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JyoVo: 基本接頭辞フル活用 第2段

こんにちは、語源・街のお医者さん、水守勤三です。暑い!暑い、暑いですね、みなさんお元気ですか。英語ニュースで、”scorching hot=焦げるように暑いという言葉が耳に入ってきます。”scorching=表面を焼くの語源が気になり辞書を調べてみました。語源のところに、「多分、to be shriveled だろう」という主旨の説明がありました。”shrivel=しぼませるの説明に”wrinkle=しわが寄るが出てきて、初めてほっとしました。”shrivel=しぼませるを覚えるはずがない、と思う人は多いのですが、意外と残るものだったりして

では、今回のテーマ「基本接頭辞フル活用」第2段をふたつのペアでやってみましょう。

語源を学んで英会話力向上

の前」のpre-と「を前に」のpro-

よく似ていますから、意味も似ていますが、比較すると違いが見えてきます。まずは、英語にしてみましょう。

Aグループ:準備する、より好む、予言する、前置詞、序文、先入観、前提、妊娠
Bグループ:約束する、提案する、生産する、進歩、計画、発音する、見込み、手続き、

それぞれ8語ずつ出してみました。これだけ並べてみると、pre-pro-の違いがはっきりしてきます。Aグループの語はすべて「の前」という感じがあり、Bグループには「を前に」があります。先頭の単語、「準備する」と「約束」で見てみましょう。「準備する」は「パーティーの前に準備する」、「約束する」は「これから先(前方)すると約束する」になります。英和辞典がこんな時は有効です。Oxford Dictionary of Englishを参照してみましょう。

pre- : before (in time, place, order, degree, or importance)
pro- : donating motion forwards, out, or away

シンプルにまとめると、「pre-は何かのbefore」・「pro-は何かをforwards()」となります。

Aグループ:prepare, prefer, predict, preposition, preface, prejudice, premise, pregnant
Bグループ:promise, propose, produce, progress, project, pronounce, prospect, procedure

語幹 mise=送る・投げる が、premise, promiseと両方に出てきています。promise が中学1年生の単語で、premise難しい単語になる必要はないのではないでしょうか。

また、pro-には、この他に「の代わり、に賛成の、の前」などの意味もありますので、「を前に」が安定させながら、意味を拡げていきましょう。

com-とsyn- は共に「共に」

Aグループ:仲間、つなぐ、構成、同僚、混雑、偶然
Bグループ:象徴、制度、共感、交響曲、症状、同時に起こる

Aグループ:company, connect, composition, colleague, congestion, coincidence
Bグループ:symbol, system, sympathy, symphony, symptom, synchronize

com-には、completeの時に感じる「完全に」という意味もあります。「共に」の意味がしっくりとこない時はこちらで試してみましょう。

ところで、同じ意味なのにふたつの接頭辞が存在するのはなぜでしょう。気になり始めると、眠れなくなりますよ。このふたつについては、com-がラテン語系、syn-がギリシア語系とかなりはっきりしていますが、分かりにくいものもあります。個人的には「離れて」を意味する接頭辞が多いことに興味があります。やはり言葉は感情から生まれるものなのでしょうか。

語源愛が尽きないのは、知識が広がる楽しさとともに、言葉を生み出してきた祖先の生活を感じるからかも知れません。次回ももう少し接頭辞を取り上げてみようと思います。お楽しみに。

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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