こんにちは、語源・街のお医者さん、水守勤三です。今年も語源の魅力を発信していきます。宜しくお願い致します。このブログの達成イメージは「語源が掛け算の九九のようになる」です。掛け算の九九が言えることを自慢するのは小学生低学年くらいで、普通は自慢の対象ではありません。それと同じように、英語学習者が普通に語源を使っている状態、それがこのブログの目指すところです。是非是非、お付き合いください。

美味しいところだけ！

では早速、問題から。次の語をそれぞれ英語にしてみてください。ひとつでも十分に合格というレベルの単語です。安心して取り組んでみてください。

局面・縁起のよい・はっきり見える・軽蔑する・スパイ活動

早速ですが、答えをご紹介します。
aspect, auspicious, conspicuous, despise, espionage
最後の スパイ活動 は、「アリス・エスピオナージ」で検索をしてみてください。YouTubeで曲が紹介されます。私もこの曲に熱中した一人です。話が逸れました。基に戻します。

５つの単語は、Online Etymology Dictionary というサイトで、respect を引き、そこで紹介されている語幹 spek の前から順に出したものです。どの単語にも sp の綴りがいます。スパイ活動の基、スパイ も英語にすると spy と sp が登場します。普通は気付きませんが、手順を踏んで紹介されると頷ける部分があります。語源を進めていく際は「美味しいところだけ」という発想で十分です。
「そう言われると、どれにも sp が含まれているな」それくらいの感覚で行きましょう。

語幹 sp：見る(to look)

実はこの sp が、spect を代表的な綴りとして、spi, spe, sco などに形を変え、語幹として「見る」という意味を持っています。もちろん接頭辞や接尾辞の知識もあるに越したことはありませんが、一見、何の共通性もない「局面・縁起のよい・はっきり見える・軽蔑する・スパイ活動」という語を英語にした時、この「見る・見える」が共通していることが分かると、英単語に心が通うような気がします。

では、この感覚を、今度は英検準１級くらいまでの範囲に限定して、チャレンジして頂きます。次の語をそれぞれ英語にしてみてください。

特別な・光景・種(しゅ)・期待する・検査する・見込み・見本・望遠鏡

答えは、今回のブログの最後にご紹介をします。語幹 sp は色々な形に変化しますが「go と went　は似ていないよな」くらいの感じで乗り越えていきましょう。

“語源かるた”登場！

書店の語源コーナーをよくチェックをします。今年も本が増えていました。明らかに、語源には関心が集まっています。それぞれがパーツ(接頭辞・語幹・接尾辞)の意味を紹介し、そのグループに属する単語を上げていきますが、ただどの本にも「どうやってパーツの意味を覚えるか」については語られていないと感じます。そこで、“語源かるた”を思いつきました。

振り返り、見てしまうほど、リスペクト

respect(尊敬する)は、接頭辞 re- と語幹 spect で出来ています。接頭辞 re- の「後ろを」の意味を「振り返り」にして、語幹 spect の「見る」を合わせて、最後に英単語をカタカナにしてみました。

俳句と呼ぶにはルールを無視し過ぎていますので、“かるた”と呼んでみました。これからも“かるた”とともに、単語の中にある材料をご説明していこうと思います。手帳のどこか1ページに“かるた”コーナーを作って頂き、繰り返し見て頂ければ幸いです。では、また来月、お会いしましょう。

単語の答え：special, spectacle, species, expect, inspect, prospect, specimien, telescope

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