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基本編シリーズ:よく見かける接頭辞⑮”in-”の2

その意味を反対にします

語源・町のお医者さん・水守勤三です。今回は前回の続き、接頭辞のin- のもう一つの意味に焦点を当てていきます。

接頭辞in- が生み出す反意

先日、ペーパーバックを読んでいると、英会話の本の定番表現 “Do you mind if I smoke?” が出てきました。但し、”Do you”が省略されて、”Mind if I smoke?”でです。英会話の教材では、”No, not at all.” や ”I’m sorry I have a sore throat.” 等に流れていくのですが、流石はペーパーバック。”Yes, I mind.” となっていて、とても新鮮でした。その本の中に次のような表現もありました。”The damage was irreparable.” ダメージの説明が前後についていたように記憶していますが、骨子はこの文になります。如何ですか、”irreparable”の意味はつかめるでしょうか。もちろん、前後関係から、『そのダメージは取り返しのつかないものであった』という意味は十分につかめるのですが、現実では、その前後関係の中にも意味がぼやけるところがあり、意外と類推が難しい時もあるのではないでしょうか。できれば、文脈からの類推に頼らざるを得ない単語の比率が下げられるといいですね。ペーパーバックを読むと素直に思います、『もっと語彙力が欲しい』と。

では、今回は、この”irreparable”を念頭に置き進めて行ってみましょう。テーマは接頭辞”in-“です。前回は『―の中、-中へ、―中で、-へ』という意味があることを見ました。今回は2つめの機能『反意語を作る』です。まずは、次の語をそれぞれ反対の意味に換えてみてください。

possible, regular, logical, responsible, accurate, comparable, decisive, legal, sane

考えて頂く時に、答えが目に入りにくいようにするために、作ろうとしている単語の意味を書いてみます。

『不可能な、不規則な、非論理的な、無責任な、不正確な、比類のない、決定的でない・優柔不断な、非合法的な、正気でない』

impossible, irregular, illogical, irresponsible, inaccurate, incomparable, indecisive, illegal, insane

共通性が、『反意語を作る接頭辞 ”in-“』です。代表的な綴り(=音)は、”in-“ですが、元の単語の先頭の音の影響を受け同化(参照:5月4日掲載『イレギュラー』の綴りに起こっていること)が起こり綴りを変えています。念のためにグループにして表示してみます。

possible – impossible
regular – irregular
logical – illogical
responsible – irresponsible
accurate – inaccurate
comparable – incomparable
decisive – indecisive
legal – illegal
sane – insane

接頭辞in- から意味を類推する

このグループのように元の単語の全く逆の意味のものになるものもあれば、少しニュアンスを変えるものもありますので、確認してみましょう。次の単語の意味を言ってみてください。

infamous, invaluable

普通に考えると、『famous – infamous – 有名でない=無名の』・『valuable – invaluable – 価値が無い』と考えてしまいますが、実際は、『infamous – 悪名高い』・『invaluable – 非常に貴重な』となります。

『infamous – 悪名高い』は、『違うことで有名』くらいに考えてみてください。『反意語を作る接頭辞 ”in-“』から、『本来は良いことで有名になるべきなのに、違うこと=悪いことで有名』という感じです。

『invaluable – 非常に貴重な』は”infamous”よりもシンプルに行けるでしょう。『value=”価値”をつけられないくらい貴重』。この現象は”priceless”でも起こっています。『priceless – “価格がない”=“タダ同然”』ではなく『priceless – “価格がつけられないくらい”=“貴重な”』となります。

さて、最後に、”Damage is irreparable.”に戻ってみましょう。途中に、”incomparable”が登場していますが、意味は覚えておらるでしょうか。そうです『比類のない』、そうです、『比べるものがない=”compare”するこのがない』 “compare”⇒”comparable”⇒”incomparable”です。

見えてこられましたか、”irreparable”の元の単語。そうです、”repair”です。名詞に『賠償・埋め合わせ』という意味で、”reparation” がありあす。この名詞形は、ある有名な単語と同じ形になっていますが気づかれましたか。そうです、”prepare”です。『前もって(=pre-)で準備するのが”prepare”、一度壊れたものをもう一度(=re-)使えるように用意するのが”repair”』名詞形にしてみると、”-pare”と”-pair”が同じものであることが現れてきます。

結果的に『 (動) repair ⇒ (名) reparation ⇒ (形) reparable ⇒ in- + reparable = irreparable =もう修理することはできない=修復不可能な』です!

ペーパーバックを読んでいてつくづく思いました。『語源をやっていて、やっぱり良かった!』と。

次回からは『お馴染み』と呼ぶほど登場はして来ないものの『知っていて損のない接頭辞』をご紹介していきます。お楽しみに。

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この記事の筆者

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