KEC外語学院ブログBlog

Enjoyボキャビル:単語に隠れた物語

語源・町のお医者さん・水守勤三です。クリスマスソングがこれほど耳に入ってこない年末は初めてのような気がします。小さな努力がコロナ収束に繋がることを信じて、できることをしていこうと思います。

さて、前回から「中学生の子どもがいれば…」という視点で語源を眺め始めました。前回の「響きを頼りに理論抜き」に続き、今回も手元に中学生用単語集の索引を広げながら、好奇心をくすぐってみます。

「朝食」に見える「壊す」と「速い」

break, broke, broken” 懐かしい!不規則変化形表を発音しているだけで楽しかった日々が蘇ります。その“break”に「走るのが速い」の“fast”が付いて、なぜ「朝食」なのか?だれも質問しないので、見て見ぬ振りをして過ごした中学時代、ではないでしょうか。

入院経験者がたくさんおられることでしょう。病院の夕食は午後6時過ぎ、朝食は朝8時過ぎ。なんと14時間も空いています。残り二食を10時間の間に食べることになるのですから、夕食から翌日の朝食まではちょっとした「断食」状態。我が子には、「速い」の“fast”と同じ綴り・同じ発音の別単語に「断食」があり、朝食は「断食をやめる」ことと、ちょっとだけ告げるような気がします。

forget” に “get” が見えてしまう

見て見ぬ振り作戦をしながら、我が子には少しだけ語りたい。
get” で「手に入れたもの」を「手放してしまう」のが “forget”、だと。

ならば、“give” と “forgive” はどうか?
give” は「与える」を “forgive” は「(罰を)与えない」⇒「許す」だと。

違う“for-”も出てくるでしょう。その時はその時で、子どもと一緒に辞書で語源を探してみればいいのです。マイナスを考えてプラスを逃がしてしまうのは損!大らかな心でいきましょう。

中学のあとで、
bear” は「運ぶ」、 “forbear” は「運ばない」⇒「控える」
bid” は「命じる」、 “forbid” は「するなと命じる」⇒「禁止する」と見えてしまえばいいな、と願いつつ。

always, already, also, alone” の “al-” は偶然?

He always goes to the library after school.
He usually goes to the library after school.
「図書館に行く回数が多いのはどちら?」と言った感じの問題に“我が子”もいつか出会うことだろう。それであれば、今の内にささやいておいてやろう。「“al-” は “all” だ、already, also, alone から al- を消してみろ。知っている単語が出てくるぞ!」と。水守注:こんな親はどうみても、子どもに嫌われそうです。でも語りたい!

単語の中の単語探しゲーム

嫌われないように、ゲーム仕立てに。「次の単語の中に、隠れている単語をできるだけたくさん言ってみよう!」

discover, grandmother, wheelchair, waterfall, weekend, useful, tomorrow, sometimes, return, distance, customer, exchange, afternoon

「何個発見したら正解」という感じではなく、「今、発見できる個数」で楽しむ肯定思考でいきましょう。私は大学生の頃でも、「明日」との相性がどうもよくありませんでした。書くたびに、“tomorrow” なのか “tommorow” なのか迷いました。この語の語源が「(明日の)朝に向かって」= “to morning” だと知って、自信!を持つことができるようになりました。

今回のブログを書いていて「やっぱり嫌われるなぁ…」と感じます。でも英単語が「ただ単なるアルファベットの羅列」ではないことは伝えられるように思います。

皆様の2020年の平和な締め括りと、健やかな2021年をお祈りいたします。

今年もご愛読、有難うございました。よいお年をお迎えください!

語源を学んで英会話力向上

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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