと考えを整理しながら発話するとちょうど60秒ほどになります。アンダーラインの箇所を意識してください。これは、この表現を使いましょうというよりも、こうした構造、構成でspeechを展開しましょうという趣旨です。レクチャーの種類や、そこで用いられる例は無数に存在しますが、設問のパターンが一定である以上、回答のパターンも一定のものになります。そのことを常に意識してください。何度も強調していることですが、スラスラと英語が話せる人ではなく、正しい形で設問に答える人が高得点を獲得することができるのです。

スピーキング・セクションのTask 1攻略をブログ上で再現!

先日、梅田本校でSpeaking SectionのTask 1対策のレッスンを行いました。問題にどんどん取り組んで、出てきた答えにフィードバックを与えて、スピーチお内容や構成をブラッシュアップし、再トライする、という流れで90分があっという間に過ぎていきました。非常に内容の濃いレッスンだったので、一部をブログ上で再現してみたいと思います。

Talk about an important experience that you recently had. Describe what happened and explain why it was important to you.

これに対しては色々とGood Answerがポンポンとクラス内で飛び出してきました。最も印象に残ったのは

「去年の夏にカリフォルニアのスタンフォード大学に見学に行く機会がありました。そこでは世界的に有名な教授に出会えたり、生物学の実験で使う最新の機器を目にすることが出来た。このツアーをきっかけにアメリカ留学を決断し、TOEFLを勉強中です」

というものでした。

フィードバックをして再トライしたスピーチは以下のようになりました。

Last summer, I was given an opportunity to visit Stanford University in California. I believe this is a very important experience because, on this tour, I was able to meet some of the world’s most famous professors in the field of biology. I also got to see the cutting edge laboratory apparatuses. It was such a fantastic campus tour, and I decided that I wanted to study in the USA. And so, I am working hard to get a good TOEFL score. This Stanford tour meant a lot to me.

Talk about an interesting book you have read. Explain why you thought the book was interesting. Give specific details and examples to support your answer.

これに対してもいくつかの刺激的な答えが返ってきました。アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』と『幼年期の終わり』、アイザック・アシモフの『われはロボット』、ジェームズ・パトリック・ホーガンの『星を継ぐもの』、J.K.ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ、J.R.R.トールキンの『指輪物語』などが回答例としてクラスからは出てきました(SFやファンタジー好きが揃ったクラスなのです)。訂正を受けたスピーチ例を挙げると以下のようになります。

「『2001年宇宙の旅』が、僕がこれまでに読んだ中で最も面白い本でした。理由は2つです。まずは物語の中でHALという名前のAIが重要な役割を果たすことです。この小説は現代のAI開発時代を予感させてくれます。もう一つは、この宇宙には人類以外の知的生命が存在するということを描いていることです。この本は時代を超えた古典の傑作だと断言します」

2001: A Space Odyssey is the most fascinating book I have ever read. I say this for two reasons. First of all, there is an AI character called HAL who plays a very important role in the story. This is a foreshadowing of the present day’s AI development. Second, this novel gives a description of an intellectual being other than humans. For these reasons, I assert that this book is an ageless classic masterpiece.

一つ大切な指導ポイントを述べておきます。スピーキングの第一問では「これまでで最も面白かった映画/小説は?」といった問題が稀に出てきますが、この種の問題の回答にあらすじを含める必要はありません。登場人物の名前や出来事ぐらいで十分です。メインに問われているのは、その本を面白いと思った理由であり、詳しい本の中身ではありません。

もう一つ、ハリー・ポッターについても挙げておきましょう。

「私にとって、最も面白かった本は『ハリー・ポッター』シリーズです。何故かと言うと、ハリーやロン、ハーマイオーニー、ダンブルドア先生、スネイプ先生などの素晴らしいキャラクター達がいるからです。これらのキャラクターは皆、魅力的で愛すべき人たちです。また、魔法や不思議な生き物たちも物語をより面白くしています。ハリーが箒で空を飛ぶときには、自分も飛んでいるようでわくわくします。こうした理由で、私はハリー・ポッターをとても面白い本であると思っています」

For me, the most interesting book is Harry Potter. That is because there are amazing characters like Harry, Ron, Hermione, Dumbledore and Mr. Snape. They are all charming and likable people. I really do care for them because of their camaraderie. Also, magic that they use and mystic creatures make this world more interesting. When Harry flies on his broomstick, I always get excited as if I were flying. For all these reasons, I find Harry Potter to be an extremely enjoyable book.

Talk about a game, sport or other group activity that is played in your country. Explain why you think the activity is enjoyable.

これに関しても非常に多くの回答が提出されてきました。いくつか例を挙げると、サッカー、野球、将棋、囲碁、麻雀、ポーカー、人狼ゲーム(レッスン時に初めて聞きましたが、若い子たちの間では結構有名なようです)などが挙げられました。ここではサッカーを挙げた受講生が2人いましたので、その一つを紹介したいと思います。

「日本では多くの人がサッカーをします。サッカーは体を動かすだけではなく、大きな声も出します。なのでストレス解消になるのです。またサッカーをすれば夏でも冬でも汗をかくので、気分がさっぱりしますし、健康にも良いのです。それだけではなく、サッカーはチームスポーツなので、チームメイトと仲良くなることもできます。これらの理由から、私はサッカーをとても楽しいスポーツであると考えています」

In Japan, many people play soccer. In soccer, you work out hard and you shout out loud. So, it really helps you relieve your stress. Also, when you play soccer in summer or even in winter, you will work up a lot of sweat. It is so refreshing and good for your health. Not only that, it is a team sport, so the more you play, the better you will hit it off with your teammates. For these reasons, I think soccer is a very fun sport.

もちろん、麻雀や人狼ゲームについて語るのもOKです。SpeakingのTask 1とWritingのTask 2はある意味では、TOEFL iBT全体で最も難しいと言えるかもしれません。なぜなら答えが決まっていないからです。あなたが素晴らしいと思う本や映画について詳しい理由付きで45秒語ってください、と言われて、いきなり対応できる人はごく少数でしょう。ましてそれを外国語でやるとなると、もっともっと大変になります。TOEFL iBTは英語のテストにして英語だけのテストにあらず。豊かな教養を持つことが期待されているテストであると言えます。スピーキングは難しそうだな、と思った方。案ずるより産むが易しと言います。

スピーキング・セクションのTask 3に変化の兆し?

最近、とある大きな変化が起きつつあるようです。というのは、私のTOEFL講座の受講生の方から、「SpeakingのTask 3のリスニング部分、賛成になっていることが多いですよ」という声を複数聞いたからです。おそらくTOEFLを受験する人よりも、TOEFLを実際に教えている人の方が、受ける衝撃が大きいのではないかと思います。なぜなら『Speaking SectionのTask 3は95%は反対意見が出るぞ』と教えている人が多いから(だと私が勝手に信じているから)です。

賛成でも反対でも、準備は一緒!

【Know yourself as well as the enemy.】でも案内している通り、基本的には設問に答えるのみです。述べなくてはならないのは彼/彼女の意見です。誰が意見を述べているかですが、基本的には“How come?”What do you mean?I hadn’t thought about that.” などの表現を使う方が相槌係、もう片方が意見を述べている方だと思って間違いありません。そちらの発言に神経を集中して、サインポストに従ったメモを取っていきましょう。

むしろ賛成意見の方が取り組みやすい

Task 3 は反対意見が従来は圧倒的多数でしたが、今後は賛成意見も増加傾向になりそうです。しかし、考えようによっては、これは受験者にはgood newsでしょう。なぜなら、Readingの内容とListeningの内容が一致するようになるからです。これまでは、大学がなんらかのお知らせをして、それに対して学生男女2名のどちらかが反対意見を理由2つを添えて述べる、というのが定番でした。なので、Listeningパートを予想する力が、ある意味で重要視されていました。例えばReadingパートで「寮の修繕作業を行います。これにより各部屋が防音になります。また空調設備も改善されます」という趣旨のお知らせを読んだ時、慣れている人であれば「なるほど、隣の部屋がうるさいというクレームは寮生の誰からも出ていないし、空調設備もまだ古くはなっていない」という意見が聞こえてきそうだな、と予想ができました。しかし、賛成意見であればそんな予想は不要です。素直に聞くだけです。これは受験者の負担減と言えるでしょう。スピーチのパターンを増やせて発話力が高まったと前向きに考えましょうスピーチのパターンをさらに覚えるのが嫌だ、という人も中にはいるかもしれません。しかし、従来の型を少し変えるだけで十分に対応できます。これまでは

The male / female student is not happy with the university’s idea / plan / decision / announcement. There are two reasons. First … Second …

だったものが、

The male / female student is happy with the university’s idea / plan / decision / announcement. There are two reasons. First … Second …

となるだけです。大した負担ではありません。むしろ、発話のパターンが増えた=発話力、会話力が高くなった、というふうにポジティヴに考えましょう。

TOEFLはこれまでも時代に合わせてReadingやListeningのアカデミックレクチャーの内容が進化してきましたが、出題傾向はこれまでほぼ不変でした。それが変わりつつあるということで、今後は少し指導方法に変化が生まれたり、参考書籍や問題集も改訂されてくるでしょう。

Writing

英語の4技能(読む、聞く、話す、書く)のなかで「書く」という行為が最も難しいものと考えております。何故か?それは、「書く」ことが最も使用される頻度の低い行為だからだと思います。

TOEFL iBT対策について連々とものして参りましたが、今回で4セクション全てに言及することになります。それでは早速、ライティング対策とその勉強法について見ていきましょう。

書くとは?

いきなり哲学的な問いを投げかけてしまい恐縮ですが、皆さんは「書く」ことは得意ですか?「書く」という行為、技能はどんなものなのか考えてみたことはありますか?

よく我々は『言語を学ぶには4技能をバランスよく』と言ったりします。まさに2020年の入試改革に向けて、国は英語の4技能を評価するという方向に大転換しようとしています。つまり、読む、聞く、話す、書く、の4つということです。私はこの中では「書く」という行為が最も難しいものと考えております。何故か?それは、「書く」ことが最も使用される頻度の低い行為だからだと思います。例えば、とある休日、「今日は誰も話さなかったなあ」という日がたまにあるかもしれません。しかし、「今日は何も書かなかったなあ」と思うことはあるでしょうか?実際に何も書かない日があっても、このように感じることはあまり無いでしょう。なぜなら、書くことの方が話すことより圧倒的に少ないからです。例外は文筆を生業としておられる方々ぐらいでしょう。このブログをお読みの方でも、「学生の頃は、読書感想文を書くのが苦手だったなあ」という方が多いのではないでしょうか。または日記をつけようと志すも、三日坊主で終わってしまったり、などなど。このような意味で、「書く」という行為はかなり特殊なものだと言えるでしょう。

タッチタイピングを練習すべし

意外と難しいのが、このタッチタイピングです。現代はコンピュータスキルが必須の時代と言えますが、フリック入力などになれている世代だと、案外この部分に手こずってしまうかもしれません。TOEFLのライティングは、かなりたくさんの分量を書くことが求められます。特に2問目のIndependent Taskについては、最低でも300字を書かなければ、減点は免れません。そして、TOEFL iBTは、全てPCの前でキーボードを操作して解答していくテストです。タイピングの練習はどれだけ行っても良いと言えます。

話し言葉と書き言葉は別物

母国語(日本語)でも書くのが苦手だ、という方であれば、TOEFL iBTのライティング対策は、まずは日本語で始めるべきでしょう。ここで意識をして頂きたいのは、『話し言葉と書き言葉は別物である』ということです。例えば年賀状には「謹んで新年の言祝ぎを申し上げます」と書くことがよくありますが、これを実際に口に出して言う人は少数派でしょう。新年のあいさつを口にする場合は「本年もどうぞよろしくお願いします」ぐらいに落ち着くはずです。

TOEFL iBTのライティングにも、これと同じことが言えます。つまり、話し言葉をそのまま文字にして書くということは推奨されない、ということです。そのためにも、まずは書くという行為そのものに慣れるようにして頂きたいと思います。ちなみに英検も、2016年度の第一回より、2級、準1級、1級の英作文が、かなりTOEFL iBTを意識したものに改定されています。

書くという営為も色々なものにカテゴリ分けされます。日記やジャーナルを書くということもあれば、事実を伝える新聞記事のようなものもあります。TOEFLのように、アカデミックなスタイルで書くことが推奨されるものもあります。

TOEFL iBTのライティング対策(文章構成)

Independent Task = 独立問題とは、ライティング・セクションの第2問、つまり最終問題です。解答時間は30分で、300字超のエッセイを書くことが求められます。実際には「適切なエッセイは最低300語から成ることが多い」という但し書きが付されていて、絶対に300字が必要という訳ではないようです。しかし、300語程度は書ける力が無いと、留学先で苦労するのは火を見るより明らかです。300字を書ける訓練に取り組まなければなりません。英語で300語からなる文章というのは、日本語に換算するとおよそ2.5倍、つまり750語程度です。つまり、イメージとしては原稿用紙2枚分を意識すると良いでしょう。

まずは書いてみる

書くという行為の一般的な難しさについては、【加來とは?】で述べさせていただきました。しかし、最も大切なことというのは、とにかく書き始めなければならない、ということです。そうしなければ何も始まりません。では、何を書けばよいのか?そして、どのようにそれを発展させていくのか?そして、どのように文章を完成させればよいのか?そうした文章構成の在り方や取り組み方、そういったことについて今回のエントリでは紹介していきたいと思います。まずは、書いてみる。それを実践できるようになって頂きたいと思います。

序論⇒本論⇒結論を5パラグラフで構成すべし

エッセイライティングとは、論理的に構成された文章を書くということと同義です。論理的に構成された文章というのは、パラグラフ単位で構成されていて、なおかつ、各パラグラフに著者の主張点が一つずつ込められたものを差します。ここでTOEFL iBTのリーディング対策の記事「TOEFL iBTのスコアアップを目指す方にお勧めする3つの勉強法(リーディング編)」を思い浮かべた方、 excellent! です。これは、多くの場合、TOEFL iBTのリーディングのパッセージと同様の構成であるということです。

リーディング・セクションのパッセージにはもう一つの特徴がありましたね。それは、抽象論から具体例につながっていく、という構造です。もちろん例外もあるのですが、ほとんどの文章がこの特徴を備えていると言っても過言ではありません。したがって、エッセイライティングにおいても、まずは抽象論、一般論から話を始めていくのが定跡です。

各段落の具体的構成

序論

それでは、いきなり抽象論、一般論から始めましょう。抽象的、一般的とは何か。それは、5W1Hがはっきりしない、ということです。例を見てみましょう。

「今の時代、英語を勉強しておかないとまずいよなあ」

と誰かが言ったとしましょう。これは非常に抽象的な発言です。今という時代がどんな時代なのかはっきりしませんし、英語を勉強すべき主体が誰なのかもぼやけています。まずいというのも、何がどうまずくなるのか、不明瞭です。もう一つ例を挙げましょう。

「英語を勉強すべきだ、と言う人が多いなあ」

これも非常に一般性の高い発言です。多いというのはどれくらい多いのか、英語を勉強すべき理由は何であるのかなどが明確ではありません。

ということは、これらの抽象的、一般的な言説から始まって、そこに付随する疑問にどのように答えていくのかをはっきりさせれば良いのです。それが序論、つまり Introduction の役割です。書き出しとしては、以下のような英文が考えられます。

This is an era where people need to learn English, because globalization is beginning to have a significant impact on our country and lifestyles.

英語を勉強すべき理由として、グローバル化が出てきました。グローバル化とは何なのか?何故そのことが英語の学習に結びつくのか?それらに触れていきましょう。

This is an era where people need to learn English, because globalization is beginning to have a significant impact on our country and lifestyles. Globalization is a process where people’s economic, political and cultural activities become borderless and interlinked.

これで自分なりのグローバル化の定義を行いました。

This is an era where people need to learn English, because globalization is beginning to have a significant impact on our country and lifestyles. Globalization is a process where people’s economic, political and cultural activities become borderless and interlinked. In this state of the world, people are expected to gain a command of a universal language, which I assume is English.

世界共通語の必要性が語られました。つまり、英語のことです。ここから、なぜ英語学習が必要なのか、理由・根拠を一つずつ、各パラグラフに分けて説明をしていくことを読者(=採点者)にお知らせします。

This is an era where people need to learn English, because globalization is beginning to have a significant impact on our country and lifestyles. Globalization is a process where people’s economic, political and cultural activities become borderless and interlinked. In this state of the world, people are expected to gain a command of

universal language, which I assume is English. In this essay, I would like to cement my assertion by presenting three viewpoints: economic, political and cultural ones.

これで Introduction の概要が見えてきました。まずは一般論、抽象論から始めて、そこから派生していく疑問(=5W1H)に答える、言わば自己内対話をするのです。これで序論の形が整いますし、序論が整えば、本論と結論は半ば完成したと言っても過言ではありません。

本論

本論は、序論で提示するとした理由・根拠の数と同じパラグラフで構成することになります。今回は本論=3パラグラフ構成となります。各パラグラフの導入においては、 enumeration が必要です。つまり、First や Second などの序数を使うことです。これは日本語における作文とも共通する作法と言えます。

First of all, it is an undeniable fact that more-economically developed countries have been pouring huge amounts of money into a massive transfer of technology and know-how to less-economically developed countries.

上記の内容は、冷戦終結後の一般的な世界情勢の話で、やはりかなり抽象的であると言えます。ここに For exampleなどを使って、具体例を挿入していくというわけです。トヨタやパナソニックなどの例が思い浮かぶことでしょう(結構、出戻りもしているようですが・・・)。気を取り直して、第2パラグラフの導入に行きましょう。

Second of all, it can be pointed out that the world has been aiming to become more united. Take the EU, for example.

ここでも、世界は統合に向かっているという事象を、EU(欧州連合)を例に挙げて論じようとしています(Brexitの衝撃は記憶に新しいところですが・・・)。後は、ヨーロッパ諸国間のビジネスおよびコミュニケーションを支える Lingua Franca が英語である、という例を述べていけばよいでしょう。または、ヨーロッパ諸国がどのように英語教育を行っているのか、などにつなげることもできそうです。それでは第3段落へ。

Third, but not least, let us not forget the EU. It refers to the union of the international communities that will most hopefully grow into a great lead-in to a unified world. Japan is also poised to become part of the TPP, the Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement. This is an international trade agreement, but this has the potential to become a platform to form and develop an international community of the nations along the line of the Pacific Ring of Fire.

結論

結論を述べる際にもパラグラフを変え、これから結論を述べますよ、ということを読者に知らせる適切な接続表現を使うことが求められます。色々なものがありますが、To sum upやIn conclusionあたりが最も一般的と言えるでしょうか。もちろん、余裕があれば、イントロダクションと同じく、抽象論をワンクッション挟みたいところです。

As we have looked at the necessity of learning English as a world language from several different angles, a good command of English is a must in various kinds of fields. This is precisely the reason why, in my opinion, English has become a dominant universal communication tool. The more we communicate, the more we realize how immersed our society and our lifestyles have become in English. For the aforementioned reasons, I am of the opinion that whoever hopes to be successful in this age is expected to be proficient in English.

と、一応の結論らしきものが出てきました。まあ、これは一つの例としてザーッと書き散らかしたような文章なので、あまり参考にしてくださいとは自信を持って言えないのですが・・・

かなり長大なエントリーになってしまったのでまとめます。書くということは難しい営為ですが、TOEFLにおいてはまずは何をおいても書き始めなくてはなりません。しかし、幸いにも、書き方のフォーマットやテンプレートはかなりの程度まで定まっていますので、自分なりの型を身に付ければ、ほぼ毎回それで応用が利くようになります。最も難しいのは自論に説得力を持たせること、つまり具体例を盛り込む部分でしょう。これは英語力とは関係なく、受験者の知識や教養というものが問われるものですから。私は通常のTOEFL講座では、必ず『TOEFL英単語3800』に付属している小冊子を読んでくる、という課題と特定のWikipedia記事を読んでくることを受講者に課しています。Readingの記事でも触れましたが、一定の背景知識が無いと、内容のある文章にはならないですから。

ライティングについてはこれまでにもいくつかの記事を書いてきましたが、いつも『次回はアカデミックな書き方について』と締めておきながら、なかなかそれが実践できていませんでした。そろそろ年貢を納めて、アカデミックな書き方を実践していくための勉強法を案内していきたいと思います。

まずは採点基準を把握せよ!

アカデミックな書き方と言っても、専門知識を披露する必要はありませんし、そうすることを求める設問もありません。内容=Contentではなく、書き方=Presentationにこだわるべきなのです。アカデミックに書くということは、それを読んだ人がしっかりと理解できるような書き方をする、ということを意味します。また、そのことが採点基準にどのように関わっているのかも知っておくべきでしょう。これまでのブログエントリで何度も強調してきたことですが、設問に正しく答える姿勢こそが最も重要なことです。決して英語力が最優先というわけではありません。

ここで採点基準について振り返っておきましょう。

Development

これは日本語で言うところの『論の展開』のことです。もちろん、何らかのアイデアや意見を述べる方法は無数に存在しますが、TOEFL iBTのライティング、特に Independent Task で求められる『論の展開』の方法は、ほぼ一つに絞られます。それは、

自分の意見や選択 → それを指示する具体例や個別事例

という形です。公式ガイドブックでは Development is the amount and kinds of support (examples, details, reasons) for your ideas that you present in your essay.と説明しています。ミニマムで300字を書くことが期待されていますが、300字未満でも満点(5点)を得ることは理論的には可能ですが、ETSの経験から言うと難しいということです。文字数の上限はありませんが、肝心要は the quality of your ideas と the effectiveness with which you express them (= your ideas) です。qualityとは例、詳細の分かりやすさ、effectivenessとは説得力のことと解してください。

Organization

これはどれだけライティングが整っているか、ということです。単に各パラグラフの先頭に First of all や Second of all を持ってくればよい、というわけではありません。様々な接続表現を用いることが期待されています。ただし、闇雲に Therefore や whereas などといった語を使えばよいというわけでもありません。極論すれば、全てのセンテンスが自身の opinion や statement に関連していなくてはならないのです。整っているかどうかはどのように見極められるのか。それは整っていない文章を読んだ時に一目瞭然です。一パラグラフ一アイデアという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、この原則を忠実に守ることがorganizationで減点をされないために最も重要なことです。

Language use

むやみに字数を増やそうとするのではなく、効率良く伝えられる方法を模索しなくてはなりません。それを達成する一つの方法は『母国語で書く』ということです。効率良く書くということは、言い換えれば少ない字数で多くの情報を伝える書き方をするということです。例えば、「賛否両論の言説」と言いたい時、ピタリとはまる語彙を持っていなければ、

There is a statement, and some people agree with it, and other people disagree with it.

のような、説明的な文章を作ることも考えられます。しかし、TOEFL受験者(多くは大学生以上でしょう)であれば、賛否両論という表現を知っておくべきですし、もし知らないのであれば、調べなくてはなりません。効率良く書くためには語彙の増強が必須ですが、自分に足りない語彙が何であるのかを確かめるためには、まずは母国語と外国語のギャップを測る必要があります。急がば回れ、Less haste, more speed.です。ETSが出版している公式問題集には実際のTest Takersのライティングが載っています(記載がない版もありますが・・・)。そこでScore 5を達成したライティングを研究してみてください。一部の日本の出版社が出している参考書に見られるような、晦渋な表現や語彙は全くと言っていいほど使用されていません。自分にとって無理のない形で書く練習から始めるべきです。

論より証拠、サンプルライティング

Some movies are serious, designed to make the audience think. Other movies are designed primarily to amuse and entertain. Which type of movie do you prefer? Use specific reasons and examples to support your answer.

There are numerous movies playing in almost every part of the world as we speak, and I consider myself a movie buff. Although I really do like movies that I can get a good chuckle out of, I prefer movies that make me think quite deeply. There are a couple of reasons as to why I hold this opinion.

First of all, movies, especially nowadays, reflect some problems with our society. Miss Sloane was a very good example because it showed us very realistically that there were people who wanted to make huge amounts of money by hiring competent lobbyists. The film described a deep dark territory of American politics. The film caused me to think so much about how safe my country was. As a full-fledged member of society, I am getting to like serious movies.

Second of all, movies, in my opinion, are a type of media (literature ×) through which filmmakers aim to get across a message. Last year, I saw Zero Dark Thirty and Army of One, both of which described people who were going after Osama bin Laden. What these two films portrayed was not unbelievably hardworking people but people who lost the meaning of life. The message from both movies was the same: what would you do if you achieved the ultimate goal in life? This is something I will never receive from any movies made for entertainment purposes only. For this reason, I prefer serious movies.

Third of all, now that I’ve grown up, I have decided to spend my money on something instructive and enlightening. If I simply want to have a good time, there is a lot of entertainment that I can enjoy for free, such as shogi. Like I said in the beginning, I am a movie buff, who is eager to learn from watching films. Old movies tell you so much about the historical backgrounds of the country and/or society where the movies were made. Futuristic Sci-Fi movies tell you a lot about how people fear the future or dream about the future. This is how I enjoy movies lately.

There are times I am in the mood for hilarious movies. However, most of the time, I favor (am in favor of ×) the type of movies that make people think deeply.

385 words

これを書き切るのに28分かかりました。文中に2か所ある×印は、後から同僚のイングランド人に訂正してもらったものです(が、本番で減点される類の誤りではないでしょう。本論の理解を妨げるようなミスではないので)。難解な表現は使わず、ハイレベルなボキャブラリーの使用も避け、具体性を持たせる(≒固有名詞を多く用いる)ことを心掛けてみてください。Task 2のIndependent Taskは、英語の知識や技能だけでなく、思考力や表現力(難しい言葉を使うという意味ではないですよ!)も問われる設問です。設問の求める要件を必ず満たす。幅広いテーマの問題に事前に何度も取り組む。これを実践するようにしてください。一人ではどうしていいか分からないという人は、スクールに問い合わせてみましょう。きっと熱心に相談に乗ってくれるでしょう。

その他技能

ここまで、各セクションごとの対策方法を解説しましたが、ここではその他の技能(ボキャブラリー、グラマー、コンディション作り、メンタル面)について述べたいと思います。

ボキャブラリー

語彙力はすべてのセクションにおいて必要、というよりも英語(に限らず外国語)を学ぶ際に絶対に必要になってくる要素です。これを増強させることが、スコアアップのための重要な土台になります。また、リーディング・セクションでは1パッセージあたり、およそ2~3問のボキャブラリー問題が出題されます。3パッセージでは多い時には9問となり、問題全体の2割を占める、つまりは無視できない分量になっているということです。では、語彙力増強のために、どのような勉強をすべきなのでしょうか。

3800

3800と聞いてピンと来る方は、結構な単語帳通であると言えるでしょう。TOEFL受験者であれば、単語力の確立に関して言えば、旺文社の『TOEFLテスト英単語3800』(4訂版)の一冊に精通すれば充分と言えます(句動詞や慣用表現はまた別なのですが)。語彙を増やしたければ、単語帳は1冊に絞りましょう。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。あれやこれやと色んな単語帳に手を出す人よりも、どんな単語帳であれ、1冊をこれでもかと勉強した人の方が単語力、語彙力においては上であると断言できます。

私事ですが、よく受講生の方に「金子先生は何冊ぐらいの単語帳を勉強されたのですか?」と聞かれることがあります。私の答えは常に同じで、『ああ、高校生の時に学校でもらったワード・バンク4000とワード・バンク6000の2冊ですね』です。3800は今も勉強中です。

私の言わんとするところは、単語帳選びに時間をかけてはいけないということです。どれにしようかなと悩むぐらいなら、本屋で値段と厚さ(もしくは薄さ)を比較検討して、1冊を選んで、それを徹底的にやり抜いてくださいということです。どの単語帳か決められないのであれば、3800を購入しましょう。

Flashcardを活用すべし

単語帳を使ってボキャビルをしていると、どうしてもページの最初の方だけ覚えてしまう、もしくは各章、各パートの最初の方だけ覚えてしまう、という方がいます。詮無い話だとは思いますが、真理であるとも思います。こうした時にはフラッシュカードを活用しましょう。といってもこのネット全盛時代、自分で作る必要はありません。試しにgoogleで、「TOEFL 3800 アプリ」で検索してみましょう。有料のアプリが見つかると思います。\2,200を払うのはちょっと・・・ という方は、「TOEFL 3800 flashcards」で再度検索!cram.comやquizlet.comなどが容易に見つかるでしょう。これらを活用すればよいのです。

語彙力診断を受けるべし

実際にどれだけ単語を覚えることに時間を費やしても、本当に頭に入っているかを実地に試さなくては意味がありません。一番良いのは友人や家族に、単語帳からランダムに単語を選んで、その日本語訳を読み上げてもらい、自分がそれを英語で言えるかどうかチェックをしていくという方法でしょう。ただし、一人暮らしの学生には難しいかもしれません。こうした時にもweb上のサービスが役立ちます。Weblioというオンライン辞書サービスがありますが、そこでは無料で各種資格検定向けの単語力診断が可能です。また、「TOEFL vocabulary quiz」と試しに検索してみれば、英語圏の同様のサービスも無数にヒットします。その中では quiz-tree.com がクイズの種類も多く、使いやすいようです。自分の単語力、語彙力を常に客観的に測定していくことが、ボキャビルにおいては更なるモチベーション維持のためにも非常に重要です。

過去問にトライすべし

せっかく語彙力、単語力を身に付けたのですから、過去問で試さない手はありません。本試験が最も望ましいのですが、$235という金額と4時間の長丁場を考えると・・・ ここはETSの出版しているOfficial Guideを購入して、実際にReading Sectionの過去問にトライしてみるべきです。それが最も確実な語彙力診断と言えます。またパッセージ中の単語で意味を知らないものがあれば、必ず3800の単語帳と照らし合わせましょう。もしも掲載されていなければ、覚える順位は低い単語です。もしも掲載されていれば、自分の目指すスコアと単語ランク(1~4)を考慮の上、覚えるようにしましょう。

以上、基本的なボキャビル方法についてお話をさせて頂きました。TOEFLに限らず、語彙はどれだけ知っても知り過ぎているということはありません。文法の知識やSpeakingの流暢性などにはおのずと限界がありますが、語彙力にはそれはありません。皆さんの母国語である日本語でも、未知の単語や表現はいくらでもあるのと同じことです。単語力、語彙力の増強にベストの方法はありません。常にベターが存在するだけです。後はそれをどれだけ追求していけるかです。

語彙力

読みに必要な要素の話をしていきましょう。第一に必要とされるのは語彙力です。前回の単語力と相通じるところがありますね。ここでいう語彙力とは、語彙をどれだけ知っているか + 未知の語彙をどれだけ類推できるか、です。前回にも指摘をしましたが、リーディング・セクションでは約9問のVocabulary問題があります。ここを計算できる得点源にすることがすべてのテストテイカ―に求められます。

では、どれくらいの語彙力(知識 + 推測力)があれば良いのか?英検2級や高校課程修了レベルでは、知っておくべき単語数は4,000程度とされています。残念ながら、この水準ではTOEFLには全く歯が立たないと言っても良いでしょう。様々な資料やデータがありますが、語彙力とTOEFL iBTスコアの関係は大雑把に言うと

スコア 60点 語彙 4,000
70点 6,000
80点 8,000
90点 10,000
100点 12,000超

となるように思われます(もちろん、個人の感想です)。では、この語彙力を測定するにはどうすれば良いのか?やはり、このネット全盛時代に、テクノロジーの力を借りない手はありません。自分のお気に入りの検索エンジンで「英語 語彙 測定」や”English vocabulary test”などで検索してみましょう。

グラマー

グラマー=文法ということです。文法とは何かとズバリ一言でいうならば、あるフレーズやセンテンスが正しいかどうかの判定基準であるもの、ということです。TOEFL iBTには文法問題というものはありません。TOEFL ITPには、Grammarというセクションがあり、そこでは語の正誤問題と空所補充問題が出題されるのですが、iBTにはそうした、いわゆる日本の高校生や大学生が比較的得意とするだろう問題を扱うセクションは残念ながらありません。TOEFL iBTの問題形式を見てみれば、文法の知識を問うような問題は無意味であると分かります。もしもTOEFLの目標スコアが60点以下であれば、英語の基礎体力を向上させることを重視してください。もしもTOEFLの目標スコアが61点以上であるならば、英検2級に合格(二次試験含む)している、もしくは高校までに習う文法については全てマスターできている必要があります。

正直なところ、TOEFL iBTを受験すると決めた人であれば、文法の教科書や問題集などに取り組んではいけません。関係代名詞と関係副詞の違い、不定詞の様々な用法、完了形の様々な用法、仮定法の種類と作り方、などをあらためて見直すようでは、TOEFL対策は手遅れです。もしくは時期尚早です。自分の文法の知識、運用力がどの程度かを手っ取り早く測定するには、TOEFL ITPの問題集のGrammarの問題に実際に取り組んでみるのがよいでしょう。ここで制限時間内に正答率8割に達しないようであれば、残念ながらTOEFL iBT対策は too late もしくは too early です。厳しいようですが、このことを心してください。

コンディション作り

さて、ここではTOEFLを受験する際のコンディション作りについて、色々とシミュレーションを交えて語ってみましょう。

まず、前日は早めに寝る。これに限ります。気になるからと言って、ベッドや布団の中で3800の単語帳やスマホのテスト対策アプリなどと格闘してはいけません。個人差はあるでしょうが、5~7時間の睡眠を確保して、Good Physical Conditionを作りたいものです。起床は7:00前後が良いでしょう。もちろん、テストセンターと自宅の間の距離や移動に要する時間によって、何時に目を覚ますのが最適かを自身で判断をしてください。ただ、脳が本当の意味で目覚めるのに1時間かかるとも3時間かかるとも言われています。このあたりは自身のバイオリズムに合わせて就寝時間と起床時間の調節を行ってください。朝ごはんはあまりたっぷりと食べない方が良いかもしれません。私はTOEFL受験の朝はコーヒーとシリアル、それとアリナミンのような栄養補給ドリンクで済ませるようにしています。もちろん、家を出る前にはトイレに行くのを忘れずに!そして、テストセンターに入る前、もしくは入った直後にもお手洗いには行っておきましょう!

上述のようにTOEFL iBTはテストセンターで受験するのですが、試験の開始時間および終了時間に関しては、英検やTOEICなどとはガラリと趣を異にします。TOEFL iBTのTicket Informationと呼ばれる、いわゆる受験票には、Reporting TimeとStart Timeという2つの時間が記載されています。前者は受付が始まる時刻のこと、後者は実際のテストを受験し始めることができる最も遅い時刻のことです。TOEICや英検も 受付 → 受験 という流れになりますが、これは全員が一律で同じです。TOEICであれば、11:45~12:30が受付時間で、テストの開始は13:00です。ところがTOEFLは、なんと先着順で試験を開始できるのです!Reporting Timeはテストセンターや受験者数によって変化することがありますが、概ねReporting TimeとStart Timeの間には30分の差が認められます。なので、例えばReporting Timeが9:30でStart Timeが10:00という設定であれば、9:30に受付をして、スムーズに進めば9:35にはテストを開始できます。その場合、

① パスポートの提示
② 誓約書(Confidentiality Statement)への記入
③ 顔写真撮影
④ 荷物をロッカーに収納
⑤ 金属探知機によるボディサーチ
⑥ 入室
⑦ ヘッドセットなどの確認
⑧ 受験開始

という流れで進みます。

一方、9:55ぐらいに受付をした人は、10:00ぐらいに受験を開始することになります。つまり、一番早い人と一番遅い人では、試験の開始時刻に30分ぐらいの差が出るわけです。これをメリットと捉える人とデメリットと捉える人がいるのですが・・・

もしもTOEFL慣れしている人であれば、遅く入室するのも手です。順調に進んで、なおかつ座席の位置やパーティションの有無などの運に恵まれれば、先に入室した人のスピーキング内容を聴くことで、どんな問題が出るのかを予測しやすくなる、つまり事前に心の準備がしやすくなるからです。ただし、これは先にスピーキングを始めた人が、かなりの実力者であるという保証がないので、決してお勧めはしません。とにかく、運の要素が大きすぎるのです。できるだけ早く入室して、さっさと自分のペースで受験してしまうというのが良いのかもしれません。

無事にReadingとListeningが終われば、10分休憩です。これもテストセンターの構造や受験者数によりますが、トイレがとても混雑することがあります。10分休憩の時間もPC上の時計が時間をカウントダウンしています。席に戻るのが遅れれば、それだけスピーキングの時間が減ってしまいます。私の休憩時間の過ごし方は、ロッカーから事前に買っておいたヤクルトとコアラのマーチを取り出して、ごく簡単な栄養補給をするというものです。朝ごはんと同じで、やはりあまりたくさんは食べない方がよいでしょう。一応、試験中も試験官の許可さえ取れればトイレに立つことはできますが、その間も時間は減っていきます。なので、水分補給はヤクルトで決まりです。また、脳にそれなりの糖分さえ補給できればよいので、ロッテのお菓子を何か一つ用意すれば充分でしょう。これなら、5分足らずで水分および栄養補給が出来ますし、トイレに行きたくなったり、胃腸に血液が集まって(=脳への血流が減って)眠たくなってしまうこともありません。

メンタル面

ある程度以上の世代になってくると、パソコンの画面に長時間向かい続けると、眼精疲労になりやすくなります。若い世代でスマホやタブレットの使用に慣れていても、やはり目は疲れます。ところがテスト会場によって、目薬の持ち込みが可のところと不可のところがあるようです。例えば、神戸・三宮の某会場では目薬持ち込み可でも、大阪・中津の某会場では不可、ということがありました。こればかりは、ETSに委託されてTOEFL iBTを実施しているイベント運営会社によるのかもしれません。同じく、テスト会場によっては、通常とは異なる設定のキーボードを使用することがあるかもしれません。私が初めてTOEFL iBTを受験した時、shift + 7 でアポストロフィSが出せずに、焦って数十秒ほど浪費してしまったことがあります。よくよく見てみると、デスクの隅っこにキーボード操作の注意書きがあり、それを読んで、なんとか危地を脱することができました。以来、テストセンターで席についたら、ヘッドセットの調節よりも前に、そのような注意書きがどこかにあるかどうかをチェックすることが習慣になりました。これも、一つのメンタル・コンディションの作り方と言えるでしょう。

以上、簡単に心身両面のコンディションについて述べさせてもらいましたが、あくまで私の経験に基づくものなので、皆さんも余裕があれば何度か受験して、自分なりのコンディション作りの方法を模索してみてください。

高校生

TOEFL受験を考えている中高生の増加を、最近は特に強く感じます。そこで今回からは少し対象を絞ってお話をしていきたいと思います。もちろん、幅広い層に語り掛けていこうと思いますが、まずは海外の大学への進学や留学を志望する高校生諸君に向けて、いくつかアドバイスになればいいなと思えるものを紹介していきたいと思います。Readingから始まって、Listening、Speaking、Writingと、エントリーを分けて記事にしていく予定です。

文法

英語の文法が好きだ、得意だという高校生は、この部分は読み飛ばしてもらってOKです。文法はちょっと・・・ という方はぜひ読みましょう。

そもそも私も高校生の頃は文法の授業は苦手でした。なぜなら、使われている言葉が非常にいかめしいものばかりだったからです。いくつか例を挙げると、副詞節、不定詞、関係代名詞、分詞の形容詞的用法・・・ 国語の授業でも、サ行変格活用動詞などと聞くと、◯◯という言葉に動詞「する」をつけたもの、という説明ではだめなのだろうか、連体修飾語というのは、人やモノにずらずらとくっついている表現、と言い換えては不都合なのだろうか、と常々感じていました。この思いは今も変わりません。比較の原級、などと耳にすると「比較の減給(!)」などと聞こえてくることもあるぐらいです。とにかく、聞く者に威圧感を与える説明、というのが英語嫌いや国語嫌いを生み出しているように思えてなりません。

そこで高校生諸君には、脳内にフィルターを設けて、難しい文法用語が出てきたら、それを平易な、取っ付きやすい言葉に置き換えることを目指してほしいと思います。

もちろん、最初からそれを独力で行うのは難しいと思います。そういった時にこそ、ダブルスクールというものを考えても良いのではないでしょうか。高校生だから塾に行く、ではなく、高校生だから英会話スクールに行く、という発想の転換です。そもそも学校で英語を学ぶ理由は、”The reason that I study English is to be able to get a job in Australia.”という文中のthatが関係代名詞なのか関係副詞なのか見分けられるようにするためではないはずです。語学を学ぶ理由は数多くあるでしょうが、最大の理由はコミュニケーション能力の向上に尽きるでしょう。上のような文章を分析できるようになることは大切ですが、本当に大切なのは、”Why do you study English?”という質問に自分なりの答えを出せるということです。英会話スクールで学ぶことのメリットとして、文法を平易に学ぶことができ、その先の表現まで練習することができるということが挙げられると思います。この考え方はTOEFL対策にも大いに援用できるものです。

語彙力

単語を覚えるのが大好きという高校生諸君は、このパートも読み飛ばしてOKです。単語を覚えるのがしんどい、という人は必ず読みましょう。

まず、TOEFL対策をするにあたってVocabulary Buildingは必須と言えます。ですので、残念ながらこれを避けて通ることはできません。TOEFLのReading Sectionでは、同義語を選択する問題が6~8問は必ず出題されるからです。これらを取りこぼすわけにはいきません。では、どうするか?

TOEFLの過去問を見てみましょう。

The word “virtually” in the passage is closest in meaning to

◯ clearly
◯ perhaps
◯ frequently
◯ almost

clearlyやalmostの意味が分からない、思い出せないという人はいないと信じています。問題はvirtuallyが何を意味するのかです。ここでヴァーチャル・リアリティという言葉を思い浮かべた人は、Excellent!!です。最近ではAR=Augmented Realityという概念、技術も生まれてきていますが、ヴァーチャル・リアリティという言葉そのものは、どこかで聞いたことがあるな、という感触をたいていの人は持っていることでしょう。仮想現実、現実と区別ができないほどリアリティのある仮想空間のことです。そこから類推ができればalmostが正解であると類推するのは、それほど困難ではないはずです。

The word “inevitable” in the passage is closest in meaning to

◯ unfortunate
◯ predictable
◯ unavoidable
◯ final

今回はどうでしょうか。もし仮にinevitableの意味を知らなくても、inevitableというのが、impossibleという単語に形がよく似ている、と感じられればgreat!!です。トム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』という映画シリーズでおなじみの単語です。in/imが打ち消しの意味で、able/ibleというのが可能の意味だと分かれば、unavoidableが正解であると分かるでしょう。unという接頭辞はunknownやunusualにも含まれています。

語彙力と聞くと、いくつの単語を知っているかが重要であると多くの高校生は考えているようです。しかし、語彙力とは「知っている単語の数」+「単語の意味を類推できる力」のことです。分からない単語に出会ったときは辞書や単語帳に頼る前に、まずは意味を推測することを習慣にしてみましょう。

音読

皆さんも数年前までは小学生だったと思います。その頃は、盛んに音読をしませんでしたか?音読を通じて、様々なことが分かります。たとえば、読みに詰まる部分が漢字であるならば、漢字の知識が不足しているということが言えます。英語の音読でも様々な課題が浮き彫りになってきます。語彙力の有無や、アクセント、イントネーション、区切りの仕方などを確認することで、文法理解度やリスニングの力もかなりの程度まで推測が可能です。

ただ、高校の英語の授業で盛んに音読を行っているというところは少数派ではないかと思います。非常に効果的な学習方法でありながら、時間的制約その他から学校の現場では採用されていないのが音読であると言えます。

音読の効用にはもう2つあります。一つは、黙読のスピードアップにつながるということ。もう一つは、スピーキング力の土台になるということです。この2つは、TOEFL対策において非常に重要な部分を占めています。音読練習は、できれば毎日コツコツと積み上げていって頂きたいと思います。

音読も、しかしながら、独力では上達が難しいものです。なぜなら、フィードバックが得難いからです。現代は携帯やICレコーダーで手軽に音声が録音できるので、音読をその場ではなく、後からチェックしてもらうのも容易です。もしも学校の先生にお願いできるのなら、是非そうしましょう。しかし諸事情あってそれが難しいようなら、ダブルスクールを検討しても良いのではないかと思います。英会話スクールの教師であれば、そうした実践的なフィードバックはお手の物だからです。

発音記号とフォニックスを学ぶべし

リスニングは得意だ、という高校生はこの部分は飛ばし読みしてもらって大丈夫かもしれません。しかし、そうした高校生は現時点ではまだ少数派でしょう。ここでは、高校生のうちに是非とも行っておくべき、『発音記号』の勉強について述べます。

まず確認しておきたいのは、「日本語に発音記号はあるか?」ということです。当然ですが、日本語には発音記号はありません。なぜなら、日本語の平仮名とカタカナは文字=音だからです。しかし、英語やその他多くのロマンス系言語では、文字と音が一致しません。たとえばAという文字はエイですが、Aという音は ? や ? や ? だったりします。これらの音は、残念ながら日本語では発声は可能でも、表記は不可能です。これが高校生に限らず、多くの日本人学習者を苦しめている原因の一つでしょう。だからこそ、発音記号を学ぶ必要があります。学ぶといっても、発音記号を書けたり、読めたりするようになることを目指すという訳ではありません。聞こえてくる音声を、頭の中で発音記号に結び付けられるようになりましょう、ということです。

もう一つは、フォニックスについてです。フォニックスとは、綴りと発音の間にある規則のことです。例えば、take, make, lake, cake, fake, shake, game, same, lame, shade, fade, grade, paradeなどなど。これらはどれも、語の終わりの部分が a*e という綴りになっていることが分かります。こうした綴りの場合、aの発音はei、eの部分の発音はuとなります。他にも、right, light, flight, fight, night, knight, sight, tightに見られるような、ightは、??t と発音することが分かります。ただし、その頭にeがくっついたweight, freightやhがくっついたheightなどは発音が異なってきます。最初に挙げたcakeやgameにも、haveという例外があります。フォニックスは決して万能のルールではないのです。だからといって、学ばなくてもよいということはありません。むしろ、リスニングに苦しんでいる人ほど、積極的に学ぶべきです。リスニングで困っているという人は、聞こえてきた言葉が何であるのか分かりません。なぜなら、その言葉の綴りを思い浮かべられず、したがって辞書を引くことができないからです。なので、毎回スクリプトを見ては、「知っている単語なのに、何故聞き取れなかったのだろう?」と悩むという悪循環に陥る傾向があるのです。

前回のエントリーの単語のところで、“単語力とは「知っている単語の数」+「単語の意味を類推できる力」のことです”と指摘しました。同様に、リスニング力とは、「どれだけ知っている単語やフレーズを聞き取ることができるか」+「未知の表現を文字に置き換えられる力」であると定義づけられます。どれだけ学んでも、TOEFLでは未知の単語が出てきます。知らない=お手上げ、ではなく、知らない=類推する、という姿勢を今の内から持っておくことが決定的に重要です。

では、それらを学ぶためにどうするべきかを以下で見ていきましょう。

電子辞書(アプリ、Web媒体)の有効活用

私は高校一年生の頃、毎日リュックに英和と和英の辞書を入れて通学していました。とにかく辞書が重たかったということを、今でも思い出します。さすがに2年生になる頃には、家用の英和・和英辞書と学校に置いておく用の英和・和英辞書を親に買ってもらいました。

今の高校生では、ポケットに入るような電子辞書や携帯の辞書アプリを使っている人が大多数を占めるのではないかと思います。私もそれらを使用することに賛成です。何よりコンパクトで持ち運びに便利ですし、紙の辞書との最大の違いは『発音のお手本を示してくれること』でしょう。発音記号を学ぶには、実際の音を聞いて、その発音記号をチェックするという手順が最適です。逆はあまりお勧めできません。辞書というと、意味を調べるという用途が一番に来ますが、発音を調べるという意味でも活用をしていくべきです。

単語の発音をたくさんインプットできるようになってくれば、今度はセンテンス単位でのリスニングにも慣れていくようにしましょう。この時に役立つのが、テキスト読み上げサイトです。代表的なものにグーグル翻訳があります。

左側のボックスに英語を入力すると、右側のボックスに翻訳された日本語が出てきます。その時、左の英語を入力するボックスの左下にスピーカーのアイコンが出てきます。それをクリックすると、自動合成された音声を聴くことが出来ます。出てきた当初はかなり機械的な音声でしたが、今は相当に改善されています。抑揚も自然な感じで加えられています。センテンス単位でどのように発音されるのかを聞いてみたいという人は、このようなウェブ上のサービスを利用しましょう。

ディクテーション

最後に案内したいのが、ディクテーションです。これは、聞き取った言葉をそのまま文字に起こしていく行為を指します。リスニング力を鍛える、あるいは確認するための最も確実な方法ですが、発音記号と実際の音の関係、つまりフォニックスのバックグラウンドが無いままにディクテーションを行うことは、決してお勧めできません。たとえば、

アワ プラネッ イズ ナッ ダ セナァ アゥ ダ ユニヴァース(スタンダードなAmerican Englishの発音を想定しています)

と耳に聞こえてきたときに、Our planet is not the center of the universe.と変換できなければ、ディクテーションは逆効果です。繰り返しになりますが、音と文字の関係を意識して、リスニング力養成の土台作りに取り組みましょう。

ディクテーションを勧める参考書はかなりありますが、それを実践した時にチェックしてくれる環境まで与えてくれるわけではありません。理論的にフォニックスを理解している人にチェックをしてもらうことが、遠回りなようでいて、結局は早道、近道になります。ディクテーションに習熟していけば、次の段階のシャドウイングに移ることもできます。

リスニングを継続的に学ぶべし

皆さんは親戚に小さな赤ちゃんは未就学児童の子はいますか?もしいなくても、一般論で考えてみてください。赤ちゃんはどのように言語を獲得するでしょうか?言い換えれば、赤ちゃん言語の4要素(読む、書く、聴く、話す)のうちの、どれを最初に身に付けるでしょうか?それは間違いなく『聴く力』です。聴く → 話す → 読む → 書く、という順番です。

もちろん、これは言語形成期の話なので、外国語に取り組んでいる高校生に直接当てはまるわけではないのですが、なにがしかのヒントがそこにはあります。Passive KnowledgeとActive Knowledgeという言葉を聞いたことがある人も、中にはいるかもしれません。これは読んで字のごとく、「受動的な知識」と「能動的な知識」ということです。言語における前者と後者は、『読むこと、聞いて理解することができる知識』と『話したり、書いたりすることができる知識』と定義づけられます。日本語で例を挙げましょう。薔薇、醤油、挨拶・・・ 高校生であれば、これらの漢字を読むことはそう難しくはないでしょう。読めるということは、これらの漢字が皆さんのPassive Knowledgeになっているということです。しかし、これらの漢字を実際に手で書けますか?おそらく、全て漢字で間違いなく書ける、という高校生は少数でしょう。これは、これらの漢字をActive Knowledgeにしている高校生が少数である、ということと同義です。

TOEFLのスピーキング対策も、これと共通する部分があります。話せるようになるためには、最低限これだけのリスニングやライティングができないといけない、というラインがあります。そのラインがどこになるのかは、何点を目指すのかによって異なってきます。61点を目指すのか、81点を目指すのか、104点を目指すのか。目標スコアに応じて、信頼できる人に相談をしてみましょう。

マンブリング

マンブリングとは、mumblingのことです。つまり、もぐもぐ言う、ぼそぼそ言う、という意味で、リスニングで聞こえてきた英語を、そのまま小声でつぶやくように後追いで発声するという練習法を指します。醤油という漢字を書けるようになるために、薔薇という漢字をじーっと見つめ続ける人はいないでしょう。書けるようになるためには、書いてみる必要があります。しかし、最初からすらすらと書ける必要はありません。草かんむりとその下の部分のバランスが最初は崩れるかもしれません。薇の草かんむりの下は、微かな?それとも徴かな?それとも違う形だったかな?という風に、確認しながら練習することになるでしょう。マンブリングもそれと同じです。最初からきれいな発音で、一文をまるまる後追いで復唱できる必要はありません。難しい漢字を練習するのと同じように。最初はたどだどしくて良いので、じっくりマンブリング練習をしてみましょう。使用する教材としては、リスニングで使用しているものにしましょう。使い慣れたもの、つまりPassive Knowledgeをすでに持っているものの方が、Active Knowledgeに昇華させやすいからです。

シャドーイング

ある程度の回数と期間、マンブリング練習を積み上げることができたら、次はシャドーイングです。これは大きな声で、はっきりとした発音で、マンブリングをすることです。幼児が言語を習得する際に、しばしば聞こえてきたものをおうむ返しに発声するという特徴が観察されますが、これも一種のシャドーイングと見做されうるでしょう。シャドーイングの効果・効用は多岐にわたりますが、高校生がこれを行うべき第一の理由は、発声そのものに慣れる、ということでしょう。TOEFLのスピーキングは、会話や対話ではなく、自身の考えをスピーチ形式で述べたり、文章や他者の会話の内容をまとめて発表することが求められます。つまり、話をするのは自分だけです。独り言大会と呼んでも良いかもしれません。高校生に絶対的に不足しているのは、声に出すことそのものです。その意味では音読も効果的ですが、シャドーイングの方が負荷は大きい=効果が高いです。このシャドーイングは、KEC外語学院の受講生の方(多くは会社員の方で、皆さんのお父さんお母さん世代の方も数多くいらっしゃいます)も実際に取り組んでいるトレーニング方法です。皆さんも頑張って取り組んでみましょう。

スピーキング

ここまで取り組めば、TOEFLのスピーキング対策を本格的に始められるでしょう。ただし、注意を要するのは、TOEFLのスピーキングのTask 1とTask 2は、テスト受験者の知識や経験、嗜好に基づいてスピーチを構成しなければならないということです。文法や発音の面で基本に忠実な口頭英作文を行うことは必須ですが、それ以上に自分の考えを素早くまとめることが求められています。その時は以下のようなアプローチを取るようにしてみてください。

  1. 身体的にどうか
  2. 精神的にどうか
  3. 金銭面的にどうか

もちろん、これ以外にも依って立つべき視点は数多くありますが、思考の速度を上げる、または思考時間を最大限に切り詰めるためにも、まずは以上の3点から考えることを習慣にしておくと、TOEFLのSpeaking Sectionで、英語以外の部分に煩わされる時間は格段に減ります。問題集などで実践をしていってほしいと思います。

次に、ライティング、特にIndependent Task対策について高校生のうちに取り組んでおくべき課題や勉強法について語りたいと思います。

型に習熟せよ

私が高校生の頃は、学校教育で作文がフォーカスされることはほとんどなかったように思います。伝え聞くところによると、現在も事情は同じのようです。成績や内申点その他で指定校推薦がもらえそうな子が、最も懸念するのが面接と小論文であるらしいのです。別の記事「TOEFLライティングの準備に向けて」にてCritical Thinkingについて書きましたが、これはどちらかという大学生以上を対象にした話でした。では、高校生はどのようにすれば良いのか。

まずは、型を覚えることです。野球で黙々と素振りを繰り返すように、型の習熟を目指すことが肝心です。ここでいう型とは、書き方のフォーマットのことで、巷間言われる“テンプレート”とは異なっているというところに注意が必要です。では、その型について、以下の例題に取り組む形で、さっそく見ていきましょう。

ゲームをプレーすることは人生について教えてくれる。賛成か、反対か。

まずは早速自分の意見を述べてしまいましょう。

第一パラグラフ

私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。

この後は間髪入れず、理由の数を述べます。

その理由は3つあります。

以下、序論を締め括ります。

以下のパラグラフでそれらの理由について詳述していきたいと思います。

第二~四パラグラフ

これらの書き出しは全て共通しています。それぞれFirstly, Secondly, Thirdlyで決まりです。その後に続けるセンテンスのorganizationとstructureは一貫して同じです。

第一に(Firstly)私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。なぜなら(because)~ 理由その1(第2パラグラフ)。その例として、~~~(例示その1)。したがって(Therefore)、第一に私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。

第二に(Secondly)私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。なぜなら~ 理由その2(第3パラグラフ)。その例として、~~~(例示その2)。したがって(Thus)、第一に私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。

第三に(Thirdly)私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。なぜなら~ 理由その1(第4パラグラフ)。その例として、~~~(例示その3)。したがって(Hence)、第一に私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。

どのような例を挙げるのか、思いつくべきなのかはまた別記事にてものしたいと思います。まずは、第二、第三、第四パラグラフの“型”の一例に習熟してほしいと思います。

結論

結論は短くても大丈夫です。ここで押さえておくべき型は

以上の理由により、私は、ゲームをプレーすることは人生について教えてくれるという考え方に賛成です。

と、これまでのdiscussionを踏まえて、これが結論ですよと分かる形にしておくだけでも効果的です。

一つの作文を何度もリトライせよ

以上、簡単に型について述べてきましたが、実際にこれを習得し、習熟していくのは簡単ではありません。一つのテーマで、何度も何度もリライトをしましょう。このあたりはスポーツ系の部活に取り組むときの姿勢と同じです。野球部員が素振りやシャドーピッチングを繰り返すように、サッカー部員がドリブルとリフティングを繰り返すように、バレーボール部員がトスを繰り返すように、地味な反復練習こそが、結局は最も上達に資するものなのです。まずは、基本的なTOEFLライティングの型を体に馴染ませてください。

必ず誰かに読んでもらうべし

部活のお話をさせて頂きましたが、部活には顧問や監督の先生がいますね。普段の練習も、先生に見てもらい、適切なアドバイスを受ける。微調整する。またアドバイスを受ける。微調整する。その繰り返しのサイクルが上達につながります。学校の先生や帰国子女または英語が大得意な友達、もしくはインターネット上の有料・無料のサービスを利用したり、またはスクールに通うのも良いでしょう。誰かにフィードバックを受けるようにしてください。正しい方法で努力すれば、必ず報われます。もしも、もっと詳しい学習計画や方法について知りたいという方がいれば、色んなスクールに問い合わせてみましょう。KEC外語学院も候補の中に入れておいてくださると幸いです。

Sample Answer

以下に、TOEFL担当の私が実際に30分ちょうどで書いてみたサンプルをご紹介します。内容はひとまず置いておいて、organizationとstructureに注意を払ってみてください。高校生諸君の参考になれば幸いです。

Do you agree or disagree with the following statement? Playing games teaches us about life. Use specific reasons and details to support your answer.

This is the age where our lives and our society have become quite immersed in games. In this day and age, there are so many different kinds of games: card games, board games, video games, dice games, tabletop games and many more. Some people claim that playing games can teach us about life, whereas other people insist that playing games and living a life are two different things. As far as I am concerned, I am for the opinion that playing games teaches us about life. In the following paragraphs, I will offer three reasons as to why I believe so.

Firstly, games can teach us about life because when we play games, we are almost always required to exert our brains. Life is all about pursuing one’s potential to the fullest. To that end, you have to think very deeply. In order to be able to think deeply, games are useful. Playing games will help you develop logical thinking. For example, when we play a board game such as shogi, we have to think at least three moves ahead. You have to think about where to move what piece. You also have to anticipate where your opponent is going to put what piece. Taking the opponents’ move into account, you have to prepare your next move. Board games like shogi, go and chess urge us to think about ourselves and think about our opponents. This type of game helps us learn to think more about what will happen because of the move you made. This attitude is a valuable asset in life, because the more you think, the better you will live your life. Therefore, one can confidently assume that playing games can teach us about life.

Secondly, playing games will teach us about life because playing games will teach us how important it is to abide by rules. There are no games that have no rules. Every game has its own rules. As a result of any game, there are winners and losers; as there are in life. However, life is not all about winning and losing. It is about integrity and propriety. By playing games, we can learn that following rules is more important than being obsessed with winning. For example, shogi has several strict rules to adhere to. If you broke one of these rules by, say, doing two pawns, you would be able to win the game with much ease. However, it is completely pointless to violate the rule just to win. The same thing can be said about life. If you were a certified public accountant and made a huge amount of money by, say, committing insider trading, that would mean nothing. In life, there are successes and failures, and pretty often in life, success is measured by how much money you make. However, if you break a rule, there is no succeeding. Games can teach us this lesson. Following the rules is one of the most important things in either life or a game. Hence, I say playing games can teach us about life.

Thirdly, playing games teaches us about life because every game gives a player a goal to achieve. In the case of shogi, its goal is to checkmate the King piece of your opponent before he/she gets yours. This goal of shogi is nearly identical to that of chess, since these two board games appear to share the same roots. Their origins aside, every game has a goal. In contrast, it is not always easy to find your goal in life, because life is not a game. However, I do want to emphasize that the purpose of life is to find a goal, and that playing games will certainly help you understand that there is a goal to achieve in your life. The former Apple CEO Steve Jobs said, “The only way to do great work is to love what you do.” Different people have different opinions about what he actually meant to say when he made this remark, but I understand that he meant enjoy when he said love. You can enjoy a game because you know what to do in a game. If you know there is a goal to achieve in your life, that will make your life brighter and more meaningful. Thus, it is not an overstatement to say that games can teach us a lot about life.

There are many pros and cons to games. However, I firmly believe that playing games has far more advantages than disadvantages. For the reasons I have given in the last three paragraphs, I believe that playing games teaches us about life.

自画自賛するようですが、これでおそらく15点満点の14点または満点でしょう。1点マイナスされる要素は、言葉と主張の冗長性でしょうか。このあたりをe-raterはrepetitiveと判断するのかどうか。また人間の採点官が、主張を繰り返していて力強いと見るのか、表現を若干変えてはいるものの、字数稼ぎであると見なすのか。これは判断が難しいところです。ただし、肝心なのは具体性を担保する部分です。それら、ボディの部分に共通する構造が見えてきたでしょうか。

まずは、自分の主張をする

その理由をbecause以下で述べる

その理由を補強するような例を挙げる

Therefore, Thus, Henceのような接続詞を使って、自分の主張をパラフレーズする

これがボディのパラグラフの基本的構造です。この型に習熟することが最優先課題です。それができるようになれば、どのような例示をするのか。そのためには、どのような思考回路を持つべきなのか。どのように思考回路を鍛えるべきなのか。そうしたことを考えるという次の段階に進むことができます。

この記事の筆者

金子 燦之Akiyuki Kaneko

[TOEFL iBT 104点, TOEIC 935点, 英検1級] 国際基督教大学教養学部人文科学科卒業。専攻は宗教学・東洋思想史。大学では4年間をキャンパス内にある寮で暮らし、多くの外国人留学生や帰国子女と交流した。東京の信販会社で海外業務を担当し、海外の関連会社との交渉・折衝・調整などの業務に従事。趣味は音楽鑑賞と映画鑑賞で、ロッド・スチュワートの歌なら全曲歌うことが可能。最近ではTaylor Swiftも好んで聴く。英語の映画の長セリフや英語の歌詞をListeningだけで全て暗記できるという特技を持つ。 カジュアルな表現だけではなくビジネス・アカデミック英語にも通じており、入門から中級レベル、TOEFL iBT講座まで幅広く担当している。

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