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なぜか面白い、手品のタネ明かし!
道路標識『国会前』が『日本の食生活』に?
こんにちは、自称、語源・町のお医者さん・水守です。
先日のニュースによると、オリンピック開催に向けてか、都市で道路標識がローマ字から英語に切り替えられているとのことです。東京では、“Kokkai-mae”が、“The National Diet”になったと報じていました。多くの外国人が、その標識から『日本らしい食事』や『日本の食生活』を連想すると伝えていました。”やっぱり単語って面白い”と感じました。
参考書のタネ明かしじゃ興味が続かない!
さて、テレビでマジシャンが、タネを明かしているシーンを見かけますが、これには必ずパターンがあることにお気付きだと思います。そうです、マジシャンは、必ず、まず手品をした後で、タネを明かします。そうしてくれるので、『な~んや、あんな簡単な方法でやっていたのか』・『これなら私にもできそうだ』というような気持ちになり、興味が続くのではないでしょうか。では、書店のにならぶ『語源で単語を増やそう』という本はどうでしょうか。実は、手品の場合の逆をやってしまっています。一般の書籍の解説の手順は次のようになります。
まず先頭に、『pos・pose・poun・post=置く』とひとつの語幹に対して、いくつかの変化形と意味が書かれ、そこからはこの語幹を使った単語とその意味が一気に提示されます。たとえば、pose, position, positive, propose, purpose, expose, exposure,repose, compose, decompose, suppose, deposit, depose, oppose, opposition,dispose, disposal, impose…と。
最初の5つくらいまでは感激もありますが、それを越えても興味が続く人はそんなに多くはないと思います。これは、先にタネを明かされてしまい、その後、延々と似た手品を見せ続けられるような状態だからです。タネを明かされず、『どうなっているんだろう?』とワクワクし、分からない状態のまま、ほんの少しだけ変化する手品を見せられれば、ますます『タネを知りたい!』という気持ちになるものではないでしょうか。『語源をやっても、やっぱり語幹の意味を覚えないといけないですよね』という考え方は、『手品をしようと思ったら、やっぱりタネを覚えて、使えるように練習しないとダメですよね』という考え方と似ています。
次のように変えてみてください。『あの手品(=語幹)、凄い!タネ(=意味)を知りたい!知りたい!』に。『proposeという単語は良く知っている。でも、なんであなたはproposeなの?composeにもposeがいる、supposeにもposeがいる。このposeが気になる!poseが分かれば、もう少し単語に味が出てきそうだ!』に。『pro-という接頭辞はなんとなく”前へ”という感じだな、propose全体で”提案する・結婚を申し込む”になるのは知っている。そしたらposeにどんな意味があるんだろう?』に替えてみるのです。想像をした上で、辞書やネットで、語幹poseの意味を調べて”置く”という意味を知り、その後で、『そらそうやな、レポートを書いて、人に向かって(=前へ)そのレポートを差し出(=置く)さないと、提案にならないな』という手順にしてみると、先に手品を見るのと同じ興味が湧いきます。“語幹pose=置く”だと覚えることに違いはないのですが、苦痛な単純作業としての記憶ではなく、知りたいという気持ちとセットになったポジティブな記憶にするのです。最後に、卒業シーズンに因んで、graduate, gradually, degree, congressなどに登場する”gra-,gre-”という語幹にはどんな気持ちが入っているかを想像してみてください。分かるとingredient=”材料”なんて、楽しくてたまらなくなってしまいます。次回は、”dictionary”の旅をご一緒頂こうと思います。お楽しみに。
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