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TOEFL iBT対策と息抜きを兼ねて映画はいかが?
- 2018年05月03日
- TOEFL iBT® TEST,京都校,梅田本校
今回は、一風変わったTOEFL iBT対策をお伝えしていきたいと思います。皆さんは勉強をするときは机に向かうことが多いと思います。また現代らしく、PCに向かう人も多いでしょうし、電車内でリスニングに励む人もいることでしょう。それらの勉強=テスト対策には、もちろん意味はあります。しかし、今回はいくつかの映画を紹介し、それらを使ってTOEFL iBT対策ができるということを解説していきたいと思います。
『ラスト・オブ・モヒカン』
原題は ” The Last of the Mohicans” 。モヒカンと聞けば、あの髪型だな、とたいていの人が思い浮かべられるでしょう。まさにその部族です。ストーリーは『ポカホンタス』や『マグニフィセント・セブン』を思わせるところがあります。この映画ではモヒカン族というネイティブアメリカンの部族の人間と、アメリカを植民地としてもっと開拓したいという思惑を持つイギリス軍、フランス軍の軍人たちとの交流と離反の物語です。当時のアメリカの大地のイメージやネイティブアメリカンの生活、そしてヨーロッパ列強が新世界を征服していく過程を実感させてくれる映画です。ネイティブアメリカンや植民の歴史というのはReadingパートやListeningパートの講義などで結構な頻度で扱われてきました(最近はヨーロッパ史が増えてきているようです)。単純に文字からだけ知識、情報を得るのではなく、映像という媒体からも学ぶべきです。
また原作者のジェームズ・フェニモア・クーパーも、かなり有名な文学者、小説家です。アメリカ人の同僚数名に尋ねたことがありますが「名前は知っている」「The Last of the Mohicansは有名だ、自分は読んでいないけれど」という反応が多かったです。クーパーの作品の特徴を一言で言い表すなら『自然と文明との対立』です。自然と調和して生きてきたネイティブアメリカンとヨーロッパ列強の文明的生活の対立の構図とも言えるでしょう。実はTOEFL iBTのパッセージやレクチャーに共通して見られるテーマまさにこれなのです。特に美術・芸術関連のトピックで多いのですが、それはまた別の機会にものすことにしたいと思います。
『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』
原題は ”Free State of Jones” 。南北戦争時代、北にも南にも属さず、ジョーンズ州に白人と黒人が混成して暮らす、言わば自治州を作ったニュートン・ナイト Newton Knight という男の物語です。南北戦争はある意味で鉄板過ぎるTOEFLネタですが、おそらく日本学習者のほとんどは読むことだけでしか、この歴史的事象については学んでいないのではないかと推測します。黒人奴隷解放に関して今、最も注目を集めている歴史的人物は間違いなくハリエット・タブマンでしょう。彼女については、過去の記事でほんの少し触れていますので、気になる人はリンクをクリックしてください。彼女の逸話で最も有名なのは、沼地や湿原を通って奴隷を連れ出し、なおかつ追手の賞金稼ぎから逃れた、というものでしょう。それがどれほど賢く、勇気のある行動なのかは、よく似たシーンを含むこの映画を観ると分かってきます。
先の文章では、自然 vs 文明という構図について述べましたが、アメリカという近代実験国家の歴史は、対立と融和の繰り返しである、と言えるかもしれません。ネイティブアメリカンと外来移民の対立と融和、北部諸州と南部諸州の対立(経済と奴隷制度)と融和、自然と文明の対立と融和(その一つの結実がヨセミテ国立公園)など、これこそがアメリカ史の通奏低音であると言っても過言ではないでしょう。
余談ですが、同じ黒人と白人の対立と融和の物語として『タイタンズを忘れない(Remember the Titans)』もお勧めです。この映画は、ひょっとすると映画そのものよりもテーマ曲の方が有名かもしれません。バラック・オバマ前アメリカ合衆国大統領が勝利演説を終えた時に流れたBGMで、私は今でもそれを父とテレビで観ていたことを覚えています。The Divided States of Americaなどと揶揄されるアメリカですが、今後はどうなるのでしょうか。
『ザ・ダンサー』
原題は “LA DANSEUSE/THE DANCER” 。ロイ・フラーという女性ダンサーの物語です。アメリカで最も有名なモダンダンサーと言えば、イサドラ・ダンカン、ルース・セント・デニス、マーサ・グラハムですが、彼女らに先行する形でダンスの殻をひとつ破ったのがロイ・フラーです。熱心にTOEFL対策をしている方であれば、Loie FullerというReading PassageをOG 4th Editionで読んだことがあるでしょう。私もレッスンの最中に何度か受講生から「文章は読めるのですが、フラーの踊りが何だったのかよく分かりません」と言われたことがあります。そうした方は是非この映画を観てみましょう。フラーについて学ぶのも意義深いことですが、それ以上に大切なことは、文章を映像に変換する一つの大きなヒントして映画があるのだという気付きも得られます。リーディングやリスニングをしている時には、通常は頭の中で「えーっと、このセンテンスはこんな構造だから~~~」と考えている暇はありません。意味を直接、イメージに変換する力が求められます。TOEFL iBTというテストでハイスコアを求めるのならば尚更です。この映画はかなりの割合がフランス語(原題も英語とフランス語の併記ですね)なので、英語のリスニング演習になるかと言われると微妙なところです。ただ映像の面でも物語の面でも観て損は無いと言える佳作です。
これら以外にも現在制作進行中の『ハリエット』という、まさにハリエット・タブマンの映画もあります。劇場公開スケジュールは未定ですが、おそらく2020年に照準を合わせてくるのでしょう。ハリエット・タブマンは20という数字にすごく縁がある人なのです。興味がある方は調べてみてください。他にも色々な媒体でTOEFL iBT対策が可能です。機会があれば、また色々と紹介をさせて頂きたいと思います。乞うご期待。
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