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Enjoyボキャビル:単純暗記は4語に1語!

語源・町のお医者さん・水守勤三です。遂に「日本の夏」がやってきました。ニュース番組が積乱雲を取り上げていました。どうか、異常気象が悪影響しませんように、と祈る気持ちです。

さて、去る7月14日に、高校生を対象にした「ライブ版・公開ボキャビル講座」を行いました。終了後に、受講者のひとりから、「先生、私、語源にハマる予感がします」というコメントがあり、「そうだろう、そうだろう!」と心の中で叫んでいました。そこで今回は、「語幹探訪シリーズ」から脱線して、ライブ講座で取り上げた「語源的視点は実際にどのように活きるのか」からお話をしてみます。

講座の材料として、最近、書店でよく目にする「必携英単語 LEAP」竹岡広信著・数研出版の1001番から1200番の200個の単語を取り上げました。

単語を大きく3種類に分類

1.既に日本語化している・しつつあるグループ
    ex. approach, sensation, react, aid, stun, etc.

2.語源の目で見れば記憶しやすいグループ
    ex. conflict, revise, imply, secretary, modify, etc.

3.何も気にせず単純暗記が有効なグループ
                ex. boost, seize, leap, chin, devastate, etc.

1番の日本語化グループには、少し変化させると知っている語もありました。例えば、「stun=を気絶させる・を呆然とさせる」は、見たこと・聞いたことがない単語のように思ってしまいますが、「スタンガン」になるとイメージも浮かびあがってきます。「aid=援助・救援物資」も「Band-Aid」になるとお馴染みです。因みに、単語集LEAPもこの点に触れて、暗記を助けようとしています。素晴らしいと思います。

3番のグループには、特徴があるのですが、如何ですか。そうです「単語の中に切れ目が見えない」ものが多いのです。また、devastateのように切れ目は見えるけれど「発展させていけるものが限られている」語も、単純暗記グループに入れました。

さて、最後が2番のグループ、記憶に留めるのに語源的視点が有効な語ですが、上記以外にも、demand, recite, forehead, justice …などなど、お話し始めると止まらなくなる語が並びます。

比率はどれくらいか

ライブ版公開講座では、合計200語を、100語ずつに分けて、出席者を替えて行いましたので、100語ずつで分類を見て頂きます。前からグループ1・2・3と表示します。

 *1001〜1100   28語―45語―27語
 *1101〜1200   18語―60語―22語

今、改めてリストを見ると「fortune=運・幸運・富」を単純暗記グループに分類していました。AKB48の歌が聞こえてきます。これは1番のグループのようです。

このように、分類は完全に個人的な感覚で行いましたので、人が替われば数字も変わります。ただ、語源に慣れた者が見ると、単純暗記が有効と思われる語は、4語に1語ぐらいしかないようです。

最後に「私はどうすればよいか」

長文の中や、単語集の中などで、新しい単語に出会った時は、すぐに辞書を引くのではなく、「何か手掛かりはないだろうか」と思ってみる癖を付ける、これが有効だと確信します。その後で、辞書を引き、意味の前に、語源などの周辺知識をチェックし、それから意味や例文に進む、これを是非実行してみてください。
きっと楽しい世界が開けると思います。

単語の覚え方を実現する考え方

 

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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