KEC外語学院ブログBlog

Enjoyボキャビル:「小さく」しましょう!    

語源・町のお医者さん・水守勤三です。語彙数を増やしたい方の代表格に検定受験者がおれます。先日、秋の英検の一次合格発表もありましたが、如何でしたでしょうか。

負荷が掛かる長文の出だしを語源で

クラスを担当していることもあり、準1級の問題をよくみます。今回のテストで「受験者に語源の知識があるとかなりプレッシャーは少なかっただろうな」と思う問題がありましたので、「語幹を追い掛けるシリーズ」から脱線して取り上げてみます。

大問3の2つ目の英文 “Lightning Strikes and Ships”の書き出しです。

Clouds often form around particles called aerosols. These tiny particles attract water vapor, causing water droplets to form.

aerosols は前に called が付いているので、“aerosolsと呼ばれる…となることから、専門用語的扱いで、知らなくても構わない語、だと判断できます。

そうなると、難し目の単語は、particle, attract, vapor droplet の4つになります。この内の、particle droplet が目を引きました。(attract2019123日のブログをご参照ください。vapor evaporate の親と言える単語です。)

particle , droplet になにが見えますか

普段、漢字に触れている私達は、無意識に部首や旁を活用していると思われます。ですが、同じことが多く(ほとんど)の英単語にも言える、ということを意識する人はまだまだ少ないようです。次のようになります。

particle = part + -cle = 部分 + 小さい(指小辞と呼ばれています)

droplet = drop + -let = 滴 + 小さい(こちらも指小辞です)

結果として、particle は「小さな部分」⇒「粒子・分子」、droplet は「小さな滴」⇒「小滴・飛沫」と、材料(語幹と接尾辞)のままの意味になります。

「雲は aerosol 呼ばれる粒子のまわりに形成される。これらの小さな粒子が水蒸気を引き寄せ、小さな水滴が生まれることになる。」

次の文にも、“molecule = 分子という– cle の親に当たる –cule という指小辞を含んだ単語が出て来ています。particle droplet のように、指小辞を除いた部分に馴染みがない単語ではありますが、関連として高校の化学の授業で「モル」という単位を習ったように記憶しています。

多くの単語で、particle –i- のように、パーツとパーツを発音しやすく接続するための意味のない綴りは出て来ますが、慣れると迷わされないものです。また、他の指小辞としては、-et, -en を抑えておいてください。

「タブレット」って、どんなイメージ?

では最後に、指小辞を含んだ単語とその意味を紹介します。元の単語との関係を楽しんでみてください。

tablet = 錠剤、bullet = 弾丸, packet = 小包, locket = (写真などを入れた首飾りにするケース)wallet = 札入れ(“wall=は俗説、でもイメージしやすいですのでそのままでいきましょう)

英検の長文の出だし3行を見て、語源の有効性を再認識しました。

語源の魅力とは

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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