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JyoVo:基本接頭辞をフル活用①

こんにちは、語源・街のお医者さん、水守勤三です。6月11日からイギリス・コーンウォールで開催されたG7サミット関連のニュースで「hegemony = 覇権主義」という言葉をたびたび耳にしました。同じ時期に観たテレビの娯楽映画で「flout = 侮辱する」も飛び込んできました。「やっぱり語彙は大きいなぁ」と無意識に大阪弁で呟いていました。

今日のテーマは接頭辞です。基本的なものをイメージのし易さでランキングしながら見てみましょう。

語源の魅力とは

くるくると手が回る:re-

基本接頭辞

「接頭辞なんて、ぜんぜん知りませんよ」という人に「では、re- は?」と問い掛けると、多くの人が手をくるくると回し始めます。くるくる回るためには前に出た手がに戻らないといけないので、「再・後・元」という意味があります。では、次の語に re- を付けてみましょう。

turn, act, new, view, set, cycle, fresh, move

もう解答は要らないですね。ふたつだけ細かく見てみましょう。react remove。「actしてきたものに対して元・後の方へもう一度actするイメージ=反応する」、「remove = 取り除く」は「目の前に出ていたものを自分の背中=後の方へ動かす」結果として「取り除く」という感じです。難易度を上げていくと、

resist, receive, replace, reversible, reject, recede, revenue, redundant, reimburse などが出てくるでしょう。

中にある「redundant = 過多の」は少し変わりものです。切れ目が、red-und-ant re- でなくred- になっています。語幹が「und = wave = 波」と母音から始まっているので、発音をしやすくするために –d- を挟んだという手順です。また意味も「再・後・元」ではなく「強意=意味の強め」で使われています。redundant は全体として「波がどんどん押し寄せている」感じです。

() & ()in- & ex-

「頭文字」と「出口」この関係は見えるでしょうか。英語にすると、exit – initial。見えたでしょうか –it-が入っているという共通性。そうです、it は「行く= go」を意味する語幹で「出口=exit」は、正に「出ていけ=Go out!」、一方、「頭文字=initial」は「(頭から)中に入っていく 例:Mizumori と書類に書くとき、頭から書類の中に入っていく文字はM」という感じです。

in-, ex- はセットで覚えると記憶が安定します。次の語を英語にしてみましょう。

Round 1:輸入 輸出、印象 表現、意図する 拡張する
Round 2
:伝染させる 影響、発明する 出来事、移民(国内へ) – 移民(国外へ)
Round 3
:押し入る 押し出す、差し迫った 著名な、暗黙の 明瞭な

ここに挙げたものは、in-, ex-以外の残りの形が同じものだけです。少しくらい変わっても大丈夫となると、本当にたくさんのセットが登場してきます。in-, im-, ex-, e- を見たら、仲間がいるのではないか、と考えてみるのも楽しいものです。では、単語をご紹介しましょう。

Round 1:import – export, impression – expression, intend – extend
Round 2
infect – effect, invent – event, immigrant – emigrant
Round 3
intrude – extrude, imminent – eminent, implicit – explicit

の間」のinter-

「インターナショナル」は、英語でもなく、外来語でもなく、既に日本語としての地位を確立している言葉でしょう。でも、そのinternational を「国と国の間()」と理解すると、接頭辞 inter- の心が見えてきます。「‐‐の間」に似た気持ちとして「相互・交互」というイメージも出てきます。最後に、inter-で始まる次の語を英語にしてみましょう。

面接、関心、インターハイ、交差点、知性、仲裁する、傍受する、間隔、暫定

interview, interest, inter-high school athletic meet, intersection, intellect, intercede(・intervene), intercept, interval, interim

re-, in-, ex-, inter-どれも既にお世話になっている接頭辞です。その接頭辞に少し焦点を当てると、意味が立体的になっていくとともに、語彙を拡張するチャンスも手に入ります。次回も、まずはお馴染みの接頭辞を追いかけます。お楽しみに。

KEC外語学院梅田本校

この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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