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知っていて損はない英語の接頭辞シリーズ③:”a-“

 英語の語源を辞書から探る

語源・町のお医者さん・水守勤三です。

ライブ版・語彙講座・中級編が9月25日に終了しました。初級編を受けられた方が、興味を持たれ、中級編にもお越し下さいました。語彙のレベルは上げますが、取り上げるテーマは同じものですので、理解を更に深めて頂けたようでした。次回は、10月16日(日)に上級編を実施します。上級編と聞くと尻込みされる方もおられるかも知れませんが、『努力と根性だけで覚えきろう』というような講座ではありません。『その日の内に何語覚えて頂く』というのではなく、『受講後に、単語を覚えることに興味を持って頂けるようにする』を目的にした講座です。是非、お越しください。詳しくは、ホームページご参照ください。

否定の接頭辞a-

では、今回のテーマに入っていきましょう。早速ですが、次の単語の意味を言ってみてください。

asymmetry, atom, amnesty, apnea, anemia

意味は順に、非対称・原子・大赦・無呼吸・貧血です。共通性は見えないようですが、“without, not”と否定の意味を表す接頭辞“a-”が生きている単語ばかりです。今回は、一語ずつ物語を見ていきましょう。

asymmetry

asymmetryに何が見えますか、分解してみてください。 a- + sym- + metry ⇒ メートル(meter, metry)が一緒(syn-)でない(a-)こと=非対称 当然ですが、asymmetryから”a-“を取ったsymmetryは“長さが一緒⇒対称”となります。
meterがmetryになる変化は、centerがcentral, concentrateにも発生していますので、慣れてこられた方もおられると思います。ここで『asymmetry=非対称』の知識だけで満足せずに、電子辞書に『~metry』や『*metry』と入力して-metryで終わる単語を追いかけてみるのも楽しいでしょう。有名どころのgeometry, barometryや、語幹に知識が増えてきた人なら意味が見えてきそうな語に、optometry, altimetry, densimetry, oxidimetry, photometryなどがあります。

atom

次に、atomic bombもしくは鉄腕アトムで知る人の多い『atom=原子』の先頭のa-もこのグループです。そうすると語幹は“tom”になります。なぜかしら“ロボトミー”という言葉が耳に残っています。その切除手術をすると荒れ狂っていた人がロボットのようにおとなしくなる、と記憶をしていました。辞書には、『lobotomy=(大脳の)ロボトミー・葉切除術=日本では現在行われていない外科療法』と書かれていて、『ロボト』 の部分はrobotではなかったことも見えてきます。語幹“tom”には“切る”という意味が見えてきます。最近では、オストメイトの方も安心して使用できる公衆トイレが増えてきています。オストメイトとは、ostomy手術を受けて回復された方を言います。こんなところにも“tom”が存在しています。それに否定の接頭辞a-がついて『(もうこれ以上)切り刻めない=原子』という流れになります。upの意味を持つ接頭辞ana-とセットにするとanatomyが出来上がり”cut up⇒解剖(学・術)”という語も見えてきます。

amnesty

amnestyは『(政治犯などを不問にする)大赦・恩赦』 辞書には、mnesty = rememberで紹介される語です。『(過去にその人がやったことを)覚えていないことにする』に接頭辞a-の気持ちが込められています。接尾辞を“病名”を表す-iaに換えると、amnesiaが出来ますが、意味は想像できるでしょうか。『覚えていることが無い⇒健忘(症)・記憶喪失症』となります。

apnea

apneaの語幹は、『肺炎=pneumonia』に出てくる『pneu=肺』そこから『呼吸』へとつながり、そこに接頭辞a-が付いて否定をし、『呼吸が無い=apnea』となります。a-の代わりに別の接頭辞を付けるとhyperpneaも出てきますが、意味は類推できるでしょうか。自分に自信を持って言ってみてください。そうです、『過呼吸』です。

anemia

最後にこれで朝が起きられないと言っておられる方も多いanemiaです。『血液』を意味する語幹にはヘモグロビンで有名なhem-がいて、nemiaというと、主に医療用語として、『~~血症』という意味で活躍する語です。

接頭辞a- の持つその他の意味

接頭辞a-には、今回の否定の意味以外にも、alive, awake, akinなどに見られる別の意味を持つa-が居る以外に、これまで見てきた接頭辞ad-, ab-などの変化形としてのa-もいるため、難しく感じる方もおられるのですが、だからと言って『接頭辞a-に否定の意味がある』を放棄するのはもったいないことだと思います。記憶に留めておいて損はない接頭辞です。

次回は、ひとつの接頭辞に絞らずに『善悪』を語ってみたいと思います。お楽しみに!

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