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JyoVo:基本接頭辞をフル活用③

こんにちは、語源・街のお医者さん、水守勤三です。ニュースで「一年間分の降水量」というような言葉が何度も流れました。被害に遭われた皆様に、一日も早く日常が戻ってきますことをお祈り致します。

英語の接頭語をフル活用

降水量と断崖絶壁

ニュースでは、precipitation という語が流れます。「降水量」です。語源の欄に、precipice =「断崖絶壁」が登場してきました。前回取り上げました「基本接頭辞」 pre- で「の前」です。cip cap も仲間に持つ語幹で head を意味します。飛び込みの競技などを見ていると、踏み台(=断崖)から水に飛び込む時は、「頭が(落ちていく進行方向に向けて)(=下)」を向いているのではないでしょうか。ネットで「raining cats and dogs 絵」と検索してみてください。動物の頭が下を向いていると、描いた人が、precipice precipitation の関係を知っていることを示していることになります。

さて、今回のテーマに進んでみましょう。

上と下= super-sub-

スーパーマーケットは「すごいマーケット」、サブウェイは「地下に潜った道」。なんとなくその意味をイメージできる接頭辞です。super- は「上・超・過度・優れた」 sub- は逆で「下・副・従・少ない」というイメージです。super- sur- という形も持っています。では、次の語を英語にしてみてください。

Aグループ:超人、超自然の、より優れた、監督する、迷信、生き残る、驚かせる
Bグループ:郊外;科目(・被験者)、成功する;支える;維持する;サブスク、助成金

sub- はセットになる語幹の先頭の音に合わせて柔軟に変化しています。そのため、基が sub- だということに気付きにくくなります。気付けない自分を責める人が多いのですが「気付けなくて普通」です。何となく語源を感じたら辞書を引いいてください。必ず、教えてくれます。では、英単語へ。

Aグループ:superman, supernatural, superior, supervise, superstition, survive, surprise
Bグループ:suburb, subject, succeed, support, sustain, subscription, subsidy

接頭辞を安定させて語幹へ

接頭辞に慣れてくると、徐々に語幹にも関心を寄せていきましょう。「survive = (苦難などを越えて)生き残る・他の人よりも長生きする」ですから、自然に「vive = 生きる」が見えてきます。電子辞書で「~vive」とやってみると、お馴染みのrevival の動詞 revive が目に入ってきます。また、「convive = 宴会仲間」などという「生きる」と関係があるのかと思いたくなるような語も出てきます。「人と一緒に食事をすると生きる力が湧いてくる」というような感じで、しっかりと「生きる」と関係しているようです。よく出てくる語幹に限定すれば、数は限定(100個前後)されます。是非、楽しみながら増やしていきましょう。

目的は「語源を活用する」こと

「語源を見抜く」ことが目的ではありません。「語源を活用して、語彙を拡げ、結果として安定する」ことが目的です。覚えられないと落ち込んだり迷ったりせずに、どんどん辞書を引いて、また、語源関係の本などを読んで、前進していきましょう。

次回以降ももう少し接頭辞を追いかけます。お楽しみに。

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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