KEC外語学院ブログBlog

基本編シリーズ:よく見かける接頭辞⑦ “syn-“

                  英語の語源をシンフォニーさせる

英語の語源が奏でるシンフォニー

語源・町のお医者さん・水守勤三です。

畑にくっきりと残る亀裂に、活断層なるものが、知識としての存在なのではなく、実在のものであることを感じさせられます。被災されました方々の心に寄り添うことができればと願っています。まだまだ余震が続いているようです。十分にご注意ください。一日も早く、平常が戻ってこられますことをお祈り致しております。

偶然ですが、今日のテーマ接頭辞“syn-”を使った単語には、現状に自然に心に浮かんできている sympathy という言葉があります。“syn-”は3回前に取り上げた“com-”が持つ『共に』という意味を持っています。語幹”pathy”に『感覚・心』という意味があり、正に『心を共にする』⇒『共感・同情』という展開があります。

”syn-“がギリシア系の語に、”com-“がラテン語系の語によく登場してきますが、『意味は同じ!』と考えてください。では、その『共に』を意味する接頭辞”syn-“を発展させていってみましょう。(後ろに、m, p, bが来ると、syn-がsym-に変わります。理由を知りたい方は、唇を動かさずに『パピプペポ』と言ってみてください!)

役立つ接頭辞、syn

まず、次の3つ単語を”考え”みてください ⇒ 反感・感情移入・無関心

*共に=syn-⇒ sympathy
*反対に=anti-⇒antipathy (関西にはアンチ巨人が多い)
*中に=in-⇒  empathy (in-がem-となるのはフランス語の影響)
*~無し=a-⇒ apathy (a-は”without”の意味)

かなりの英語力を持っておられる方でも、sympathyは言えるのに、『感情移入』や『無関心』をすっと言える方はとても少ないように思います。私が『英語学習者が語源をもっと活用すれば楽なのに』と本心で思う理由のひとつがここにあります。

sympathyの形容詞形は、sympatheticです。そこからsym-をとった単語”pathetic”を引いてみると、pathyという語幹が持つニュアンスが入ってきます。『人の心を動かす、哀愁に満ちた』等の意味があります。Oxford Dictionaryには、はっきりと”arousing pity, especially through vulnerability or sadness”と書いています。更に、『学問』を表す接尾辞”-logy”を付けて、”pathology”となると『病理学』と進んでいきます。pathyは古代ギリシャ語のpathosに起源を持つ語で、現代日本語でもパトス、ペーソスなどというふうに使われています。大元の意味には、受難・苦難があります。受難についての学問=病理学、という展開です。

日本語に溶け込んでいるsyn- 

では、今日のテーマ”syn-“に話を戻してみましょう。少し大変かも知れませんが、カタカナの言葉になっているもので、『シン……』で始まる語をいくつか言ってみてください。

シンクロナイズド・スイミング、シンメトリー、シンフォニー、シンセサイザー、シンドローム、シナジー(後ろの音と混ざって”シナ…”)、シンジケート、……

これらの語についても、接頭辞”syn-“を外してみて展開していくと、語彙は『感情を持って』広がっていきます。ひとつだけやってみます。

synchronized swimming ⇒ syn- + chron + -ize + -ed

語幹”chron”は『時間』を表す語幹です。なので、シンクロナイズド・スイミングのポイントは、『時間を一緒にすること』=『動きがそろっている』こと。そのchronに形容詞語尾”-ic”を付けると”chronic”。では、”chronic disease”ってどんな病気?そう『ずっと時間が経過する病気』⇒『慢性病』 名詞語尾で『小さい』を意味する”-cle”を付けると”chronicle”。『長い時間の経過を小さくまとめたもの』=『年代記』となります。

では、最後にsyn-が単語の中に入った例をひとつ。TOEFLやIELTSに登場することが多い”photosynthesis”という単語です。

photo = 光、syn- = 共に、thesis = “置く”の意味 ⇒ “光合成”

如何ですか、”photosynthesis”と“photo-syn-thesis”。どちらが楽しいでしょうか。次回は、これも知名度抜群の接頭辞”international”で有名な”inter-“を見てみましょう。お楽しみに!

関連情報