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病院で発見した難しい単語をご紹介!難しい単語に出会ったら辞書を引いてみよう!

病院で発見した難しい単語をご紹介!難しい単語に出会ったら辞書を引いてみよう!

語源・町のお医者さん・水守勤三です。暑い日が続いていますが、みなさんお元気ですか。私は先日、目を見てもらうために少し大きい目の病院に行ってきました。検査の部屋に行く前に待機するところがあったので、何となく周りをみていると、“Electroencephalography Section”という文字が飛び込んできました。英語の上には大きめの文字で「脳波検査室」と書いてあるのですが、なんせ単語に興味がある私には自然に英単語の方が先に目に入ってきました。今回は、そんな私の病院での出来事を基に難しい単語についてお話していきます。

「脳波検査室」に「BSE」が蘇る

順番を待ちながら、私の“妄想”はどんどん広がり、「狂牛病」・「BSE」へと広がって行きました。猛威を振るった時期に、“Bovine Spongiform Encephalopathy”=「牛海綿状脳症」を覚えました。「牛」が私たちが馴染んでいる“cow, ox”ではなく“bovine”になる、これは「犬」が専門用語になると“canine”、「猫」が“feline”になったりする現象と同じなので、覚えるしかなし。真ん中の“Spongiform”は逆に「スポンジは海綿か」くらいで終わり。残るは“Encephalopathy”のみ。語尾の“-pathy”は、これまでに取り上げたsympathy, antipathy, empathy, apathyの「感情」の意味と、cardiopathy(心臓病), hepatopathy(肝臓病), myopathy(筋障害)の「病気」の意味を持つ。そうすると残る“encephalo-”の分部が「脳」を表すと当たりを付けた上で、辞書で確認してみると、“encephalo- = en- + cephalic(頭部の) = brain, with the head”であることが分かる。

狂牛病の時に覚えた「エンセファロ」という音が、「脳波検査室」の英語の文字を見ていて蘇ってくる、そんな感じでした。前の“Electro-”の分部は当然「電気」、後ろについている「-graphy」は、photograph, biography, geographyと広がる“書く”の世界。

“Electroencephalography Section” ⇒ 「電気を使って、脳の、絵を描く、区切られた所」

日本語の「脳波検査室」よりも情報量が多いな、となぜか英単語の便利さを感じました。

「眼医者さん」と「眼科医」

興味が湧いて、お世話になる「眼科」を見ると“Ophthalmology”となっていました。

“ophthalmologist”と“eye doctor”は、きっと「眼科医」と「眼医者さん」のような違いなのではないかと素人考えをしていました。“eye doctor”が紹介状を書いてくださって“ophthalmologist”に診て頂いている状態に、守備範囲の違いを感じるとともに、専門用語を身近なものと感じました。

話は変わりますが、先日、秋に開講する英検2級講座に向けて教材を作っていました。その作業の中で、ネイティブスタッフからもらったメールに次のような表現がありました。

Please let me know if there are any discrepancies.

全体的に平易な単語で綴られているメールの中に極自然に“discrepancy”が入っていました。

難しい単語は使わないはもう終わり!「大人の基礎単語」に向き合おう

私たちはどうも「そんな難しい英単語、使わないですよ」と言う癖のようなものがあるように思います。脳波検査を受けたり、眼科医の診断を必要としたり、スタッフとの食い違いがないかを確認することがある社会人が、いつまでも「中学校や高校で学ぶ単語」以外は「難しい単語」と考える矛盾と向き合ってもよいのではないか、と考えます。

一件「難しそう」に見える単語を、ちょっと辞書で引いて語源を見ると、急に「親しみ」を持てる単語になることあります。是非、お試しください。

病院では当然のこととして、病気と闘う同志の方々にお会いします。ご本人、ご家族、大切な方、その他色々な方々が快方に向かうことを心よりお祈り致します。闘うファイトの基として、病院には電子辞書をお持ちください。


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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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