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Enjoyボキャビル:人生100年時代のボキャビル

「語源・町のお医者さん・水守勤三です」の書き出しで2015年に始めたこのブログが100回目を迎えました。語源をまったくご存知ない方から、ある程度の知識をお持ちの方まで、幅広く楽しんで頂きたいという思いを「町のお医者さん」に託してきました。その甲斐あってか、読者の方からご要望を頂き、100回後も続行を決定しました。200回!あたりを目指しながら続けていきます。今後とも末永くご愛読をお願い致します。語源をしないのはあまりにももったいない、このことをお伝えしたい、それがこのブログの原動力です。お伝えしたいことを極々簡単にまとめてみます。

単語の切れ目を意識する

英検2級の単語集(パス単 旺文社)を開いてみました。語源的な視点があれば、定着が楽になると思われる単語が並んでいます。

provide:pro- = 前へ vide = 見る ⇒ 供給する(底をついてからでは手遅れ!)
contain
con- = 一緒に tain = 持つ ⇒ 含む(主語が目的語をしっかりと持っているイメージ!)
recommend
re- = 再 com- = 強意 mand = 命じる ⇒ 推薦する(何回でも指示を出して仕事をしてもらいたくなるような人なら推薦できる、という物語あり)

パーツ交換可能を大いに活用する

provide ⇒ provisionと名詞にして
   television, vision, revision, prevision
improvise
contain
sustain, maintain, obtain, detain, retain, abstain
   品詞を変えると tanacious
recommend
command, mandatory, commend

パーツは、色々なところで使えるので、接頭辞=30こ、語幹=100こ、接尾辞=30こもあればまずは成功。紛らわしいものは「語源をやっていなければ気になっていなかったことなのだからOK!」と、気にしない。慣れてから徐々にこだわるのが成功の鍵。

意味だけではないイメージの語彙構築を

単語帳の見開き2ページ目の下の部分に 基礎単語 produce がありました。この親戚に introduce があります。「紹介する」という意味は有名ですが「導入する」は知名度が上がりません。語幹 duce に「導く= lead」という意味があります。「人と人の中に導く」=「紹介する」、「工場や制度の中に導く」=「導入する」となります。「導入する」という意味を忘れた時でも、イメージができていれば、introduceが含まれる文の意味が取れるのではないでしょうか。単語帳のproduceから目を上げると、一番上に、reduce が出ていました。

一般の単語にも大人の単語にも

上で語幹 duce に触れていて「医療費控除」が浮かんできました。deduction for medical expenses です。introduce introduction なので、語幹 duce duct とも姿を変えます。語源の視点を持ち、語幹 duce でまとめることができれば、produce, introduce, reduce, induce, deduce, seduce, etc. となり、「控除」deduction について言えば、接頭辞 de- = 離れる の意味があれば、十分に納得して受け入れることができ、記憶に残りやすい単語になると考えます。

人生100年時代のボキャビルへ

語源のお話をすると「効果性は分かるのですが、それをやっている余裕がないんです」と言われる方がおられます。「接頭辞や語幹を覚えてグループ化する」と聞くと時間が掛かりそうです。また、確かに時間が掛かります。私は47歳からの3年を語源に費やしました。もちろん、日々、語源だけをやる、ということはありませんので、正確に表現すると「語源への感度を高めた状態で英語に接しました」となります。何かの英文を読んでいて、興味のある単語が登場してくると、そこから語源にそれてしまって、英文に帰ってくるのに1時間掛かった、というようなことがこの時期には起こりました。この時期だけを見ると、語源をやっていなかった方が効率的に英語に接することができたと思います。ただ、この3年のお陰で、英語との付き合い方が変わりました。変化の中の大きなもののひとつを敢えて言葉にすると、「単語の意味は辞書に教えてもらうもの」という考え方が「(英文を書く時にその単語を選んだ筆者と)一緒に考えてもいいのだ」というものがあります。この感覚を持った状態が既に14年続いています。3年の取り組みで、その後の14年が既に豊かになっています。「終わりの方の14年…」と考えられたのではないでしょうか。もし、100歳まで生きるとすると、あと36年間、語源を活用することができます。

書店にならぶ語源の本はここ10年くらいでぐっと増えましたし、辞書やネットの情報も手助けしてくれる時代です。私が取り組んだ17年前とは状況は大きく変わっています。どなたでも取り組める効果のある方法だと確信しております。

皆様の英語学習・活用が、実を結びながら進みますことを応援致しております。

これまでの100回のご愛読、有難うございました。そして、次回11月からも続きますので宜しくお願い致します。

www.frgn.kec.ne.jp/event/

語源を学んで英会話力向上

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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