KEC外語学院ブログBlog

語源・新シリーズへ ようこそ!

「もう少し語彙力があればなぁ…」は、英語に関わる人の多くのが持つ悩みであり、希望ではないでしょうか。こんにちは、語源・街のお医者さん、水守勤三です。

このブログでは、そんな思いを持っておられる方に、「語源からのアプローチ」をご提案します。語源との出会いは47歳の時でした。語彙力を強化してみようと思い、数々の試行錯誤の末に、語源に辿り着きました。20年近くが過ぎた今も、語源の効果性に対する信頼は揺らぐことはありません。

今回が新シリーズの第1回目です。ゆっくりとお付き合いください。

blackboard” は「黒い」・「板」

私の英語との出会いは中学1年でした。担当の先生は、とてもとても怖い先生で、授業の先頭は必ず単語テストから始まりました。点数が悪いと大変。cat, desk など多くの単語は、発音と見た目だけで覚えられるのですが、blackboard には手こずりました。仕方なく「ビー・エル・エイ・シー…」と綴りを何度も声に出し覚えました。半世紀以上が経った今も、この単語だけは自然と綴りが口に出ます。

今となっては、その当時の自分が「黒=black」・「板=board」を言えたかどうかは定かでありませんが、「黒板は黒い板なんだ!」と気付くことができていれば、「ビー・エル・エイ・シー…」にはならなかったのではないかと懐かしさをもってよく思います。

recur 再発する」をどう覚えますか

手元の英検用単語集を見ると、recur は1級の前半部分に掲載されています。念のために準1級を確認しましたが出ていません。ということは「1級単語だけれどその中にあっては易しい目」という位置付けでしょうか。さて、では単語帳で recur を覚えようとする時、私たちはどんな風に取り組むのでしょうか。何度も発音をしたり、紙に書いたり、例文を見てみたり、と色々な手を使うことでしょう。

recur 再発する」を強く記憶に残す

実は、語源という視点があれば、recur はほとんど労力を割くことなく、強く記憶に残せます。
recur occur re-版」
如何でしょうか。同じ出版社の単語帳で確認をすると、occur は2級で取り扱われています。ということは、recur に取り組む段階で「occur 発生する」は既にマスターしていることになります。「recur 再発する」を新しい単語と考える前に、何となく知識を持っている re- という接頭辞を意識し、また、辞書などで確認をして、recuroccur と同じグループだと分かれば「recur 再発する」という単純な暗記よりもはるかに効果的な定着ができるのではないでしょうか。
blackborad black board で“黒い板”」
recur は、occur re-版で、“再び起こる”」
これも立派な“語源”的な視点です。慣れれば、色々な単語で blackboard現象が起こります。

単語の中の単語

「語源も使って語彙を増やす」を実感して頂けるように、クイズしてみます。次の4つの単語にはある共通性があります。それはなにでしょうか。

secretary, address, income, export
意味:秘書、住所、収入、輸出

そうですね、答えは「中学で習った単語が入っている」です。順に、secret, dress, come, port=秘密、ドレス、来る、港、が隠れています。income には、come だけでなく in もいます。正に、「中に来る」⇒「中に入って来る」という単語です。きっと「中に入って来て嬉しいもの」として「お金」がイメージされ、「お金が財布の中に入って来る」で「収入」になったと思われます。

他の単語も決して綴りが長いわけでもないですし、意味が明確なので「覚えるのが難しい単語」ではないですが、ただ単に「secretary 秘書」と覚えるのと、「secret=秘密を守ることが仕事の人」と少しだけ付け加えてみるのでは、楽しさが違うのではないでしょうか。

大活躍、中学必修単語

では、単語を少し難しくしてみましょう。これらにも中学必修単語が入っています。

outcome, impartial, conscience, abuse
意味:結果、公平な、良心、(職権)乱用
必修語:out come, part, science, use

どれも、ある程度「難しい単語」に分類されることが多い語です。conscience は語源風に解釈すると「思い切り科学」です。科学は色々なことを「知る」ことであり、良心は「やって良いことといけないことをちゃんとしっている」状態を言おうとしたと考えられます。

内容が話題にならない語源

語源に興味を持ち始めた当時、大きな書店でさえも語源に関する本はそんなに多く出ていませんでした。一方、現在では、語源関連の本はしっかりと棚の一角を確保するようになりました。また、買う人も増えているようです。語彙力増強に語源が有効だと考える人が増えてきた証拠ではないでしょうか。ところが、本が目を引く割に、英語を勉強している人から語源の話はめったに出てきていないのではないでしょうか。どうも「本は買ったが、続かなかった」人が多いようです。このブログを書きたいと思う理由がここにあります。

成功の秘訣① 手順を変える

語源関係の書籍の多くは、一覧表形式になっています。『語幹: port  運ぶ = carry』と紹介した後は、import, export, report, support, transport, deport, opportunity, … と羅列されます。意欲が十分な時は、得をするような気持ちになるのですが、少し熱が冷めてくると、この単調さが苦痛になってきます。また、次から次に『語幹: port  運ぶ = carry』のようなことを覚えることに疑問を感じ始め、最後には、まだ真新しいままの本が棚の肥やしと化してしまいます。

そこで、語源を使った語彙力養成の成功の方法として、「よく知っている単語の語源を楽しむ」を強くご提案します。「良心= conscience」を見た時に、「もしかして、これ science と親戚?」と、ちょっと関心を持って辞書で語源を確認してみます。そうすると、語幹 sci to know だと紹介されているでしょう。そこから「科学は知ること、良心は科学の親玉」くらいまで行ければ、一応の満足をしてみる、常に食欲を残しながら前に進む、そんな感じが大切だと思います。ブログが長くなってきました。皆さんの食欲が失せない間に、第1回を終了させて頂きます。毎月、第4木曜日にお会いしましょう。

語源の魅力とは

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この記事の筆者

水守 勤三Kinzo Mizumori

大阪市出身。関西外国語大学・英米語学科卒業後、KEC教育グループ(英会話・予備校部門)入社。一貫して英語教育の第一線で現場指導に携わると共に、カリキュラム・指導法開発を担当。それに並行して、KEC独自の「TP指導システム」開発にも携わる。数十年の語学・英会話指導経験から、日本人が英会話を習得するうえでの学習・指導ポイントを熟知。「学習する者は教える者の人間性と意気に感じる」を信条に、授業に情熱を注ぐ傍ら、今も指導法の研究を続ける。

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