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JyoVo:2つの最強接頭② de-

語源を学んで英会話力向上

遅めの朝食の後、滅多にしないドライブへ。地元から離れるかというタイミングで、背後に気配を感じました。なんと、ルームミラーに、赤色灯を回すパトカー。「もう少し走ってください。前方に広いところがあります。そこで止めてください」とのご案内。そうです、スピード違反でした。違反切符を切られながら、「罰金は fine。名詞にも動詞にも使える。finishの基で“終わり”の意味。I’m fine. It’s fine, today. fine も同じで“言うことなし(=終わり)” 罰金も“今回の件はこれでおしまいそんな感じやな」などと楽しんでいました。

こんにちは、語源・街のお医者さん、水守勤三です。「罰金」は楽しい言葉ではないですが、待ち合わせに遅れた人が、お茶代を出す、くらいの「罰金」であれば、待たされた人の心のもやもやを終わらせることができていいものかも知れないな、などと思いました。

さて、接頭辞最終回です。今回は、de- を取り上げます。re- com- などに比べて、知名度がほとんどありません。にも関わらず、私が最強接頭辞だと思うものの2つの内のひとつです。ご利益一杯です。お楽しみください。

de-①:離れて(away, away from, off)

早い時期に勉強する単語に decide があります。「決心する」という前向きな単語だからでしょう。ではそこで問題です。decide という単語にこめられた心は何でしょう。

食後の時間をテレビを観て過ごすか勉強するか、魅力的な服を買うかやめるか、などなど、決心を迫られる場面はたくさんあります。多くの場合、Yes No の感情が重なりあっています。それをきっぱりと「切り離す」のが決心かも知れません。

decide = de- + cide = 離す(off, apart) + 切る(to cut)

接頭辞 de- のひとつ目のイメージは「離れて」です。昔の人も迷ったのでしょう。だから「決心」する時には、まず迷いを整理(分離して・切る)して、どちらかを選んだのでしょう。では、「離れて」の意味の単語を並べてみます。意味を言ってみてください。(答えはすべて今回のブログの一番下に表記しました)

deliver, deposit, deceive, depart, detour

どの単語にも、「離れる」意味が含まれているのが感じられます。

de-②:下へ(down)

次の単語の反対語や対になる語を言ってみてください。すべてde- で始めてみましょう。

increase, ascend, construct, promote, pronounce

すべて、「下向き」の意味が含まれています。

de-③:完全に(completely)

一気に行きましょう。次の単語に接頭辞 de- が付いた単語(少し変化もあり)とその意味を言ってみましょう。

clear, serve, monster, fraud, relic

ひとつだけ見ておきましょう。clear(明らかな)に、完全にの意味の de- を付けると、完全に明らかにするとなり、そこから断言するという意味が生まれています。

規制緩和・脱水症・退化も de-

代表的な意味をまとめて、「離れて・下へ・完全に の de-」と覚えてみてください。辞書で de- を引くとたくさんの意味が出てきますが、すべてを覚えようとして挫折するよりも、代表的な意味に絞りはっきりと覚えきってしまうことの方が有効だと思います。この3つへの絞り込みにはかなり時間をかけました。安心して進めてください。また、一見難しそうな日本語が de- に馴染むことによって親近感を持て場合があります。

規制緩和 = deregulation, 脱水症 = dehydration, 退化 = degeneration などはその代表かと思います。

これで“完全におしまい”と“定義する”

楽しいはずの休日が、出だしの罰金で挫かれましたが、罰金とは、「終わりにさせるもの」と定義できることを実感しました。そうです、定義する = define = de- + fine です。罰金だけでなく「定義」も「完全に」+「終わり」だったんですね。

次回は、年末バージョンとして、今年の言葉から語源を楽しんで頂こうと思っています。お楽しみに。

〔問題の答え〕
配達する・預ける・騙す・出発する・迂回する
decrease, descend, destroy, demote, denounce
declare(断言する), deserve(値する), demonstrate(証明する), defraud(だまし取る), derelict(遺棄された)

〔編集後記〕
ブログの更新で少し時間を掛けるのが、導入部分(落語でいうところの枕でしょうか)です。制限速度40キロの道を55キロで捕まり、パトカーの中で拇印を押したりしている時に、今回のブログの枕だけでなく、接頭辞 de- と掛け合わせた落ちまで浮かびました。そのお陰で、今回のブログ更新は瞬く間に終わりました。そんな関係で“編集後記”を入れてみました。また、あの後、アクセルの踏み具合がやや弱くなったように思います。色々な意味で、お巡りさんに感謝しています。ありがとうございました。

本気で英会話を習得したいならKEC外語学院

この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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