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Enjoyボキャビル:ハイ・クオリティなチョコレート!

語源・町のお医者さん・水守勤三です。New Year’s Resolutionに、資格試験での目標設定をされた方も多いことと思います。語彙力増強をお考えの方々の応援を目的に、100回を目安に20151月にスタートしたこのブログも残すところ10回となりました。更に工夫していこうと思います。ご愛読頂けますと幸いです。

場所まで覚えているのに意味が残らない

さて、自分の受験生時代の思い出のひとつに「覚えきれない似た単語」があります。quality – quantity, affect – effect, contract – contrast などなど。最後の頃には、単語帳のどの場所にどちらが出ているのかまで覚えているのに、「肝心の意味の違いが覚えられない単語」です。

コロケーションの活用

quality – quantity 問題は、今で言うコロケーションで解決しました。その当時、テレビに流れていたコマーシャルです。「ハイクオリティなクラウンチョコレート⇒クラウンチョコレートは高い⇒品質が良い⇒質!」を単語が出てくる度に念じていました。

もし語源の知識がその当時にあれば、「qu-関係は“お尋ね”系」くらいにして処理をしていたでしょう。今なら、question, query, quota などもセットにしてしまいます。

似た単語は語源で処理

affect – effect組は、「do, make = fect」をベースにして、ad- + fect = affect, ex- + fect = effect とし「出てくるのが効果・結果」とイメージで覚えることができます。

contract – contrast は、contract = con- + tract(引っ張る⇒一緒に引っ張り合う⇒契約)contrast = contra-(反対) + st(立つ)で「反対側に立つ=対照をなす」と整理できます。

今、指導する立場で出会う「人気の似た単語」は、adapt – adopt です。私のquality – quantity と同じように、受講生の方の多くも、「適応する・させる」と「採用する」をご存知です。問題は、どっちがどっち?です。

変化形は顔馴染み

電気関係に馴染みのかる方であれば、「アダプター⇒adapt」も良いでしょう。旅行が好きな方でしたら、「オプショナル・ツアー」で「オプション⇒選ぶ⇒adopt⇒採用する」が有効だと思います。

辞書やネットは語源の宝庫

辞書はいつも味方です。またネットで検索すると、語源のサイトがたくさんあります。adoptを引くと、語源の説明にchooseという語を使ってはっきりと説明してくれています。

語源に目を通すひと手間で、単語帳の場所を覚えてしまうくらい繰り返す必要がなくなる、語源は21世紀にふさわしい単語の学習法だと確信します。

ハイクオリティなチョコレート

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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