KEC外語学院ブログBlog
英会話力を伸ばすための単語の覚え方
久しぶりの更新となってしまいました。
Dr. K です( ← 誰やねん、という感じですね)。
中学レベルの英単語で英会話力UP!
前回の記事では「英会話が伸びる方は単語単位で語彙を知らなくても説明したり言い換えたりすることで表現を試みる」と書きました(書いたんです)。
例えば(富士山で)「何合目まで車で行きましたか?」と聞きたければ、How close did you get to the top by car?(頂上までどのくらい近づきましたか)と聞けば、意図が伝えられます。
※一例として、5合目=5th station というように表現するようです。
では、こうした「適切な英単語が見つからない場合の対処」は一体どう練習すればできるのでしょうか。
巷では「中学英語で会話ができる」といった類の書籍が溢れていますので、シンプルな英語で大丈夫、という事実自体は伝わっていると思いますが、正確には
①「中学英語に“習熟すれば”会話ができる」と言った方がよいでしょう。
中学英語の文法、単語を知っているからと言って即会話ができないことは、中学生の頃を思い出してみれば分かります。そこで大事になってくるのは「中学レベルの例文をたくさん暗唱、音読し、自分の言葉として使えるまで練習する」ということです。
例えば WHを使った疑問文に本当に「習熟」している人であれば、「今、最も緊急度の高い仕事は何ですか?」=What do we have to do first?などと即座に表現できます。
これはいかに知識を知っているか、ではなくどれだけ知識が血肉化しているか、ということです。
また、いわゆる伝統的な「単語帳」を使っていてもなかなか話せるようにならないのは、こうした「言い換えのスキル」を考慮に入れていないからです。
例えば、「優先事項」= priorityと、日本語と英語を1:1の対訳で学び続けていると「今、最も緊急度の高い仕事は何ですか?」と聞かれても、どう priority を使いこなしてよいのか分からず表現ができない、ということも考えられます。
priority を知っているがために逆に何も言えなくなってしまう、ということがよくあります。実は「What do we have to do first?」と言えばしっかりとコミュニケーションが取れるんですが。
優先度=priorityでしか表現できない、という思い込みがついてしまうのが怖いのです。
もちろん、単語帳自体は英語力を高めるのに非常に有効で特に読む・聴く力を伸ばしていく上では欠かせないものです。(プラス、資格試験対策としては必須)
逆に会話のことばかりを意識して単語帳を敬遠していると理解力が育たず(=一例としてリスニングで相手の言っていることが分からず)、会話にとってもマイナスとなり得ます。
そこで「会話の為に英単語帳を覚える」場合は、
②「コロケーションで学ぶ」方法も考えられます。※コロケーション=単語と単語の自然な結びつき
priority = 優先順位、ではなく、give priority to something=何かを優先させる、とgiveとの組み合わせで覚えるのです。
こうすれば、実際の会話の中でWe should give priority to the problem.(その問題を優先すべきです)と使える形でアウトプットができます。
もう一例挙げると、誰もが知っている advice(アドバイス)という単語も実際の会話で、
1.彼にアドバイスを求めたい
2.上司のアドバイスに従った
3.あの人のアドバイスに耳を傾けていればなぁ
と言いたかったら、瞬時に出てきますか?
もし出てこないのであれば「忠告=advice」と1:1で覚えていても会話対策としては不十分ということになります。そこで、
1. ask (for) someone’s advice:アドバイスを求める
2.follow someone’s advice:アドバイスに従う
3. listen to someone’s advice:アドバイスに耳を傾ける
とセットで覚えておきます。あとは、中学文法との組み合わせで・・・
Did you follow his advice?
I don’t want to ask his advice.
You should listen to her advice.
などと口頭で活用していきます。(この口頭活用の際に、日頃のKECテキスト例文暗唱が活きてきます)
今日の内容をまとめると、柔軟な英会話力を伸ばすためには
1.シンプルな英語を本当に習熟するまで練習する
2.インプット用の単語帳(ex. リーディング・リスニングにおける理解力を高めるもの資格対策用のものなど)とアウトプット用の単語帳(ex. 特にコロケーション)の使い分けが一案です。
言い換えのセンス自体はたくさんの英語に触れていく中で、あるいは会話の経験を積む中で発想の幅を広げていくしかありません。ただしこうした発想は、すぐに身に付くものではありませんし、個人差もあります。
そこで、堅実にコロケーションを覚えていくというのが地道ですが確実な方法の一つとして勧められます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
話はそれますが、ECOP【KECのオリジナルテキスト】で言えば、1~83(疑問詞を使った疑問文)までだけでも完璧に言うことができれば、後は多少のリスニングスキルがあれば、海外旅行も日常会話も楽しめます。(もちろん、基本的には相手に尋ねるという表現が中心となりますが)
アメリカのどこへ旅行したのですか?
前回いつ海外旅行へ行きましたか?
いつまでにこの報告書を提出しなければなりませんか?
こうした表現が「日本語を見た瞬間に」パッと英語表現として出てくれば、しめたものです。
よく「あなたのテキストにこんな表現が乗っていたら注意」などと『例文の自然さ』を売りにしているテキストがありますが、実際のところは上述したような教科書的な、つまりオーソドック英文を使いこなすことの方がよっぽど大事です。
Dr. K
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