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TOEFL iBTに必要な背景知識とは?スコアアップを目指す方にお勧めする3つの勉強法をご紹介(リーディング編)

今回のエントリーでは、TOEFL iBTというテストについて、何回かに分けて記事をこちらにあげていく予定です。

本稿では、TOEFL iBTに必要な背景知識やリーディングセクションのスコアアップのための3つの勉強法をご紹介いたします。

TOEFLとは?TOEICや英検1級よりも難しい?

TOEFL iBTというのは難しいテストだ、とよく言われます。では、なにが難しいのか。まずは、用いられる単語が難しいということが指摘できるでしょう。equinox, arid, fungus, alga, geyser, extracurricular, archipelago, peninsula, glacier… これらの単語の全ての意味を知っている、という人は非常に少ないのではないかと思います。TOEICで860点以上のスコア保持者、英検準1級合格者の方でも、TOEFLで出てくる単語というのは難しいという感想を述べる方は少なくありません。(英検1級の単語はネイティブスピーカーにとっても難しいほどの特殊なものなので、今回の記事では触れません)。しかし、TOEFLである程度のスコア、例えば72点以上を目指すのであれば、上で挙げた単語は全て知っておいてほしいと考えています。なぜなら、それがTOEFLでよく出てくる単語だからです。では、なぜこうした単語がTOEFLでよく出てくるのでしょうか?それは、TOEFLが主に学生を対象に行われるテストだからです。したがって出題される分野も必然的にアカデミックなものが多くなります。ただ、出題される範囲に明らかな偏りというか、傾向があるので、そこに重点的に取り組むことが肝要です。TOEFLでよく出題される分野というのは次の通りです。

TOEFLを受験するなら身に付けておくべき3つの背景知識

アメリカ近現代史の重要事件

これは主に、ヨーロッパ人によるアメリカ大陸発見の歴史、ネイティブアメリカンとの交流と闘争の歴史、アメリカ独立戦争前中後の歴史、南北戦争前中後の歴史、南北戦争後の南部諸州の復興に関する歴史、第一次世界大戦頃までの経済的発展(鉄道の歴史など)や政治的運動(女性の参政権獲得など)が多く出題される傾向にあります。こうした事柄について詳しく知っている必要は全くないのですが、だからといって全く知らなくてもよいわけではありません。上に挙げたよう歴史について、Wikipediaの該当項目を日英両語でざっと目を通しておくことは、TOEFL受験者には必須と言えます。

アメリカ近現代史の重要人物

歴史的事件と同じくらいよく取り上げられるのが、歴史的な重要人物です。特に歴代大統領の中でも、初代のジョージ・ワシントン、第3代トーマス・ジェファーソン(ジェファーソン民主主義)、第4代ジェームズ・マディソン(『権利章典』で特に有名)、第7代アンドリュー・ジャクソン(ジャクソン民主主義、2020年には)、南北戦争で北軍最高司令の第16代エイブラハム・リンカーン、その後の南部再建に大失敗した第18代ユリシーズ・グラントあたりまでが、Reading Passageによく出てきています。

また、2020年には米20ドル札の表面から裏面にアンドリュー・ジャクソンが移動し、代わって南部解放奴隷の闘士、ハリエット・タブマンが20ドル札の顔になることが決まっています。このハリエット・タブマンと最後まで争った候補者として、女性パイロットのアメリア・エアハート、公民権運動の母ローザ・パークスでした。彼女らもTOEFLではしばしば取り上げられる重要人物です。

生物学・地学・気象学・天文学

その他、理系分野からは、生物学、地学、気象学、天文学がしばしば取り上げられます。特に、生物学からは恐竜や微生物、植物がトピックとして現れることが多いという印象を持っています。魚類とクジラ目の違い、ミクロの世界における動物と植物の違い(または違いの無さ)などがしばしば取り上げられています。

また地学では火山活動や大陸移動、地震などの日本にもなじみの深い現象が多く、背景知識を持っていることが英文の理解度にそのままつながると言えます。気象学とは嵐の発生メカニズムが説かれることが多いです。『オズの魔法使い』のドロシーは、Windy Cityのカンザスの少女であると知れば、この分野にも興味が湧いてくるのではないでしょうか。

天文学では、最も身近な天体である月、そして太陽が頻出です。最近では土星の衛星エンケラドスや、ついに探査機が到達した元惑星の冥王星などがホット・トピックになりそうです。

TOEFLで求められるリーディング力とは?

単語力を身に付けよ

TOEFLに適した単語力をつけるには、専門の単語帳を使うことが最も近道です。よく勧められるのが『TOEFLテスト 英単語3800』です。この本の利点は3つあります。

1つは、単語のランク分けがなされていることです。Rank 1は61点前後を目指す人向け、Rank 2では80点前後、Rank 3は100点前後、Rank 4では105点超を目指す人向け、という具合です。リーディング問題では、Passage1つにつき、2問程度のボキャブラリー問題があります。これは、TOEFLの中では比較的難易度が低い設問ですので、語彙力を強化することが、そのまま貴重な得点源となります。

もう1つは音声CDが付属しているということです。英単語は、意味を覚えて終わり、というものではなく、その発音まで理解、実践できるようになって、初めて覚えたと言えます。TOEFLにはリーディング、リスニングというパッシブなセクションだけではなく、スピーキング、ライティングというアクティブなセクションがあります。これらは採点基準にLanguage Use(適切な文法と語彙を使えていること)が明記されています。リーディングで使われる単語や表現を、自分でも使えるようになることが究極のボキャビルと言えるでしょう。

パラグラフリーディングを実践せよ

TOEFLのリーディングのPassageは多くの場合3つで、一つのPassageは約700文字で構成されています。この文章の引用本はアメリカの大学で使われている教科書であることがETSによって明言されています。教科書に掲載されている文章であるということは、論理的な構成になっているということを意味します。論理的な構成というのは、パラグラフ単位で筆者による主張がなされているということです。

多くの方がパラグラフリーディングという言葉を聞いたことがあると思います。これはアカデミックな文章をものす際の基本的なルールに基づいた読み方のことです。このパラグラフリーディングができるかどうかで、読む効率が格段に変わります。KEC外語学院で指導している具体的な方法としては以下のものがあります。

タイトルを常に意識せよ

1つには、Passageのタイトルを常に意識するということです。タイトルは、ある意味で文章全体の究極のサマリーかつキーワードであると言えます。文章を読み進めていくうちに、細かな部分に目が行ってしまい、全体的な主張をとらえ損ねてしまう方が多いのですが、それを防ぐ第一歩として、タイトルを常に意識するということが指摘できます。

抽象論から具体例へ

 もう1つは、アカデミックな文章は、 抽象 → 具体 という構造を持つということを意識するということです。抽象とは、著者の主張する事柄、具体とは、著者の主張を支持する具体的な例のことです。例えば、『鉄道は優れた交通手段である』という主張があるとします。この論を補強するために、「鉄道は、車よりも大量輸送が可能である」「鉄道は、飛行機や船よりも安全である」などの例が挙げられていきます。著者の言いたいことは、『鉄道は優れた交通手段である』ということで、鉄道が大量輸送の面で車よりも適しているということや、鉄道の安全性ではないということです。TOEFLのリーディングでは、パラグラフのmain ideaを問われることが圧倒的に多く、細かな具体例を把握しなければ解くことが出来ない問題は、ごく少数です。

切り捨てられる部分は切り捨てよ

 最後の1つは、心構えというよりもテクニックに属するものです。それは、逆接に注意を払うということ、そして多くの場合において数字や固有名詞にはそこまでの注意は払わない、ということです。

 逆接とは、butやhoweverやalthoughなど、意味を反転させつつ、2つの節(主語と動詞の組み合わせ)をつなげるものです。逆接の表現が目に入ったら、チャンスと思ってください。なぜなら、そこが往々にして著者の主張に直結するからです。これも例を挙げて見ていきましょう。『お金は大切である。しかし、友情はもっと大切である。』ここでは、はっきりと著者の主張は、“しかし”以降にあることが分かります。実際のTOEFLのPassageでも、同様の構造・表現を数多く目にすることができます。

もう1つの数字や固有名詞に注意を払わないというテクニックには、少し注意が必要です。なぜならその数字が、文章中に複数回使われている、または固有名詞がタイトルに含まれている、もしくは各パラグラフで言及されているような場合には、それがキーワードである可能性が高いからです。このあたりは実際の演習を通じて、効果を実感して頂ければと思っています。また、この読み方を身に付けることで、多くの人が難渋するいわゆるサマリー問題に費やす時間が驚く減らせることを実感頂けると思います。サマリー問題の詳しい解法は講座にて案内をしております。サマリー問題は通常は2点、時には3点、4点が割り振られることもある重要な得点源です。難しい設問ではありますが、これを攻略できるようになればスコアアップに大いに寄与します。

 以上、大まかにですがTOEFLのリーディングについてつらつらと書いてみました。スコアアップの参考になれば幸いです。次回はTOEFL iBTのリスニングセクションに関する記事を投稿する予定です。乞うご期待。

KEC外語学院では目標達成コミット型のTOEFL iBT® TEST講座がございます。ご興味ある方はこちら。

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語源で単語のイメージを形成

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この記事の筆者

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