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基本編シリーズ:よく見かける英語の接頭辞⑩”ob-”

                  オブストラクションにならないよう注意するキャッチャー

語源・町のお医者さん・水守勤三です。

またまた私事からで恐縮です。先日、お風呂でも聴くことができるラジオを買い換えました。休みの日、まだ日の残っている時間から、ゆっくりと風呂に入り、プロ野球の実況中継を聴く。長年続いている私のプチ贅沢です。今年、プロ野球で大きなルール改正がありました。コリジョンルールと呼ばれています。キャッチャーは走者を妨害してはいけないというものです。『妨害』そのものは、英語で『オブストラクション』と呼ばれています。

今日のテーマ・接頭辞”ob-“にこれほど適した単語はないと思います。

『オブストラクション』―接頭辞”ob-“=『ストラクション』

接頭辞ob-

残念ながら、『ストラクション』という英単語はありません。存在している語は、『ストラクチャ』です。綴りはいけるでしょうか。”stracture”と書いてしまわないでしょうか。よく似た材料に”tract”があり、”attraction, contract, tractor”などの語の材料になっています。この語幹”tract”は『引っ張る』という意味で、今日のテーマとは別のものになります。

『ストラクチャ』の正しい綴りは、”structure”で、語幹”struct”は『積み上げる・建てる』という意味を持っています。ここに接頭辞”ob-“の語感を加えると、ものの見事に『走塁妨害』が見えてきます。

昨年までは、3塁にいた走者が本塁に突っ込んで来たら、キャッチャーは走者に『対して、覆いかぶさり』、まるで『ブロックを積み重ねた構造物』のように立ちふさがり重なり合って倒れました。

『対して、覆って(おおって)』= against = 接頭辞”ob-“
『ブロックを積み重ねた構造物』= “structure” =語幹”struct”
⇒ 接頭辞”ob-“ +語幹”struct” = obstruct ⇒ (名) obstruction

接頭辞”ob-“を辞書で引くと、『…に向かって・…に反対して・…を覆って・…完全に・…邪魔をして・…逆に』などの意味が紹介されています。丁寧に語源を学習しようとする人は、これらを全部覚えられるのも悪くはないと思います。初期の段階だ、と思われる方は、『何かにボーン・バーンとぶつかる感じ』・『ばさーっとなにかが覆いかぶさってくる感じ』・『残りまとめて⇒強意』で済ませてしまうとハードルはぐっと低くなるでしょう。

今回のいつものように、知名度の高い単語と接頭辞を”ob-“に替えたものをセットにしてみます。“ぶつかり”具合を感じてみてください。(接頭辞”ob-“も語幹の頭の音に合わせて同化をしています。)

接頭辞ob- を使った単語

project – object      ject=投げる ⇒ 物体・反対する
propose – oppose         pose=置く⇒ 反対する
current – occur         cur=走る ⇒ 生じる
admit – omit      mit=送る ⇒ 除外する
reserve – observe          serve=し続ける ⇒ 観察する・順守する
contain – obtain     tain=持つ ⇒ 手に入れる
prefer – offer       fer=運ぶ ⇒ 提供する・申し出る
stand – obstacle      st=立つ ⇒ 障害(物)
port – opportunity          port=運ぶ ⇒ 機会
capture – occupy          cap=頭 ⇒ 占有する
hear – obey             aud=聞く ⇒ 従う
eat – obese                ede=食べる ⇒ 肥満の
Orient – Occident     ori=登る・cid=落ちる ⇒ 西洋
assess – obsess      sess=座る ⇒ 取りつく
include – occlude     clude=閉める ⇒ ふさぐ
letter – obliterate    lit=文字 ⇒ 完全に消す

如何ですか。なんとなく意思が強い骨のある語が多いように私は感じます。『ホームベースを死守するキャッチャー』今年の野球は、そんな感じで観戦して頂けると幸せです。

まだまだ私たちが自然に使っている接頭辞があります。次回は、あまり言われたくない”dislike”の”dis-“を取り上げます。お楽しみ(?)に!

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