KEC外語学院ブログBlog
英会話スクールの講師が実践している勉強法を紹介します 其の壱
今回は、やはり趣向を変えまして、英会話スクールの講師がどのような勉強法を実践しているのか、その一端を開陳してみたいと思います。参考に出来る部分もあるでしょうし、とてもそこまでは実践できないという部分もあるでしょう。ただ、今回の記事の一番の趣旨は、講師は決して先導者ではなく、伴走者であるということを知って頂きたいということです。なにもかも講師の言う通りにする=講師の後を追いかけていく必要などはありません。講師も講師で走っているということです。興味があれば同じように走ってみてください。興味が持てなかったということであれば、別の勉強法を模索してみてください。まずはリスニングからお話ししましょう。
日々のルーティンに組み込んでいる勉強法
私が日々の勉強法に組み込んでいるのは、第一にリスニングです。理由は簡単で、それが最もマテリアルとして持ち運びやすいからです。私もサラリーマンの端くれです。サラリーマンと言えば通勤、通勤と言えば電車でしょう。通勤と退勤で30分ずつ電車に乗るとなると、1日に1時間、ひと月に22日出勤したとすると、22時間/月、実際は長期の休暇や祝祭日もあるでしょうから、これを20時間/月と丸めれば、240時間/年となります。私は大阪に出勤する時は片道13分、京都に出勤する時は片道60分がおよその乗車時間なので、年間のリスニング時間on the trainは概算で200時間ぐらいでしょうか。
私がリスニングしている素材は、
1.TOEFL iBTのアカデミック・レクチャー
2.TEDTalks
3.お気に入りの洋楽ナンバー
4.お気に入りの映画やドラマの台詞
5.仕事で使う教材
がメインでしょうか(順番に深い意味はありません)。2.3.4.がリスニング勉強に占める割合が多いかなあという感じです。
TEDTalksでは
Laura Vanderkam氏による“How to gain control of your free time”
Josh Kaufman氏による“The first 20 hours - how to learn anything”
Marianna Pascal氏による“Learning a language? Speak it like you’re playing a video game”
を繰り返し繰り返し聞いています。スクリプトは見ませんし、作りませんし、持ち歩きません。分かるまで聴きます。30回聞いても分からなければ、字幕生成をして確認します。字幕を見て、発話の内容に確信が持てたら、また聞きます。やはり30回は聞きます。もう飽きたというぐらい聞いたら、また新しいマテリアルを探し始めるというところでしょうか。
よくリスニングの教材をコロコロ変える人がいますが、それはお勧めできません。また、教材の音声を何回聞き込めばいいですか?と尋ねる方もおられますが、回数の問題ではありません。飽きるまで、です。30回で飽きる人もいれば、100回聞いても飽きない人もいるでしょう。リスニング力を向上させるためには、すでに意味や内容、語句を聞き取れているものを、繰り返し飽きるまで聴くことです。ピアノやギターで何かのメロディを弾けるようになったら、どうしますか?そこから更なる反復練習あるのみです。リスニングも同じで、「分かった!」、「できた!」と感じたところがスタートラインです。私は今日も上のいずれかを聴いています。
他にも最近ハマっているのは、アメリカのテレビドラマ『ニュースルーム』のシーズン1のエピソード1の冒頭の主人公の長広舌、
“Why America is not the greatest country in the world anymore”
です。前半はほぼ暗唱できるようになりましたが、後半の順位の部分にもっと練習が必要です。けれど、2018年のうちにはマスターして、スクリプトなしで、実際のジェフ・ダニエルズと同じスピードとテンポで言えるようになりたいと思います。
週末や休日に組み込んでいる勉強法
休日は自分の趣味に没頭したいので、仕事絡みのリスニングはしません。けれど、英語のリスニングは欠かしません。面白い映画を観たら、その映画のトレーラーや名場面をYouTubeで探して、それらを延々と聴くようにしています。最近では、レンタルで借りてきた『はじまりの歌』の“Lost Stars”と“Like a fool”の2曲を歌詞を見ずに歌えるようになりました。しかし、これはかなり特殊なケースです。普通は2時間の映画を観たら、印象に残る台詞を2つか3つ、ピックアウトして覚えておこうと思うぐらいです。最近では『クレイジー・リッチ!』(原題は”Crazy Rich Asians”)の、But she came around obviously.が印象的でした。ここでのcome aroundは「考えを改める、機嫌を直す」というような意味なのですが、会話の中でさらりと使われたことで、自分の頭の中にあった知識が、より一層強固なものになったよう感じました。
大雑把にまとめましょう。平日はインプットを中心に、休日・週末は自分にインプットされたものの確認作業に使うという感じでしょうか。私は自他共に認めるシネフィルです。年間80~100本ぐらいの映画を劇場鑑賞しています。ケーブルテレビやレンタルも含めれば年間150~200本ぐらいでしょうか。そのうち、英語のコンテンツは6割ぐらいでしょうか。仮に映画が一本2時間とすれば年間に200×0.6=120本鑑賞で240時間のリスニングとなります。通勤時間中のリスニングと併せれば、年間440時間のリスニングです。こうした生活をして、今は5年ほどです。それでもリスニングは相当に難しいです。リスニングが難しいというよりもリスニングの勉強には終わりがないということを実感するばかりである、と言った方が正確かもしれません。例えば、私はボクシングの英語実況なら90%は一発で理解できます。しかし、野球になると60%ほどですし、テニスだと50%ほどに数字は落ちます。TOEFL iBTのリスニングもアメリカ史や文学、芸術系の講義は85%以上は初回で理解できているつもりですが、一部の生物学のレクチャーなどは言葉は分かっても意味はさっぱり分からないというものも少なくありません。俳優でも、ニコラス・ケイジやジェシカ・チャステインの英語はほとんど分かるのですが、サミュエル・L・ジャクソンやアル・パチーノ、ジョニー・デップになると途端に何を言っているのか分からなくなります。
継続は力なり
皆さんもリスニングで苦労することが多いでしょう。よくネットの広告で「TOEIC満点でも映画は聞けない」と言われますが、それは本当だと思います。逆にTOEICのリスニングパートで450点以上取れるようになったところがスタートラインとさえ言えるかもしれません。英会話スクールの講師のような勉強はできないし、そこまでの時間の確保は出来ないという声も当然に出てくると思います。しかし大切なのは、努力を続けることです。このリスニング教材を100回聞き込めば映画やドラマも字幕無しで楽しめますよ、という触れ込みのCDがあれば、何人かの人は買ってしまうかもしれません。しかしそれは、この売り場の宝くじを買えば1億円当たりますよ、という触れ込みを信じるようなものです。だからといって買うなというわけではありません。買わないことには宝くじは絶対当選しません。同じく、リスニングも続けないことには絶対に成果は出ません。それは500時間かかるかもしれませんし、200時間かもしれませんし、4000時間かもしれません。大切なのは結果を出せるまで継続すること。そして努力を継続するためには誰かと一緒に走ることです。苦しくなった時には教室で先生に尋ねてみてください、「先生はどんな勉強をしているんですか?」と。きっと熱心に勉強法をシェアしてくれると思います。
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